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法とされている麻薬を使ったことで男優が世間を賑わせている。少し以前には派遣マッサージ女性に性的なことを強要して男優が逮捕されたが、今回はかばう意見が割合に目立つ。



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好感度がよく、それで大目に見られるが、20代から服用していたとのことで中毒になっている。しかもかなり高価なコカインを使えるほど金回りがよかった。アメリカの芸能界では全員が全員と寝ていると言われるほど性に奔放で、またそういうことに関心のある者が芸能界入りを目指すとされるが、日本でも同じであろう。芸能界にセックスとドラッグはつきものというのは今に始まったことではない。大消費文化が始まった20世紀初頭からそうで、百年の歴史がある。それは後述するとして、男優がコカインで逮捕された時、ある女優は自分が知る芸能界はそうではないと発言し、その時に「俳優は何もないところからものを作る」といったことも書いた。筆者はすぐに辻まことの本を繙こうとし、隣家で小1時間ほど探したが、見つからなかった。彼の『蟲類図譜』に虫として戯画化された「俳優」が取り上げられている。もちろん風刺だが、辻まことのような人物にとって、俳優や芸能人は詐欺師か俗物であった。俳優が何もないところから何かを表現するだろうか。台本があり、それにしたがって演技をするだけで、代わりの人物はいくらでもいる。現に逮捕されたコカイン男優が出演する大河ドラマは代役が演じることになった。たちまちそのようにされる程度の仕事だ。ところが、人気俳優は億単位の収入があり、俗物ほど勘違いする。それは世間に俗物が溢れ返っているからだ。俗物には俗物しかわからない。ともかく、『蟲類図譜』のような作品が何もないところからものを生み出した好例だ。それは無地の紙にどこにもない何かを自分の手と頭を使って表現したものだ。筆者は真っ白な反物を使ってひとりでキモノを染め上げるが、それも同じことで、俳優のように誰かに何かを指示されて動くこととは違う。何が言いたいかと言えば、俳優は何もない状態で何かをひとりで表現し、そのことで作品が完結するというものではなく、多くの人の共同作業で映画は作られる。そのため、ひとりひとりが他者に対して責任を負う自覚が必要だが、それが欠けている点で救いようがない。それが嫌であれば、それこそ真っ白な紙に自分で何かを描いてそれを売る仕事をすればよい。そのことで億単位の金が稼げれば人は見直す。だが、ジミー大西が絵の筆を折ったのが時給に換算して350円程度で、アホらしくなったからだ。筆者から言わせれば350円でもまだましだ。ただでもほしくないという人が大勢いるのが絵画だ。その伝で言えば芸能もそうで、誰にとっても必要なものではない。何もないところから作り出すことに価値があるとは限らない。そのため、創作者は驕るべからずだ。
●古いプロフィール写真_d0053294_16565052.jpg 昨日筆者は古い写真を本棚に立てかけてあることに気づいた。四半世紀は経っている。同じ自治会に住む小学1年生の女の子を下校時に撮影したもので、蛍光灯の光でかなり色褪せている。その女の子は今は30代前半になっているが、長年姿を見ていない。それはさておき、その写真の背後に筆者の古い横顔の写真があった。42歳だ。なぜこの角度から撮ったかと言えば、記憶をたどると38歳のオットー・ディックスが妻と一緒に撮った写真が念頭にあったからではないか。日本初のディックス展は1989年1月にあった。その図録にアウグスト・ザンダーが撮ったディックス夫妻の写真が載っている。筆者はそのディックスと同じ角度で自分の横顔を撮りたかったのだろう。それで、そうして撮った写真の左側に前述の小学1年生の女の子の写真を飾って、筆者がその女の子を見つめている形になるようにしていた。ディックスの作品を初めて見たのは1976年1月、京都国立近代美術館での『ドイツ・リアリズム展』における銅版画の『戦争』シリーズだ。これは第1次世界大戦に従軍した経験を描いたグロテスクな作品で、日本で同じことを目指した画家はいない。辻まことは激烈な人生を送ったが、彼はディックスのような激しい絵を描かなかった。ディックスの絵画は新即物主義とされる。戦争で多くの死体を目の当たりにし、またベルリンの夜に蠢く売春婦や殺人者などを題材に、グロテスクなエロティシズムを表現した。一方では家族や親友をドイツのリアリズムの伝統に則って描いた作品群もあり、エロとグロを売りにしていた画家ではない。ディックスは日本画から見ればとんでもない画家と目されるが、見たものは何でもそのまま表現せずにはいられず、戦争の悲惨さを描いて反戦を唱えたかったのではない。ヒトラーをおちょくった作品もあって、ディックスはヒトラーから退廃芸術家とされ、失われた作品も多いようだが、どこから見てもドイツそのもので、古典の上に20世紀前半のドイツの姿を暴き描いた。ディックスには自画像が多く、その中に裸の女性を切り刻んでばらばらに放り投げている作品がある。当時頻繁にあった殺人事件を自画像として描くところに、自分をも突き放した態度があって、これはナルシシズムとは正反対に位置する。そして筆者にはナルシシズムに浸る作者がとてもグロテスクに見え、自身にも醒めていたディックスがとても格好よく思える。今日の最初の写真の妻マルタとディックスは、別々に撮影したものを合成したものではないかと昔から筆者は思っている。2枚目下は3点シリーズの「大都会」で、中央パネルはジャズを演奏するキャバレー内部、左右は傷病軍人と夜の女で、2枚目上はその3点の右の拡大に『戦争』シリーズの1点を添えた。左端に立つ夜の女は全身が女陰として描かれているが、百年後の今もセックスやドラッグ、暴力が大都会では蔓延している。
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by uuuzen | 2019-03-16 23:59 | ●新・嵐山だより
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