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●京都深草Annie‘s Cafeにて、CuBerry
熟した大きな白イチゴが一粒3500円と聞いても、希少価値にそのくらいの価格は妥当と思う人がいる。希少価値とは手が届かないか、届きにくいことで、昭和30年代までならば銀幕のスターがそうであった。



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だが、彼ら彼女らの実態が本当に希少な美点を多く持っているどうかは別の話で、すべては受け手側の妄想で希少な存在と思っている。それがAKBの登場によって生身のアイドルと握手が出来るようになり、スターは手が触れられるものとなったが、間近で演奏者が見られるライヴもそう言ってよく、若い女性ミュージシャンがそれなりに固定ファンをつかんでいる。さて、23日のライヴで最後に登場したCuBerryは20代前半の若い女性4人組のバンドで、演奏の際に『不思議の国のアリス』を思わせる少女のアニメを中心とした銀幕映写を行なう。その二次元の少女には誰も手が届かない一方、同じ名前の4人の女性は眼前で演奏し、これはその音楽性ないし演奏者たちの視覚性とシンクロした映像に、さらなる工夫が可能であることを思わせる。それはともかく、CuBerryは今日の最初の写真のスクリーンに映し出されたイラスト右下にある「CUBE状のイチゴ」に由来するようだが、彼女らのバンド名を冠した曲の公式アニメ映像によれば、四角い小さな箱から出て来たきれいな洋服を着た青い目をした女の子の名前で、彼女はいつもとは違う世界に誘うが、歌詞の最後は「窓から見えたあの子を探して」と歌われる。曲のイントロはビートルズの「涙の乗車券」に似ていて、全体のややけだるく夢見がちな雰囲気は『マジカル・ミステリー・ツアー』の「フライング」を思わせる。筆者が彼女らのことを知ったのは、5月4日、Eulalieさんと出会った翌日、早朝の電車で帰宅した直後に金森幹夫さんから届いたメールによる。なかなか端的にまとめられた内容なので、以下それを少し端折って引用する。「……Eulalieさんという方は名前だけ知っています。……京都市芸ということなので、CuBerryというバンドのメンバーも知り合いのようですね。CuBerryはかわいらしいポップバンドで好きなんですが、京都は遠いのであまり見に行けてないです。5人組で映像専属のメンバーがいます。その映像(g/voの子と共作?)がチェコのアニメのフェスで入賞したらしく、去年チェコに招待されて2人で行ったそうです。その映像の子とg/voの子も京都市芸を今春卒業してます。映像の子は近々ポーランドに留学が決まっているそうなんで、彼女が日本にいる間にぜひ一緒にライヴを見に行きましょう。CuBerryはg/voとdsが姉妹で、bがいとこ、映像が学友というファミリー的なバンドです。妹も確か今春高校を卒業したのではないかと思います。姉妹の父も古くから京都でDustというバンドでギターを弾かれている方です……。」
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 ギターとヴォーカル担当の女性はKanaco(奏子)という名前で、彼女の父親が同じくギターで最近まで参加していたが、その演奏はYOUTUBEで見られる。ヴォーカルのあるバンドではどうしてもヴォーカリストが最も目立ち、その意味でCuBerryの中心的存在は奏子さんと言ってよいが、父親が在籍した当時の演奏では左寄りに立って、音的にも父親の華々しいそのギターの陰に隠れていた。またかわいいアニメ映像に男性の存在がそぐわず、女性4人となったのは視覚的にすっきりとしたが、当夜のライヴでは映像とわずかな打楽器担当のSetsukaさん曰く、9月から半年留学するのでバンドが3人編成になるとのことだ。その状態でライヴをするのかどうかだが、映像はボタン操作ひとつで上映可能であろうし、あまり影響はないのではないか。当夜の演奏の際の映像は、「DOOR」や「TWINE」など、YOUTUBEで見られるものと全く同じ曲のものが2,3あったが、彼女らは映像の音を消して生演奏し、またそれが映像の尺とぴたりと合っていた。それはそれなりに面白くはあるが、予め録音していた音源に合わせて口パク可能という思いを感じさせるところに、映像という枠に囚われた生演奏、つまり即興性のなさが明確化し、せっかくの生身の彼女らを前にしていささか物足りず、また彼女らが逆に仮想現実的な存在に思えた。せっかく用いる映像の仮想現実性を生演奏の現実と対比させてスリリングなものにするには、前者のライヴ感が必要だ。それには全編を変更不可能に組み立てたものではなく、たとえばノイズ音楽と同じく、サンプリングした音源をつまみひとつで自由に操る方法を採るしかない。すでにそういう映像はさまざまに試みられていると思うし、またステージの照明の変化はその小規模な例だが、先日見た「PUBLICS.」のライヴにあったような抽象模様のランダム表示ではなく、具象的な少女像のアニメを使いながらその背景などに、生演奏にシンクロした毎回違う映像を流すことが出来ないものだろうか。だが、それは生演奏に即興演奏部分が多い場合はいいが、彼女らの演奏はYOUTUBE動画と全く同じ速度で再現出来るほどに曲は完成していて、その意味では生演奏は口パクでもよいことになる。となれば生演奏を見る醍醐味は、二次元の少女ではなく三次元の生きた人間の動きであって、またそれは一度限りのものであって年々老けて行く彼女らにとって、YOUTUBE動画を上映しながらの生演奏は、やがてはグロテスクなものとなりかねない。そのことを知っていたためか、ジェスロ・タルはデビュー時の20代に全員が老人に扮していた。CuBerryが小さな箱のイチゴのような愛らしい少女をイコンにせず、全員老婆の化粧をして動画を作り、それを上映しながら若い女性が演奏すれば、その諧謔味はそうとう話題になったのではないか。
●京都深草Annie‘s Cafeにて、CuBerry_d0053294_00021537.jpg PING PONG CLUBの演奏の際に奏子さんとドラムスのYuikoさんが加わった時、彼女らはTシャツ姿であった。奏子さんはAnnie‘sのライヴのブッキングの担当者で、店にいる間はTシャツ姿だ。それがCuBerryの本番では全員ドレス・アップした黒い衣装に変わり、視覚性へのこだわりを見せた。それをナゴヤハローさんはゴシック系と言っていたが、奏子さんのアンニュイな雰囲気はそう感じさせるところがあって、それが小さな箱の少女のイメージとそぐわないところがややある。ただし、その四角いイチゴとしての少女はバンドの象徴としてのキャラクターで、4人は着衣のイメージをどんどん変えて「かわいさ」を追求すべきだ。左端に陣取ったベースのSueさんは長身のうえに底の厚さが10センチはある靴を履いてさらに目立ったが、やはり中央前列に立つ奏子さんがバンド・イメージを牽引して行くだろう。蛇足ながら、彼女の足首は筆者にとって成人女性では生まれて初めて見る細さで、彼女がそれを自分の手で握ると5センチほど指が重なるだろう。ちなみに筆者は3センチの開きが出る。彼女は父親のギターをカヴァーしなければならないが、それはガールズ・バンドのギタリストがビートルズのジョージ・ハリソンのように歌の合間のギター・ソロを担当することであって、昨日の「くつした」の永岡さんにしても、みなそれをうまくこなしている。ただし、これはビートルズも言っていたように、ギターの長いソロは不要で、ましてやドラムスのソロはヴォーカル主体のバンドではあってはならないと目されている。それはビートルズの功罪の罪の部分かもしれないが、2、3分の長さの曲であればギター・ソロも型にはまったものとならざるを得ず、何よりも重要な要素はヴォーカルとなる。歌がよければ本当は楽器の伴奏も不要で、「くつした」がアコースティック・ギターのみで歌うのも、その歌に自信があってのことだろうが、歌よりも楽器の演奏を重要とみなすのであれば、ジャズや複雑なロックに向かう。CuBerryは「くつした」と同様、少年ナイフの次世代バンドで、ルーツをたどるとビートルズに行き着く。またパンクの激しさはなく、「かわいい」を前面に押し出しての活動で、そこに彼女らが10年、20年後にどういうイメージ作りをしているのかという関心が湧くが、70、80になってもロリータ・ファッションで演奏していると、それはそれで新たな様式の確立として面白がられるだろう。以上まとめると、老いることのない、またYOUTUBEで見られる実写を伴なう映像つきの演奏という様式は、今のところは映像からテレポーテイションした実在ないしその反対に実在が映像に入り込んだという感覚を呼び起こすが、年を経るごとに実写部分は回顧趣味と化すから、映像と生演奏のシンクロは工夫によっては前人未踏の仮想現実と現実との交差空間を生むだろう。
●京都深草Annie‘s Cafeにて、CuBerry_d0053294_00025759.jpg

by uuuzen | 2019-06-28 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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