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●京都千本御池GROWLYにて、ときめき☆ジャンボジャンボ
い恋心を抱いて胸がときめき、その相手を目の前にしてどぎまぎすることは何歳になってもあるだろうが、筆者は2,30代を見ると「大変だな」と感じることがほとんどだ。



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筆者がその世代の頃、今の筆者の年齢ほどの次長からそのようなことを言われたことがある。その次長の思いがわかるようになった。魅力的な異性をいいなと思うことはあってもそれだけのことで、少々の出会いがあってもどうなるものでもないことがよくわかっている。それはさびしいことかと言えば、もうそういう気もなく、その女性を思い浮かべるだけで何となく楽しい。48歳の女優が半分の年齢の男と結婚し、7年後に別れた話が先日あった。金があれば男も女もうんと若い異性をものに出来るが、不自然な人間である芸能人でもやはり不自然なことは長く続かない。それでもときめきを持続させれば若い異性との「ジャンボ(こんにちは)」の機会は何度でもあるはずで、その女優はまた20歳ほど若い燕と結婚すればよい。岸恵子の美しさを思えば、70歳で50歳、80歳で60歳の男はつかまえられるが、50や60の男では嫌なのだろう。さて、先月25日のライヴは二番手に「ときめき☆ジャンボジャンボ」というバンドが登場した。キーボードが女性、ドラムス、ベース、ギターが男性の4人編成で、神戸に拠点を置く。「☆」は読まないと思うが、バンド名は元気溌剌の雰囲気があり、名前のとおりの演奏をした。4人は舞台上で15分ほど機材や楽器の調整をしたが、これは当日の4バンドでは例外的に長かった。ようやく一斉の演奏を始めたのもテストで、よほど思ったとおりの音を出すことにこだわりがあるようだ。本番の始まりは舞台中央のベースと上手のギターのふたりが見事に動きを一致させ、1メートルほどジャンプしながら大音量を発した。それはおそらくどのライヴでも行なっている彼らの型であろう。YOUTUBEによれば10年近く活動していることがわかるが、それほどの長期であれば演奏は手慣れたものとなり、バンドとして完成し切っている。彼らはごく普通の人と同じように生活し、何の苦労もなく音楽活動を続けているのでは全くないはずだが、その生活におけるネガティヴな面を一切見せようとせず、とにかく演奏が大好きで、またその喜びを客に伝えようとの思いは、ある意味とても見上げたものだ。斜にかまえたところが皆無で、そのあまりのポジティヴさは筆者がこれまで見たバンドでは最も顕著だ。その健康的な態度は4人とも平凡な風貌でミュージシャンらしく見えないところと相まって、多くの人から好感を抱かれやすい。ただし、ミュージシャン独特の翳りの魅力や格好よさを持った人物に出会いためにライヴハウスを訪れる人には物足りないかもしれない。ときめきはあまり開けっ広げな存在に対しては訪れにくいと考える者もいるからだ。
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 筆者は日本のポップスについてはほとんど無知で、関心も乏しい。そのため、日本の歌手やバンドのコンサートに万単位の数の客が集まることに驚きながら、たとえばライヴハウスで活動するミュージシャンがそのように有名になることを夢見ているのかどうかが気になっている。これをメジャー対マイナーと捉えて前者が勝者、後者が敗者と見る人は少なくないだろう。特に前者のファンである人はそう思いがちではないか。また後者のファンは自分たちが応援することでいつかメジャーになってくれるという望みを抱いているのではないか。ただし、この考えは正しいとは限らない。マイナーからメジャーになることが成功とばかりは言えない。そこにはファンの質が違う側面もある。確かにメジャーになるミュージシャンは特別に秀でた何かを多く持っていることが多いだろうが、所属事務所の宣伝力がものを言うし、一旦名が売れ始めれば本人がさらなる自信を身につけるし、また運も左右する。秀でた何かとはルックスや作曲の才能、歌唱力だが、作曲に関してはマイナーなミュージシャンは大ヒット曲を分析し、それらしい曲を作れば手っ取り早いだろう。創作家としてそれは拒否するという立場を貫く者が多いことはわかるが、メジャーになりたい場合はメジャーの楽曲を分析してその方法論を模倣する、あるいは無意識のうちにそうするのは人情だ。一方、TVには出ないがファンクラブを作って日本各地を演奏して回るメジャーともマイナーとも言えない一群のバンドがあることを息子から聞いたが、小さなライヴハウスで活動するミュージシャンが目指すのはそういう地位ではないだろうか。とはいえ、目指してかなわなければ失敗と考えるのではなく、現時点で各ライヴの客に向けて「こんにちは」と曲を提示し、精いっぱい活動することがときめきであって、他のミュージシャンに大きな関心を抱く余裕はほとんどないだろう。それほどに個性的なミュージシャンがライヴハウスで演奏するが、無意識であっても他のミュージシャンの作品ないしその手法からの感化はある。そしてときめき☆ジャンボジャンボの演奏で筆者が感じたのは、日本のポップス的なメロディにおけるサビ的部分の多用と、きわめて手慣れた演奏で、先に多くの人から好感を抱かれやすいと書いたのは前者による。これは馴染みやすく、感動しやすい効果を持つが、それだけに陳腐さを感じさせやすい。感動を与えるツボを心得ているからで、その手口が見え透くと最初の1回はいいが、感動は薄れやすい。そういう類の曲はメジャーには多く、感動を巧みに意図したその作曲によってメジャーになれると言える。もちろんそれはそれで才能があってのことだが、いわばどこにでもあるような曲調は造花の美しさだ。ときめき☆ジャンボジャンボの通俗性を感じさせない点は、後者の隙のない完璧な演奏だ。
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 彼らの演奏を聴きながら筆者はザッパの「レッツ・ムーヴ・トゥ・クリーヴランド」を思い浮かべた。この曲は主題がふたつあって全体にとても速いが、2番目が曲名を歌うサビの部分だ。中間部にキーボード、ドラムス、ギターの順に長大なソロを含むが、そのザッパのギター・ソロは最初ゆっくりと奏でる。つまり、全体としての緩急の対比が見事で、全曲を通して聴くとフル・コースの料理を食べた気分になる。ときめき☆ジャンボジャンボの曲は筆者にはどれもザッパの同曲のサビ部分を思い出させた。そのサビはとても印象的で同曲の最大の聴きどころだが、それだけを抽出して聴いても気分は高揚しない。最もおいしい聴きどころだけでいいではないかと言う人は、あまりにせっかちで意外性の楽しみも知らない。だが、ネット社会になって恋人にすぐに会えるし、セックス相手はその気になればスマホで簡単に見つかり、手数を踏む楽しさや待ち続ける楽しさを知らなくなって来ているのだろう。筆者は昔の人間なので、煩わしい手続きや長らく待たされてようやく物事が実現することに慣れているし、またそのことを面白いとも思えるが、ときめき☆ジャンボジャンボにザッパの同曲のような演奏を求めることは時代が違ってもう無理であろうことも何となくわかる。だが、本当の感動は予期しない意外性にある。その意表を突くことは音楽で言えば予期せぬ展開だ。それは1曲の中にも、ライヴの運びにも込める必要がある。曲の最初から感動いっぱいの華々しさの演出もいいが、後でどのような意外性を持ち出せるかに演奏者が常にときめいていなければ客はときめかない。ビートルズの曲はサビが巧みだと言われる。曲の始まりからは意外な転調をするからで、その意外性に印象を強くする。先のザッパの曲もその点は同じだ。最初からサビ的な恍惚感を意図すれば、そのまま最後まで突っ走るしかない。それでは身も蓋もない味わいになりがちで、筆者の知る限り、日本の若者のメジャーな曲ではそういう曲が目立つ。それは時代に応じていて、またそれゆえに大いに歓迎される。またこれはときめき☆ジャンボジャンボの演奏だけではなく、ライヴハウスで筆者がよく感じることのひとつに、CDではおそらく録音されている微妙な音のニュアンスが全体的な大音量のために聞えないということがある。大音量の中にさり気ない効果的な音形が小さく混じっていることが隠し味となって全体の印象を深くする。それはライヴよりCDを聴き慣れ過ぎたための思い込みに過ぎないのか、あるいはライヴハウスのPAシステムでは無理な話なのかはわからないが、音楽はただ闇雲に大音量で演奏すれば誰もが楽しいというものではない。緩急、明暗、強弱など、対立するものを巧みに組み変えて意外性を客に感じ取ってもらうことが舞台で演じる者の役割で、淡いときめきはそこからジャンボと言う。
by uuuzen | 2019-06-02 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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