よい塩梅に実る頃合いがよくわからない青梅の実だが、昨日は裏庭のメダカの水を替えるついでにフェンスの外に出て梅の実を収穫した。
紅梅の木には数個は実るが、今年はひとつも見つからない。2週間ほど前、梅の枝の繁茂ぶりがひどいので、あちこち剪定したが、その際に木全体が揺れ、小さめの実がぱらぱらと音を立てて小川に落下した。上流の堰が閉められていれば水深は数センチで、川底を歩いて落下した実を拾えるが、梅雨時で水嵩は多く、実は川の流れに紛れて一瞬で見えなくなった。3,40個は落ちたが、仕方がない。それもあって今年は実をもぎ取らないでおこうかと思ったが、そのままでは梅に悪い気がする。それで長袖のシャツを着て帽子を被り、小川に落ちないように枝を撓ませて引き寄せながら梅の実を収穫した。数個はまた川に落ち、川の中央辺りに伸びている枝についているものは手が届かない。採取作業の終わりで突き出た細い枝で額を突き刺した。帽子を被っていたので見えなかったのだが、帽子を尽き抜けて刺さり、血が出た。先日「風風の湯」で額を打ちつけて血が出たのに、またもや同じことをした。それはともかく、採った実は135個で、今年は梅酒にせずに赤い紫蘇の葉を買って梅干しを漬ける。1粒当たりの大きさはスーパーで今売っている南高梅の大きな実の数分の1だが、何もないよりましだ。この考えは贅沢を言わないということだ。それに同意出来る人とそうでない人がいる。先日「風風の湯」のサウナ室真横の水風呂が故障し、水深が30センチほどになっていた。筆者はどうにか浸かったが、筆者と同じ年齢の常連のMさんは、「玄関に水風呂が使えませんという貼り紙をしておくべきなのに、こんなことでは常連は無料にしてもらわなあかん」と筆者に言い、サウナに入らずに10分程度いただけで帰った。数日後、水はいっぱいに張られたが、水道水なのか、透明度がきわめて悪く、とても生温かった。相変わらず常連には評判が悪かったが、筆者は「ないよりまし」と言い、常連の同意の笑いを誘った。ただし、誰しも不満はある。数日後に以前のように冷たく、透明度のある井戸水に戻ったが、一昨日はその水風呂のことで意外なことを耳にした。サウナ室に入ると嵯峨のOさんと、その奥に最近話すようになったKさんがいた。間もなくOさんが出ると、Kさんは最近かけ水をせずに汗まみれのまま水風呂に浸かるOさんを目撃し、注意したそうだ。Oさんはそのことを無視したそうで、それで水風呂に入っているOさんが聞えるようにKさんは筆者に向かってその話をしたのだ。筆者はOさんがかけ水をせずに水風呂を使うことは以前から知っていた。Mさんもかけ水をせず、案外そういう人は多い。筆者より年配でもあるので筆者は注意しないが、Kさんは公衆道徳を守れない者は嫌いだと手厳しい。筆者はOさんともKさんともよく話すが、OさんとKさんは口を利かない。
筆者は桶で水風呂から3,4杯の水を体にかけ、汗を流して浸かるが、たまに口に水が少し入ると塩辛い。海水のようにちょうどいい塩梅と言いたいところだが、その塩味は男たちの汗だ。循環浄化が追いつかないほどに男たちが水に浸かる。Oさんはそう考えてかけ水をしないのかもしれないが、褒められた行為ではない。とても人のよいOさんだが、他者から注意されると面白くないだろう。筆者とKさんがサウナから出てベンチで涼んでいると、何度目かにサウナから出て来たOさんは筆者の真横でかけ水をして水風呂に入った。Kさんの注意を聞き入れたのだ。筆者はほっとした。常連たちが仲よく、気持ちよくサウナを利用しているのに、面白くない相手がいれば「風風の湯」を利用したくなくなる。ついでに書いておこう。常連の81歳のMさんが住む同じマンションに筆者より数歳年長の骨董好きのYさんがいる。最近は毎回顔を合わせるが、そばにいる81Mさんは話に絶対に加わらない。81MさんはYさんが苦手というのではないが、同じマンションに住むことと、また81MさんはYさんの評判を聞いているのか、親しくなりたくないようだ。それはさておき、Yさんと脱衣場で話している時、筆者は81Mさんから聞いた、小川にいる大山椒魚のことを話した。Yさんもそれを目撃し、スマホで動画を撮影していると言って、早速それを見せてくれた。筆者はその山椒魚をまだ見ていないが、その動画で満足した。一方、81Mさん夫婦は最近は夜遅く、近くのその小川に行ってホタルを見るとのことで、筆者は昨夜そのことを思い出して家内とホタルを見に出かけた。ちょうど夜の9時で、月が明るかった。「風風の湯」の真横の中ノ島小橋の下、桂川支流の暗がりに数匹が点滅していた。20メートルほど下流にもっと飛んでいるというので家内の跡を追うと、自転車道路際に一匹が青く光っていた。筆者はそれをつかまえてすぐに帰宅し、3階のパソコンの前で蛍光灯を点けずに撮った。それが今日の2枚目の写真だ。撮影後、すぐに裏庭に出て梅の木の下に放ってやった。その場所で10数年前に見かけたホタルが裏庭に入って来たことがある。そのお返しだ。ところで、裏庭のVIRGOの薔薇の植木鉢の下にメダカを入れた発砲スチロールの水槽を置いている。それがあまりに藻が繁茂して緑色なので、昨日は小川からバケツで水を汲んで水槽の水を替えてやったが、水面に長さ7,8ミリのメダカの子どもが10匹ほど同じ方向を向いて泳いでいた。なかなか子どもが生まれなかったのに、それを初めて見た。藻がかなり増えていたので、間引きの作業をすると、水の中に赤いボウフラが数十匹もいた。メダカの子どもと同じほどの大きさで、戦えばどちらが勝つのだろう。その水槽のボウフラの親だろう、筆者は梅の実をもぎ取っている間に数か所噛まれた。梅もホタルもメダカも蚊も、子育てに必死だ。