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●ダメンズと女、アゲイン
を背につけて天使の格好をした女優が男性とデュエットしている画像を先ほど見た。TVの懐メロ番組でその女優が歌っているのを見てすぐにネットで調べて知った。彼女は筆者より一回り年下で、かつて絶大の人気を誇った。



●ダメンズと女、アゲイン_d0053294_16203149.jpgそれが40歳頃に統合失調症を患い、今は地方の都市の駅前で毎晩徘徊している姿が目撃されるという。夫はいるが、手の施しようがないのだろう。精神を病むのはよほど辛いことがあったのだろう。先月25日東京で筆者も会った家内の友人が何年か前に同じ病であると診断され、精神病院に強制的に入れられた。そこでの待遇があまりにひどく、自主的に退院し、今は穏やかに暮らしている。それで筆者と家内の3人で5時間も談笑したが、彼女が精神を病んだのはめったにない不運が原因だ。それが快復して来ているのは、音大出の彼女が音楽を忘れなかったことにもよる。フルートを吹いていた彼女は、今はその体力がないのでオカリナを楽しみ、地元の同好の士と仲よくなって気分転換が出来ている。彼女とはもう45年ほどの知り合いだが、家内にはもうひとり同じ年齢の長年の友人がいる。筆者は彼女らが独身の頃から知っていて、彼女らの夫とも何度か話したことがあるが、筆者がつくづく思うのは、3人の娘が60代半ばになった現在、まことに三者三様で、人生ゲームを目の当たりにして来た気分だ。家内は別として、ふたりの親友は若い頃はかなりの美人で、今でも気品を失わないが、本人も含めて若い頃は誰も予想しなかった人生を歩んでいる。筆者から見て3人のうちに誰が一番幸福かと言えば、文句なしに家内で、それは夫婦が平穏無事という意味においてだ。女の人生は結婚すれば夫によって決まる。自分で稼ぎがあってひとりで充分生きていける場合は、結婚せずに誰かに妊娠させてもらい、子育てしながら、男を適当に変えて思う存分女であることを味わえばいいが、そういう逞しい女性は少数派だろう。それに照らすと、筆者は相変わらずチャラチャラしてダメンズぶりを露わにしているが、それでも病気をほとんどしたことがなく、また他に家内を心配させることはしていない。何より家内は筆者が好きなように毎日を明るく過ごしていることに満足している。当然今後はどうなるかわからないが、20代後半から筆者は少しずつ自信をつけながら、家内を引っ張って来て、これまでの人生は平安そのものであったと言ってよい。家内は今でも筆者にもしものことがあればどうしようと不安におののいているが、金儲けらしいことをして来たことがない筆者は身内からはダメンズの典型とみられている。「なぜ金もないのに笑っていられるのか」、「なぜあんな男がよくて一緒になったのか」などと、家内はたまに筆者の身内からそう言われて悔しがるが、「俗物には俗物しかわからない。そうであるから俗物なのだ」と言って家内を慰める。
 それはともかく、ダメンズの定義はいろいろで、結局は男女の仲がよければそれでいい。とはいえ、それが40年も持つとは限らず、お互いの駄目ぶりに愛想が尽きて別れることもままある。それはそれでまたお互いが納得出来ればいいが、女は別れれば次の相手が見つからないのではという不安にかられやすい。男は老いても若い女を手に入れることが多いが、その逆はまずないからだ。それは経済的なことが大いに関係している。老いた女でも億単位の金があれば若い燕の何人かを侍らせられるだろうが、たいていは老いるほどに諦めて、よほど惨い仕打ちをパートナーから受けない限り、別れようとしない。そしてそのことを熟知している男はダメンズの本性を発揮してさらに好き勝手をするが、そこは同棲か入籍しているかでまた差がある。さて、今朝はアメリカの大西さんから、先ほどは吹田の松本さんからメールがあって、同じ写真を添付して来た。内田裕也の葬儀場でザッパと内田が握手している白黒写真が割合目立つところに貼ってあったという。その写真の歪みを加工して今日は載せる。ザッパと内田のツーショット写真は昔から知られているが、この葬儀場での写真は初めて見る。内田を知る人たちは内田がザッパを日本に招聘して公演させたことをひとつの武勇伝として語り継いでいるのだろう。筆者は1976年2月にザッパの日本公演を大阪と京都で見て、その際の内田の歌声やまたステージでの話しぶりをよく覚えているが、当時内田はザッパより1歳年上の37歳であった。内田が樹木と結婚したのは34歳で、樹木は30歳であったが、それから45年も夫婦であった。これは重い。内田の娘は弔辞で、父親を半年ほどしか見なかったことを明かしているが、それでは親子と呼べるかとなると、もちろん内田は駄目親父で、ダメンズの典型だ。なぜ離婚しなかったのかとなれば、夫婦のことは夫婦にしかわからない。内田は樹木に性的な魅力を感じず、それで魅力的な女性の間を次々と転がって行って苔を生やさなかったが、そんな生活が出来てしかも誰からも恨まれないのは男としては最高の生き方だろう。ダメンズに徹すれば、ジョーカーとしてキングと同様に女たちから絶賛されるということだ。その意味で内田はダメンズに大いに希望を与えた。とはいえ、内田は若い頃からよく知られ、それゆえ女に不自由しなかったのであって、無名や無名同然のダメンズはそれにふさわしい女しか近寄って来ない。そして彼女たちは愛されていると思っている、また自分が愛するダメンズを磨いて立派にしようと健気に頑張るが、ダメンズはたいていのらりくらりが得意で、女を人形のように操り続ける。女は内心それに気づきながら、自分に恍惚になる。自分に自信がないので、言われるがままが楽しく、安心出来るからだ。そういう女は独特の暗いオーラを発散していて、ダメンズは即座にキャッチする。
 内田は作品というものを残さなかったが、触媒としての役割に徹した。それもまた才能で、それに周囲は惹かれたのだろう。ザッパは触媒ではなく、実質のある作品を大量に遺した。あまりに大量過ぎて日本のミュージシャンほとんどは無関心を装うか、関心を寄せないだろう。わが家のすぐ近くに、昔はアメリカにツアーに行ったこともある70代のジャズ・ベーシストが住んでいる。若い奥さんをもらって子どもをひとりもうけて今は夜に祇園のバーで働いている。その人と3年ほど前に駅前の喫茶店で数人でライヴを開いた時に話したが、ザッパの名前は知っているだけで、「ややこしい音楽」と表現した。ザッパの音楽を知らなくても充分ジャズ・メンとしてやっていける。むしろ誰でも知る往年のナンバーだけ演奏しているのがよいが、それでは創作が生じる場とは言えない。何を熟知し、何が出来るかで人間は自信をつけて行く。一昨日書いたようにザッパは音楽を真っ白な紙の状態から構築し、自ら演奏することが出来た。ストラヴィンスキーは白い紙に五線を引くことから始め、毎日必ずわずかでも作曲したが、ザッパも同様の仕事人間であった。そういう人物を格好いいと思う女が夫の才能を引き上げて行く。ザッパは20代後半で二度目の結婚をし、その妻の顔を2作目のアルバム・ジャケットの自分の顔の背後に表示した。腹をくくった家族宣言だ。その心がまえがザッパを大成させた。妻は音楽のことは何もわからない普通の女であったが、そのこともザッパにはよかった。ザッパが偉大な仕事を成し遂げられたのは、妻が家庭を守ってザッパを世話したからだ。ザッパはそのことをどこで学んだか。ヴァレーズ夫妻からかもしれない。ヴァレーズの妻は職業婦人として収入のない夫を支えた。そのことをよく知っていたザッパは、芸術音楽とは無縁の国のアメリカで、いかに音楽で金を儲けながら自分の好きなことが出来るかを考え、実行し続けた。ザッパが雇ったミュージシャンは200から300人ほどだが、誰でも自分の才能を信じて好き勝手をやればよく、ザッパに伍しようと思えばそうすればいい。だが、ザッパのもとからザッパを超える人材は出なかった。時代が違うと言うことなかれ。どの時代でも常にまっさらな日が始まり、新たな才能を見つける人はいる。それは作品の上梓が前提で、その前にあっては自分の姿や顔をなるべく格好よく世間に晒すという必要はない。時々それを勘違いしたダメンズや駄目女がいるが、見栄えは瞬く間に色褪せる。特に女の場合は。そうなった時、何が一番の武器になるか。知性しかあり得ない。それに気づいて磨き始めるのは20代では本当は遅い。誰からも指摘されずにそれをよくわかっている者の中から、時代を突き抜ける才能が生まれる。そういう若者は今でも必ずどこかにいるはずで、筆者はそういう人を見つめたい。
by uuuzen | 2019-04-04 23:59 | ●新・嵐山だより
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