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●京都NEGAPOSI(陰陽)にて、Terrible Joke
りの日は仕事をしないとして、祭りが長引くと仕事するのが嫌になる。祭りが仕事の政治家は毎日が楽しくていいが、国中を毎日お祭り騒ぎにすればみんな仕事をするのが馬鹿らしくなるのに、今の日本は毎日が祭りのようだ。



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実際どこかで必ず祭りがある。その気になれば毎日を祭りの気分で過ごすことが出来るが、ライヴハウスに行くにも金がかかるから、不景気が深刻化すれば別の祭りを楽しまねばならず、世間を騒がせる事件もよく起きる。それで鬱憤が蓄積され、それを自己に向けて線路に飛び込む者もいるが、むしゃくしゃを発散する手立てを誰しも持っておいたほうがよい。筆者はうるさい音楽を大きな音で聴くことを好むが、3階のCDプレイヤーの調子がおかしく、ここ1、2年はめっきりそれが減った。それはさておき、大音量でロックを聴くことに慣れているので、ライヴハウスでのロックは耳栓なしで平気だ。17日は3番目に「テリブル・ジョーク」という4人組のバンドが登場したが、パンクかヘヴィメタか、とにかく爆音のロックで、観客は総立ちになって体を揺すりながら楽しむ。Eulalieさんはステージ最前列左端の筆者に向かって、「大山さんはレヴューを書くのでじっと座って聴かなくては」と言ったが、筆者は心の中では客と一緒になって騒いでいた。演奏が始まる前に気づいたが、筆者の眼前に立つベーシストの若い女性は今年1月に同じ場所で見た「FLAT SUCKS」のベース担当と同じ女性で、そのことをEulalieさんに伝えると、演奏後に彼女に訊いてみると言われ、それが実現した。実は彼女の演奏があまりに印象的で、気になっていたが、予想外に早くまた演奏する姿を同じ位置で見ることが出来た。フラット・サックスでの彼女はチャイナ服を着ていた。そのことを指摘すると、彼女は今回もそれっぽいデザインと言い、また足を大きく広げて演奏するので男に間違われると続けた。それは少々言い過ぎだが、テリブル・ジョークはヴォーカルとドラムスが西洋人で、ギターとベースは以前は日本の男性であったので、その頃のライヴを見た客が勘違いしたのではないか。またヴォーカリストの男性はギターを弾いて3人編成の時期もあって、このバンドはヴォーカルとドラムスが中心になっていると思われる。だが、歌詞は日本語がほとんどだ。どれも3分程度の短い曲で、どの曲も速いテンポで似ているが、題名が特徴的だ。「仕事したくない」や「新宿南口昇進自殺未遂事件」には笑った。「仕事したくない」は本音で、彼らの演奏を聴きにやって来る客もそうだろう。筆者はと言えば年金暮らしだが、そもそもこれまで仕事して来たとの思いはない。仕事が遊びと同じであれば、政治家かやくざみたいなものだが、そうでないとすれば好きに生きるボヘミアンで、家内からは「あんたは結婚してはいけない男やったんや」とよく言われる始末。
 演奏が始まる前の音鳴らしの際、ベースの女性は「もっと音を大きくしていい?」と部屋の後方を見て言った。その言葉どおり、演奏では一段とベースの音が体に響いた。自宅ではそれほどの大音量で演奏出来ない分、ライヴが彼女にとってのお祭りであることがわかる。これはギタリストの女性にも言える。YOUTUBEによればこのバンドのギターはいつも矢印を象った特徴的なものだが、Eulalieさんは今回のライヴの銀色に輝くそのギターを見て、「パンテラ」と口走った。確かにヘヴィメタ・バンドの彼らのギターと同じタイプで、テリブル・ジョークがそれとほぼ同じ形のギターを使うところ、バンドとしてのひとつの型を守っているのかもしれない。とすれば当分テリブル・ジョークは17日の4人で活動しそうだが、自分好みの身なりをした女性ふたりが入ったことで、男ばかりよりも意外性があってよい。ギターの女性は京都人らしい優しく寡黙な雰囲気で、短い髪や顔立ちは日本人形を思わせたが、袖なしのワンピースは白黒のアメリカン・コミック柄、それに白のブーツというスタイルで、ベースの女性とは違った意味でかなり色気があった。また彼女のギターは大きなカミソリのような耳をつんざく音色で、そのあまりに決まった全体像に見惚れた。ギターは時にソロを奏で、それがまた見物であったが、3月に同じネガポジで見た女性3人バンドの「数えきれない」を思い出した。若い女性が派手なロックを演奏するのは珍しくないようで、そう言えば今日はTVで女子高校生のロック・バンド大会があることを知った。高校生からロックを始めると、20歳過ぎに彼女たちの中からライヴハウスに立つ者が続々と出て来るはずで、もはやパンクもヘヴィメタも男のものという印象を捨てたほうがいいようだ。テリブル・ジョークの女性は、普段は比較的おとなしいのに、ライヴの時は思い切り弾けるというタイプかもしれないが、おとなしく見える人でも激しいロックが好きということは珍しくない。Eulalieさんとベースの女性を前にした筆者は、ふたりからほぼ同時に「信頼出来る雰囲気」といったようなことを言われたが、そんな筆者がロックを大音量で聴くのが好きであるから、「人は見かけによらない」ではなく、ロックはむしろおとなしく見える人が好むのではないか。それは意外ではなく、時代がロックを求めて来た事実からは、ロックに反応しない人がむしろおかしいと思える。それは閉塞感を打破するのに最も簡便な方法でもあって、祭りの雰囲気を体現する。仕事したくない者が激しいロックを聴いて嫌な気分を払拭し、新たな生の活力を得られるのであれば、これは国家挙げてロックのライヴを推奨すべきと思うが、音楽は多様で、ギターの弾き語りもあればカラオケで歌謡曲を歌う楽しみを持つ人たちもいて、爆音のロックに美意識を認める人は日本の音楽ファンでは少数派かもしれない。
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 テリブル・ジョークは練習をどれほど重ねているのかは知らないが、ベースもギターも素人っぽさは皆無で、曲によってはあった1、2秒の間でも4人の息はぴたりと合っていた。たぶん「ALCOHOL」という曲だったと思うが、ヴォーカリストが客に向かって「ビールを奢れ」と言った後、数分後に客は瓶入りのビールを彼に手わたした。その拍子に手元が狂ってビールの泡が勢いよくベースの女性の足元に吹き飛んだ。それは演奏が終わる頃であったのか、雑巾が運ばれ、Eulalieさんはそれで床を拭い始めた。そしてヴォーカルの男性は失態を謝り、今度は自分がビールを奢ると言った。酒を提供する場でもあって、演奏者が飲みながら演奏することは珍しくない。それほどにライヴハウスはお祭りの空間ということだ。そう言えばEulalieさんも演奏の前に2杯飲んでいた。酔えば演奏に支障が出ないかと訊くと、彼女は却ってよいと言った。それは少し酔った気分のほうが緊張せずに高揚し、本当の自分を曝すことが出来るからだろう。つまり祭りの効用だが、テリブル・ジョークの4人が生活の資をどのように得ているかとなれば、ライヴ活動は「ハレ」で、「ケ」の日はそれなりに収入のための仕事をしているだろう。毎日ライヴとなれば、それが仕事となってまた面白くないかもしれず、ライヴでたまに喚き歌うことがちょうどいいのではないか。筆者は眼前でベースを弾く女性が額にうっすらと汗を滲ませながら演奏しているのを見て、彼女が恍惚感に浸っていることを思った。それはあまり客の多寡には関係がなく、実際当日の客はきわめて少なかった。彼女は1月の演奏を覚えており、またネガポジで演奏することが多いと聞いたので、ライヴは彼女にとって晴れの舞台だ。同じバンドの以前のベーシストと比べて演奏がどう違うのかはわからないが、彼女の演奏の特徴はあるはずで、フラット・サックスの時と同じスタイルであると感じた。おそらくパンク系のどのバンドでも演奏出来るだろう。ヴォーカルはジェスロ・タルのイアン・アンダーソンに似た雰囲気で、よく動き回ってまた客と応酬もした。最後近くで彼はレイバンではないティアドロップ型サングラスをかけたが、演奏後それを手に取ったEulalieさんは気に入ったようで、いずれ彼女はサングラスをかけてステージに立つかもしれない。ヴォーカルとドラムスの男性は日本にどれほど長く住んでいるのだろう。ライヴハウスで演奏する外国人は文化の多様性を喧伝する国の方針に沿っているが、政府がうるさいロックを歓迎しているかは疑問で、そこで歌われる歌詞には目を光らせるだろう。そういうことに反逆するのがロックでもあるからだが、テリブル・ジョークは見栄えのきわめてよい女性ふたりを擁し、以前の男ばかりの時期とは違って、寒い冗談は似合わず、ソフィスティケイトされたバンドになったと思える。
by uuuzen | 2019-05-22 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
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