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●京都千本御池GROWLYにて、キツネの嫁入り
べ放題のメニューにはあまりおいしいものがない。また料金に見合うほどには食べられないので筆者は関心がない。音楽の聴き放題というのがあって、垂水の畠中さんがそれを契約している。



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そのうちどんな本でも読み放題が登場し、またいずれセックスロボットと性交し放題という商売も出て来るだろう。ただし、ザッパの『ジョーのガレージ』の結末近くのように、それを壊すと罰金を食らって監獄行きとなり、娑婆のことをあれこれ思うこととなる。娑婆で好きなことをするには誰しも制限を受ける。昨日TVで20代の独身男性は毎月8000円ほどを教養娯楽に使うとあったが、所帯を持てばもっと減るのではないか。展覧会や映画に行っても1500円はする。全額をライヴに使っても3,4回だ。ライヴハウスが協力してライヴ観放題券を毎月発行しても、その値段にもよるが集客の程度はあまり変わらないだろう。街中の画廊は無料で見られるのに訪れる客はほとんど決まっている。それと同じで、ライヴ・ファンを増やすことは日本が貧困化する現状では困難だろう。そうなるとミュージシャンの活動も縮小を余儀なくされるが、趣味の多様化によって自作曲を演奏する若者は絶えない。先月25日、ライヴが始まる前に金森さんから、今日取り上げる「キツネの嫁入り」というバンドのリーダー格の男性「マドナシ」さんを紹介され、挨拶を少し交わした。40歳前後だろう。面構えがしっかりしていて愛想笑いをせず、いかにもミュージシャンという格好よさが溢れていた。当日は彼の企画「スキマ産業」の51回目で、これがいつから続いているのか知らないが、10数年音楽活動を続けていて、CDも何枚か出している。また以前は小学校の廃校を使っての昼間のライヴもたまにしていたが、その学校が耐震工事のために使えなくなっているとも聞いた。ともかく、自分たちのライヴだけではなく、対バンを見定めてライヴを企画する行動力は見上げたもので、音楽を目指す者同士の出会いやつながりを重視しているのだろう。出会いがあってもただ面識が出来ただけで、それ以上の関係に発展しないことは多いが、自分たちとは毛並みの違う音楽を演奏するバンドを目撃することは勉強にはなる。25日の4バンドのうち、「キツネの嫁入り」は最も変わっていて、印象深かった。それはアコースティック・ギターできわめて多弁に弾き語りをするマドナシさんを支えるバンドが一風変わっていたからだ。それはニエリエビタさんの考えと似ていて、マドナシさんがソロでも活動出来るところを、他の楽器の音色で味つけするという編曲の面白さが重視されている。当然ソロの演奏よりもアンサンブルとなったほうが楽しいはずだ。またマドナシさんはそれを認めているのでほとんどソロではステージに立たないのではないか。ただし、YOUTUBEを見た限りの筆者の想像に過ぎない。
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 「キツネの嫁入り」はマドナシさんの存在が際立っている。彼がどこまで他のメンバーに演奏を指示しているのか、そうでないのかは知らないが、筆者はふと初期のザッパとマザース・オブ・インヴェンションを思った。メンバーが変わると音楽は変わるとザッパは思っていて、多くのメンバーを交代させて行ったが、YOUTUBEで「キツネの嫁入り」の演奏を見てザッパのバンドに似ていると思った。25日はヴィブラフォンとヴォカリーズを担当する若い女性、それにこれも金森さんの紹介で少し話せたがサックスを吹く男性、そしてベースとドラムスという計5人編成であったが、過去にはアコーディンや鍵盤楽器、木琴、ヴァイオリン、トランペットを担当する女性陣がいたこともある。ライヴでは珍しいこれらの楽器を使う点でも初期のザッパに似ているが、マドナシさんの歌う節回しは、筆者には70年代の泉谷しげるのフォークに近いものに思え、また80年代以降のラップの洗礼も受けていることを感じた。社会を歌い、語呂のよい言葉を選ぶところがそうだが、歌詞は比較的聴き取りやすくはあるが、男女の愛を描写するといったわかりやすい内容ではない。そのため、風刺が効いているのかどうかも今のところ筆者にはわからないが、社会の大勢に疑問を呈する立場は基本にあるだろう。ライヴを見ながら筆者が思い出したのは、2月に兵庫県立美術館で見た展覧会『Oh!マツリ★ゴト 昭和・平成のヒーロー&ピーポー』に展示された会田誠の『一人デモマシーン「サラリーマン反対」』だ。これはサンダルを履いてTシャツ姿の会田が高層ビルの前で通勤するサラリーマンを後目に「サラリーマンは日本から出ていけー! サラリーマン反対ー!」と叫んでいる写真だ。芸術家がサラリーマン化すればおしまいだが、膨大な数のサラリーマンが税金を納めるので公立の美術館が建てられ、会田の作品も展示される。筆者は「サラリーマン反対」と唱えるつもりはなく、自分はサラリーマンとして生きたくないと思うだけだが、マドナシさんがその点はどうかと言えば、会田や筆者よりかなり若い世代であり、世の中に対する過激な思いの程度はわからない。またそれは彼の歌詞をつぶさに読めば垣間見えるはずだが、YOUTUBEには「同じ顔の行進」という曲がある。それは通勤するサラリーマンがみな仮面を被っているように見えることを歌っていて、会田の先の作品と考えは近い。ただし、ザッパ流に言えば、ミュージシャンはミュージシャンとしての仮面を誰もが被っているのであって、人間はみな棲み分けているだけのことだ。またこれもザッパが言ったが、「ロックをやる連中はどうせ性が乱れて麻薬もやっている」と見るのが世間で、これは日本でも同じだ。それでもロックをやり、またやるからには誰も真似の出来ないことをやるというのがザッパであった。この考えは「キツネの嫁入り」も同じだろう。
 ここに音楽と思想のややこしい関係がある。マドナシさんがたとえば社会の現状や矛盾を作詞して歌う場合、そのこと自体は音楽とは関係がなく、文学に属することだ。だが、歌は文学を伴なう音楽であるから、歌を楽器で彩ることも音楽だ。ただし、その彩りは歌詞がある限りは、「飾り」として機能する。そうではないと言うのであれば、歌は無意味な内容であるべきだが、マドナシさんはそれは求めていない。ある曲の彼の歌詞はいつも同じであるのに、「飾り」としての伴奏はメンバーの交代によっていくらでも変化し得る。そのことからして、彼の歌が中心であることがわかるが、彼がソロで歌わないのは、「飾り」がなくては面白くないと思っているからだろう。となれば、その「飾り」は歌詞に対してどれほど本質的なものかが問われる。歌詞をよりストレートに聴き手に伝えるには「飾り」は不要で、せいぜいギター伴奏によるほうが歌詞は鮮明に聞こえる。また、「キツネの嫁入り」のように「飾り」としての伴奏を多彩にするのは、歌詞の世界をよりわかりやすくする効果を目論んでのことであるべきだが、多くの楽器の音色があって楽しいという聴き方をされがちで、その分、歌詞の意味は伝わりにくい。つまり、彼の書く歌詞がいわゆる世の中の暗い面を提示するものであれば、当然それに沿うメロディや音色であるべきで、「キツネの嫁入り」はそれを考えて編曲しているはずだが、歌詞はある事柄を断定的に指示するのに対し、楽器の演奏は具体的には何物も表現しないから、結局のところ、歌詞を伴なう音楽は、歌詞以外は「飾り」となるしかない。そしてその「飾り」が楽しければ楽しいほどに歌詞は注目されにくい。筆者が「キツネの嫁入り」の演奏に接しながら次に思ったことはそれだ。また実際サックスやヴィブラフォンの演奏は実に楽しく、前者はリード・ギター的役割を存分に発揮し、そのソロを聴いている間は音楽の最大の楽しみが味わえたが、その瞬間は歌詞は不要ということでもある。ニエリエビタさんの歌詞の世界はかなり抽象的で、彼女にしかわからない部分が多く混じる。そのため、伴奏の楽器が多くても、その歌詞の抽象性を引き立てる。翻ってマドナシさんの歌詞はメッセージ性が強く、具体的だ。そこに多彩な伴奏が絡むと、アンヴィヴァレンツさが露わになって、音楽はきわめて個性的で愉快であるのに、歌詞に注目すると現実に引き戻される気がする。「ややこしいがな、一体どっちやねん!」と野次りたくなるが、それこそが彼らの音楽の個性だ。考えて見れば「キツネの嫁入り」は晴れなのに雨が降るというアンヴィヴァレンツさではないか。またザッパに倣えば、「つらい浮世」を凌いで行くには、愚痴をこぼしながら時に同じ釜の飯を食い、仲間を作って楽しく演奏することが一番だ。そしてそのことを理解する若者がいつの時代にもたくさんいる。もちろん筆者もその部類だ。
by uuuzen | 2019-06-03 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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