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●神社の造形―皆中稲荷神社
き回るのは好きなほうだが、その気になって腰を上げるまでが時間がかかる。歩き始めて5分も経つと、アメリカまで歩いて行けるような快適な気分になれる。



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2時間ほどなら一度も立ち止まらなくても平気だが、70代になればそうではなくなるだろう。「風風の湯」で筆者より3,4歳年下の男性は、筆者がよく行く嵯峨のスーパー辺りでもとても遠く感じ、車で行くそうだ。その男性のように毎日車を使っていると、1時間も歩くことはとうてい無理で、老人ホームに入ることをもう考えていると言う。資産家なのでそのお金の心配もない。先日財務大臣が95歳まで生きるには年金以外に2000万円が必要と発言した。その金を持つ還暦以降の人は3人にひとりで、「風風の湯」の常連は筆者を除いてたぶん全員が該当する。中には働いている時に買った滋賀の大きなアパート2軒で毎月1000万円近い収入の人もいる。それにYさんの話では、知り合いの子どものいない男性が死んだ時、枕元に札束が積み上げられていたそうで、それが国庫に入ったそうだ。死ぬ時にちょうど持ち金が零になるのが理想だが、高齢になるほど不安になり、また金の使い道がわからないので、持ったまま死ぬことになる。オレオレ詐欺が流行るのも道理だ。2000万円の蓄えはともかく、老いると医療代が嵩むので、健康を保つためになるべく運動するに限る。それで筆者はめったに自転車に乗らずに梅津や嵯峨のスーパーに歩いて出かけるが、最近は高齢の運転手がアクセルとブレーキを踏み間違える事件が頻発していて、車道の際を歩いているとひやひやする。また夜遅くになると、歩道でも前や後ろから頭のおかしい奴が迫って来ないかと不気味であるので、歩き回るのも考えものだ。そう言えば今日は午後4時頃に梅津のスーパーにひとりで行ったが、歩道を歩いていると向こうから自転車に乗った若者がやって来て、すれ違いざまに筆者に深々とお辞儀をした。サングラスをかけた筆者の人相が悪かったのだろう。つまり、相手も変な人間と遭遇して悶着が起こることを恐れている。そんな雰囲気が彼の態度や眼差しにあった。それはそうと、財務大臣は先の話の際に、自分が生まれた頃の平均寿命は47歳だと言った。それは戦争で死ぬ人が多かったからだ。条件があまりに違う時代のことを引き合いに出すことの的外れさは、小学生でもわかったはずで、姑息で凡庸な頭の大臣が言いたい放題では日本の財務が改善するはずがない。ところで、ルナンが生まれた19世紀前半の半ばの彼の思い出として、後の著作で45歳の女性を老婆と書いている。現在の日本はその倍を生きる。老婆としての人生が45年もあれば、2000万云々の心配よりも、人生が灰色に見えるのではないか。それで50歳半ばでも30代に見えるという健康食品のCMがTVから流れ、現在の日本はグロの蔓延社会となっている。
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 3月25日は東京のパレス・ホテルを出て銀座の端にある画廊を訪れた。その後東京駅で荷物をコインロッカーに預けて移動することにした。家内は練馬に住む中学生からの友人に会うため、筆者は出版社を訪れたが、まずはふたりで山手線で新大久保駅で降りた。同駅から東北1キロに出版社があり、筆者は以前に二度同駅を利用したことがある。家内は大久保辺りは初めてで、ふたりでしばらく歩くことにした。筆者がまず探したのは新大久保駅から西200メートルほどにある中央線の大久保駅近くのライヴハウス「ひかりのうま」だ。その場所を簡単にメモした紙を持参したが、高架の線路から南東に櫛状かつ平行に7,8本延びる道のどれを南下してもそれらしき看板がない。同じ道を何度も行っては戻りを繰り返し、小1時間ほど費やした。諦めて家内と大久保通り沿いの適当な店で昼を食べることにし、モンゴル料理店に入った。とても安いので家内は感激していたが、大久保は多国籍の街で、いろんな国の食べ物屋が多く、また安い。大阪の鶴橋に似ているかもしれないが、街路が整然としていて鶴橋ほどに雑然とはしていない。また鶴橋の焼肉店はとても高価で、存分に食べるにはひとり1万円は必要だが、大久保では韓国料理店以外にはそんなに使わないだろう。食事の後、家内は練馬に向かい、筆者は出版社を訪れた。新大久保駅から東は若い女性が溢れ返っていて、なかなか前に進めなかった。韓国ドラマのブームがあった時もそうであったと聞いたが、今はKポップの歌手目当ての女性が多い。出版社で1時間ほど滞在た後、同じ道をたどって新大久保駅に戻り、また「ひかりのうま」を探すことにした。ライヴハウスなので、夕方近くに看板を出すのではないかと思ったのだ。大久保駅南東の櫛状の道を次から次へと出たり入ったりしたが、やはり見つからない。家内と歩いた時にも気になった店があって、シャッターが下ろされた店の正面玄関上部に虹のような半円の枠上に「キューピッド」の文字があった。後日それが「ひかりのうま」で、地下にライヴハウスがあることを知った。当日その場所を確信出来れば、夜のライヴを見る気でいた。当日はギタリストの男性ひとりが出演する予定で、彼は関西にはめったに来ないようでもあったので、見ておこうかと思ったのだ。結局家内と歩き回った時間と足して1時間半ほど歩いた。筆者ほどの方向音痴や探しものの苦手な者は珍しいだろう。家内は東京にまで来ていつものごとく場所を探し当てられない筆者につくづく呆れ果てていたが、筆者は平気なもので、知らない道を歩いて物珍しく、また運動になったとの思いだ。名所旧跡よりも、知らない場所であればどこを歩いてもよく、そういう場所を歩いている間はほとんど夢を見ている気分だ。実際、夢ではいつも知らない場所が出て来る。
●神社の造形―皆中稲荷神社_d0053294_17483494.jpg 池袋に出るために新大久保駅を目指していると、右手に神社があることに気づいた。鳥居の奥が長く、その突き当りまで歩き、写真を何枚か撮った。大勢の人が歩いているのに、境内に入る人は少な。「皆中稲荷神社」で、稲荷神社は珍しくないが、「皆中」は珍しい名前だ。これを書くためにネットで調べると、「鉄砲の弾がみな当たる」が由来で、徳川幕府がこの地に鉄砲隊を置いたという。新大久保駅と大久保駅の間の南側は百人町1丁目で、鉄砲隊は百人で構成されていたことによる町名だ。十人十色と言うが、百人百色で、この地域が多国籍化しているのは地名からして妥当であろう。筆者は東京に住みたいとは思わないが、住むならば雑然とした場所が好きなので新宿はいいかもしれない。寺社が多い京都にいると、東京はそれが少なく、ただただ人が多いように感じるが、大久保通り沿いにこういう神社があるのは何だか安心する。とはいえ、せいぜい400年の歴史だ。それはともかく、新大久保駅から西へ歩いたのは初めてで、今地図を見ながら、大久保通りのもっと西や東を遠くまで歩けば面白いのではないかと思っている。それに「犬も歩けば棒に当たる」で、神社に遭遇出来ればもっといい。鉄砲組の与力は鉄砲の弾がなかなか的に当たらずにいたところ、夢枕に稲荷の神が現われたので翌朝この神社にお参りし、その後百発百中したとされる。そうなれば庶民も願をかけるに至り、いつしか「皆中稲荷」と呼ばれることになったが、絵馬の中には「宝くじが当たりますように」と書かれたものがあった。今後は老後の2000万を用意出来ない人は宝くじに頼ることが多くなるかもしれず、億単位の金ではなく、最高額は2000万円でいいのではないか。それでも当たる率は10倍ほど増えるだけで、相変わらず宝くじは当たらず、むしろ散歩中に車に衝突される確率が高い。老後に2000万も用意出来ない人は安楽死を求めることになりそうで、ならば車に追突されて即死するのもいいいか。それを願うために皆中稲荷神社にお参りするのではあまりに切ないが、ピンピンコロリと逝きたいためにお参りをすることは戦後大いに流行った。要は他者に迷惑をかけず、大金を使うことなく、長らくの痛みも感じずに死ぬという希望で、2000万円あってもこの3つがなくなることはないから、老齢は厄介だ。ところが若者は老人が目に入らない。今わが家の紫陽花は青やピンクと咲き誇っている。その中に去年の茶色の枯れた花がいくつか混じる。あえてそれらを残したのだが、昨日の最後に載せたオットー・ディックスの「VANITAS」という絵と同じことを見るためだ。今は盛りと咲く花もすぐに茶褐色になって次代に華々しさを譲る。老人が若さに固執してグロテスクになることは慎んだほうがいいが、運動と称してあちこち散歩するのもいい姿ではないだろう。
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by uuuzen | 2019-06-10 23:59 | ●神社の造形
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