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👽💚🐸🐛🍀📗🤢😱5月11日(土)、京都河原町三条下るLive House『DEWEY』にて👻『ザッパニモヲ 💐母の日LIVE』午後5時開場、6時開演。3500円👽筆者の語りあり。
●今回は初めての別会場での、そしてザッパ/マザーズの結成日である1964年の「母の日」から60年という節目における、ザッパニモヲの演奏です。チラシ画像はここ。恒例の手製のお土産をくじ引きで配布します。

●『ヨルク・シュマイサー遺作展 肉筆作品を中心に』
の勘が狂いそうな日本の季節で、今月は摂氏30度を越えた日があり、先月は桜が開花して大雪が降った地域もあった。シュマイサーが住んだオーストラリアのある南半球には行ったことがないが、日本とは季節が正反対なので、着いてすぐは体調が馴れるのに大変かと想像する。



●『ヨルク・シュマイサー遺作展 肉筆作品を中心に』_d0053294_23302788.jpg
地球の各地を盛んに旅する人はなおさらそうだと思うが、季節感が狂って来ている日本に住んでいればそれもあまり変わらないかもしれない。昨日は京都寺町二条上るにあるギャルリー宮脇でシュマイサー展を見たが、そのチラシを4日に奈良県立美術館を訪れた際に得た。同画廊で11年前にシュマイサーの展覧会があった。昨日訪れたのはそれ以来のことで、画廊主は息子さんに変わっていた。そのことを知ったのは4,5年前、大きな樹木ばかりを油彩で描く田中直子さんと話した時だ。彼女はシュマイサーの版画を2,3点所有していて、それらを同画廊で買い、また息子さんの代になっていると話した。シュマイサーは画家が好きになる版画家だとその時に思ったが、それは彼の線描の見所がわかるからだ。さて、奈良県立美術館でのシュマイサー展では彼が使った道具も展示され、その中にA4サイズが入るほどの布袋があった。厚さ5センチほどで、それに彼は銅板を数枚入れて持ち歩き、画題を見つけると直接その銅板に線描を施した。銅板は重いので、数枚持てばスケッチブックもという気が起こらなかったのではないか。その銅板は腐食防止剤のグランドを塗布したものであったろう。その板に尖ったもので線描を入れる方が、銅板に直接絵を刻むドライポイントよりもスケッチしやすいが、濃淡が簡単につけられる鉛筆による紙への写生と違って、仕上がりの銅版画として線描に濃淡をつけることは簡単ではない。これは銅板上の絵を酸性の液に浸けて腐食させた後、その一部をグランドで覆ってまた酸性液に浸けるという繰り返しの作業が必要で、紙への写生と銅板に直接線描を施すことには一長一短がある。シュマイサーが時に後者を行なったのは、紙への写真を後で銅板に写すことが面倒であったからだろう。それは整理された線になるが、逆に言えば、描く対象を目の当たりにした時の感動が薄れたものになりやすい。音楽で言えば、スタジオ録音とライヴ録音の差で、シュマイサーは小品では後者に頼ることがあった。また、奈良での展示には肉筆画が少しだけ含まれていて、彼の版画との違いが面白かったが、その違いはあまり大きくはない。これは銅版画家として長年その個性を追求して来たので、紙への素描も銅版画っぽい雰囲気になりがちであったからだろう。となれば、彼の肉筆画は銅版画を模したもので、肉筆画は版画より価値が劣ることになりそうだが、近年の肉筆浮世絵の価値の高まりからすれば、シュマイサーの肉筆画も版画以上の価値があると認められるようになるかもしれない。
 シュマイサーが持ち歩いた銅板は比較的小さなもので、彼は基本的にはアトリエで多くの写生をもとに構成した。写生はほとんど公にされていないが、本展では10点ほどの肉筆画が紹介されている。それらは一見版画に見えるほどに色彩も線描も彼の版画とそっくりで、版画を念頭に置いて写生したことを意味するが、スケッチがあって版画を制作するのであるから、スケッチの段階で版画の仕上がりを念頭に置くことは望ましい。では、版画とは無関係に色彩豊かな絵を描いたかとなれば、それはわからないが、おそらくそういう絵を描けばそれを版画で再現しようとしたであろうから、そういう版画作品がないところ、スケッチも色数をきわめて限定したもので、彼の版画とそっくりに見えるものばかりではないだろうか。また、肉筆画は版画のような面倒くさい技術は必要なく、自在かつ即興的に描けるが、そのことをシュマイサーは可能な限り版画作品にも適用したかったであろう。それは9日に書いたように、版の部分を作り変えては摺るという行為をよく採用し、また時に摺り色がわずかに違ったことからわかるが、版画も素描と変わらないとの思いからで、またそうであったので銅板に直接写生もした。彼は素描の版画家であって、そのことは最晩年に発売された作品集の題名『THE MAN WHO LIKES TO DRAW』からもわかる。ついでながら、この本は奈良のシュマイサー展の売店で売られていたが、アマゾンやその他のサイトでは数万円しているのに、7000円台であったように思う。ギャルリー宮脇で見せていただいたが、印刷がとてもよく、細部が鮮明だ。解説は英語で、日本でのシュマイサーの人気が出れば日本語版が出版されるであろう。これも同画廊で知ったが、奈良でのシュマイサー展は世界初の本格的なものとのことだ。オーストラリアで暮らして亡くなったこともあって、同地では評価が高いと言う。それに、ebayでは同国からの出品が目立つ。話を戻して、銅画廊でのシュマイサーの肉筆画はぱっと見は版画かと思えるが、鉛筆描きの小品は見る角度によって鉛筆の照りが部分的に強く、版を介在する版画とは違って生々しい。また1点もののアウラがあるが、価格は版画と同じくらいだ。版画のような複製芸術には避け得ないそのアウラの減少をシュマイサーは自覚していたはずで、そのことが素描と見紛う版画を目指した理由かもしれない。彼の版画の素描と違う強みは、時に数版を重ねることで、それは原色の再現ではなく、イメージの重複性とその各イメージの互換性を意図したイメージのコラージュ化であって、また遠近を表現するものではない。そのため、図鑑の挿図のような雰囲気を保ちがちだ。その博物誌的なところは、世界各地を歩いて人間による造形を含めた珍しい形態を求めたことから理解出来る。
 どのような肉筆画でも版画で再現出来ると言ってよく、またシュマイサーの場合は線を中心としたスケッチであるから、銅版画に頼ることは理想的であった。そして手間のかかるメゾティントやビュランの扱いが難しいエングレーヴィングよりもエッチングやドライポイントをもっぱら使用したようだが、石版画もあって、版画におけるミックストメディア作家と言ってよい。一時期木版画も作ったが、木版と銅板を併用した作品はないと思う。木版は来日してからで、日本の歴史を画題にしたが、クリフトン・カーフのように木版画家にはならず、キモノをいつも着るなど、日本の生活様式に積極的に馴染むこともなかった。それは旅をし続けようとの思いからで、もっと寿命があればアフリカや南米にも訪れたであろう。その世界主義的な立場からは日本に長く滞在し過ぎたと思えるが、妻が奈良出身で、また車木工房が奈良にあり、そして極東の日本を理解すればアジアはわかりやすいとの考えもあったのではないか。世界を旅するとはいえ、物作りにはアイデンティティが必要だ。シュマイサーは紛れもなくドイツ的で、その質実剛健の作品は、基本的には日本的な甘い情緒を欠いている。それが魅力なのだが、そのことを理解する日本人は少ないだろう。また、ドイツ的な現代の版画家となれば、ヴンダーリヒが圧倒的によいと思う人も多いはずで、筆者もその口だが、先日書いたように彼のエロティックな画面はもう筆者の年齢になれば自宅に飾って毎日眺めるのはしんどい。その意味ではもっと淡泊なシュマイサーの作品がちょうどよく、また彼の遺産や古典芸術を描いて讃える態度に好感が持てる。それは素直に先人の芸術に同調しているからで、ピカソのように著しく形を変容せず、ほとんど見たままの驚きを描いている。その遺跡巡り的な、つまり物見遊山的なところが気に食わないと思う人もあろうが、そういう歴史的遺産が永遠のものでないことは、先ごろのノートルダム大聖堂の火災からもわかるのであって、シュマイサーは遺産的造形物を描きながらそれが永遠にあるとは思っておらず、その何事も変化して行くことを版画によって表現しようとした。ギャルリ―宮脇では肉筆画を勧められたが、筆者は銅版画に比べて褪色しやすい懸念があると言った。そう言いながら、かなり褪色した後の画面を想像し、それをシュマイサーは面白がったのではないかと思った。自作もまた変化して行くことを知っていたからで、自作が長年の間に老いて当初の表現とはかなり違ったものになっても自作にほかならない。そしてそのことを彼は日本滞在中に寺院によって知ったであろう。古くなったものは美しい。そう思えないのであれば人生に意味はない。本展は来月8日まで開催中で、月曜日が休み、午後1時から7時まで開いている。同画廊には展示中の30点以外にもシュマイサーの作品があり、また3、4万円から買える。
by uuuzen | 2019-05-18 23:32 | ●展覧会SOON評SO ON
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