「
に触れる」つまり「ニフレル」という名称の施設が万博公園にある。去年その施設の前を初めて歩きながら素通りした。大人の入場料が2000円近かったからだが、TVで何度も内部が紹介され、おおよそのことがわかっているからでもあった。
ネットで今調べると、「生きているミュージアム」とある。動物や昆虫など、生物を間近で見られるだけではなく、触れることが出来るのだと思うが、
街中のフクロウ・カフェの盛況を思えば、珍しい動物に触れたい人が多いと見える。犬猫ブームからしてそれはわかるが、フクロウにとっては無暗に触られるのは迷惑だろう。そう思うと「ニフレル」で展示される生物たちも迷惑ではないか。おそらく生物に直接触れられるとの意味ではなく、「感動に触れる」との意味合いが大きいだろう。だが、せせこましく、また明るい場所で見世物になっている生物を見ても、筆者は憐れを感じてしいまいそうで、その感動に2000円払う気はしない。先日書いたように、「風風の湯」の横にある中ノ島小橋の下を流れる桂川の支流にオオサンショウウオが3匹ほど見られると言う。それと同じものかどうか知らないが、わが家の裏の小川上流にも1匹いる。それを見たいと思いながら、その「感動に触れる機会」が得られない。大雨の後は川は濁って増水するので、サンショウウオは下流に流されるか、どこかに一時退避するのか、「風風の湯」の常連の81歳のMさんはもう見られないだろうと言う。それでもう目撃することを諦めているが、ホタルはまだ見られるかと思って、昨夜は9時頃に家内と中ノ島小橋に行った。その手前の「風風の湯」の玄関前で、小橋から犬を連れた青年がやって来た。犬はイタリアン・グレイハウンドで、青年を力強く引っ張っている。筆者らの目の前でその犬は敷石に小さな黒いものを見つけ、匂いを嗅いですぐに顔を上げ、また青年を引っ張って嵐山駅方面に去った。その小さな黒いものが気になって近寄ると、クワガタムシの雄であった。筆者はすぐにつかみ、小橋へと歩んだ。クワガタはもがき続け、指が痛む。『くわばら、くわばら、くわがた、かむなよ』。家内に袋状のものはないかと訊くと、小銭入れの小さなバッグを差し出した。その中にクワガタを入れ、窒息しないようにファスナーを1センチ開けたままにした。小橋から暗闇を覗き込むと、ホタルは飛んでおらず、すぐに帰宅することにした。駅前で小さなバッグを見ると、1センチの隙間からクワガタはすっかり抜け出ていた。またつかむと、クワガタはバックを離さない。自分の体重の10倍以上あるのに、とても力強い。家に戻るや3階に上がり、長さを測るとちょうど5センチ。よく育った。
写真を3枚撮り、すぐに1階に下りて裏庭の暗がりに放ってやった。クワガタは飛べるので、また「風風の湯」の前辺りに戻って行くだろう。「クワガタに触れてストレス与え合い」