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●神社の造形―日吉大社、東本宮と椰の木
滞のひどいことを渋滞と言うが血液が欠陥内部で渋滞すると命にかかわる。何でも滑らかに流れているのがいいかと思えば、あまりぺらぺらと喋る人は軽薄と思われる。



●神社の造形―日吉大社、東本宮と椰の木_d0053294_00354227.jpg
物事には平均的な限度というものがあってそれを知っておくのがよい。ツイッターの140字の限度は、一般人のつぶやきがそれに収まり、また読み手もそれ以上では面倒臭いと感じることから決められたのであろう。筆者のブログは1段落当たりだいたい1200字と決めているので、最低でもツイッターの10倍は書いていて、その常識外れから多くの人は読む気にならない。ところで、4日前にロジェ・カイヨワのことを少し書いた。子どもの遊びの中に文章を書いたり、絵を描いたりすることがあるだろうか。後者は落書きがあるが、前者はそれよりも高度で、子どもはあまり文章を書きたがらないだろう。筆者は小学生の2,3年生の頃には絵も文字も書くことが大好きで、クラスでそれを自慢していた。つまり、筆者にとっての遊びは絵を描くことと文字を書くことで、そのまま大人になった。これは子どもの頃の遊びが大人になっても続いているのか、あるいは子どもの頃にもう大人びていたのかだが、どちらでもあると思えばよい。一方、絵を描くことはカイヨワが分類する遊びのどれに該当するかと言えば、最も近いのはミミクリか。子どもは絵を描きながら何かを見ていて、その世界に同化したいと思っているのであればそう言えるが、落書きは「眩暈(イリンクス)」に近い。つまり絵画には意識して描くものと無意識で描くものとがあって、後者は20世紀になって開拓され、シュルレアリスムの絵画やアクション・ペインティングが該当する。カイヨワは意識派であって、シュルレアリスムを批判し、無意識の芸術を評価しなかった。ただし、著作『石が書く』では無意識であるはずの自然が創った石の断面に現われる人間の絵画のような文様に驚嘆していて、彼がシュルレアリストとして出発したことを納得させる。それはさておき、筆者はこうして毎日文章を書くのは意識しての行為だが、何を書くかは無意識の場合がある。昨日は冒頭の一字として「溶」を使うことが決まっていた。その文字を使って何を書けばよいか思い浮かばず、書き始めるのに1時間ほど費やした。そしてとにかく書き始め、3段落目に至った時、東本宮の樹下宮や大物忌神社が家族を構成していることに気づき、それで無意識で書いた最初の段落と辻褄が合うようになった。それはこじつけ行為と言われそうだが、無意識での行為がやがて意味を持って話がうまく関連したのであって、それは長年書き続けていることによる閃きと言える。無意識だけでは駄目で、意識がそれを制御して初めて芸術作品は生まれる。意識が無意識をどう手なずけるかだ。その意味で筆者はカイヨワの考えに同意し、無意識で描かれる落書きのような作品を評価しない。
●神社の造形―日吉大社、東本宮と椰の木_d0053294_00360174.jpg
 東本宮について書くべきが、最初の段落全体を停滞に費やした。撮って来た写真を順にブログ用に加工しながら、どの社がどこに位置するかをグーグルのストリート・ヴューで確認している。今日も4枚の写真を載せるが、その4枚の中では最後に撮った。そのことは4枚目と同じく境内の東端の方からの眺めであることからわかるだろう。また2枚目の写真の左の湧き水の取水口は境内西端の本宮と大物忌神社との間にあって、その地点からさらに北つまり大物忌神社のある場所は階段を数段上がったところにある。そのため、東本宮は北から南へと土地が三段になっていて、山の斜面を整地したことがわかる。最も高い北端の段は奥行が狭く、大物忌神社はほとんどその奥行いっぱいに建っている。また幅も狭く、大物忌神社は半分を占めるが、もう半分に同じ大きさの社はとても無理で、そのため、東側には2枚目の写真左の小さな稲荷社が置かれる。これはあまりに小さく、上中下の七社には含まれていないが、4枚目の写真からもわかるようにそれなりに目立つ位置にある。湧き水の取水口の南に新物忌神社、その南に石の玉垣で囲った「亀井霊水」がある。亀甲型に石を組んだ井戸で、水が飲めるかどうかわからないが、湧き水の取水口には勢いよく山の水が流れ、またそれとは別にパイプも設置されて飲めるようになっている。これを撮影して筆者は稲荷社の前まで行ったが、そこには酒の瓶が供えられていて、伏見の御香宮を思い出した。酒作りの盛んな同地もきれいな水が豊富であるからだ。それで湧き水と稲荷社は境内の西と東に離れているが、2枚目の左右の写真は続けて撮影し、また枚数を減らすために対にするのがよいと考えた。3枚目の写真は本殿東の二宮竈殿社で、西本宮や宇佐宮と同じく本殿の東に位置する。4枚目は二宮竈殿社を背にして椰の雌の木の下で撮った。本宮の朱塗りの欄干が白木や金色と調和して華やかで、その点が二宮竈殿社と共通する。この朱色がなければ寺と勘違いしそうだが、西本宮や宇佐宮、白山宮では風化によってこの欄干の朱色がかなり落ち着いている。それはそれでまた味わいがあってよい。神社と言えば鳥居の朱色だが、それが日吉大社では割合慎ましやかに使われている。新緑の季節には少々物足りない気がするが、4枚目の写真は樹木の緑とほどよく釣り合っていて、これ以上朱色が多いといやらしくなるかもしれない。また紅葉の季節に境内の色合いがどのように変わるのか知らないが、おそらく充分過ぎる赤い色で、社の朱塗りの部分が多くない方がいいだろう。この朱色は何年置きに塗り替えるのか知らないが、褪色具合を見てのことで、そう言えば平安神宮の大鳥居南の橋の欄干は汚れや剥がれがかなり目立っていた頃、観光客が多くなる季節に塗り替えられた。ペンキなので簡単だが、日吉大社の社は当然ながら漆塗りであろう。
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 明日は東本宮境内で撮った写真をもう1枚紹介するが、東本宮の各社は「大山咋神の家族と生活を導く神々」とされていて、よく言えば家族的だが、せせこましいところに社が密集している感じがあって、日本のウサギ小屋と揶揄される住宅事情が反映されているようにも見える。地形を見ると土地は充分にあるのに現在のようになったのは、樹木をあまり切り倒さず、また各社が接近している方がよいと判断されたからであろう。それに西本宮と同じように本宮と拝殿、楼門だけでは、東西が左右対称となってどちらが格上かわかりにくく、また日吉大社全体として見た場合、単調な感じが拭えないだろう。東西が同じ雰囲気であればどちらか片方を見ればよく、ありがたみが少ない。その点、東本宮が込み入った感じがするのは、偶然の結果かもしれないが、変化に富んで日吉大社をテーマ・パークと考えてもそれがよい。このことは一度だけ訪れても誰でも感得出来る。それほどに合理的に全体の社が配置されているが、境内と境外にそれぞれ108社があった当時の壮観さはさておき、それほど多くの神社があったことは、日吉大社はあらゆる神を包括していたことになり、ほとんど日本の縮図であった。またそれほど多くの神を祀るとして、それぞれの神社名をよく知る人がどれほどいたかなればごくわずかなはずで、また信心深い人の減少もあって結果的によく知られるものに絞られた。稲荷社はその代表のはずで、これが東本宮境内の北東隅にあることは多少違和感を覚えたが、恵毘須社があるからには稲荷社もあってよい、あるいはあってしかるべきと考えられたのだろう。現在の状態でも日本の縮図的であることには変化はなく、そのためもあって参拝の心得として「天下泰平・五穀豊穣」が掲げられるが、稲荷社は「五穀豊穣」の神であり、露骨な「商売繁盛」の御利益は日吉大社ではひとまず目をつぶればよい。そう思えば現在の小さな社に納得が行く。写真では屋根の一部が真新しい銅板葺きで、それが誰かの寄進によるとすれば、坂本で商売をして大きく儲けた人はいつかもっと大きな社を寄進するかもしれない。その時、日吉大社としてはその申し出を断ることが出来るだろうか。境内の雰囲気を壊さない限りにおいて、社の大きさに変化があってもよく、またそれが許される庶民性が東本宮にはあるように思う。入苑料の300円では維持管理費の全部を賄うことは不可能なはずで、先の朱塗りの耐用年数なども考えれば、形ある社を同じ状態で保って行くことはどこか綱渡り的な危うさを想像する。そういう危うさに晒されながら千年以上も存在し続けていることは、天下泰平があればこそだが、それは多くの叡智があってのことで、筆者はぺらぺらと軽薄に話すように書くが、この歴史的な遺産の現在の貫禄ある姿を心に思い描いて宇宙的な気分に停滞出来る。
●神社の造形―日吉大社、東本宮と椰の木_d0053294_00364117.jpg

by uuuzen | 2018-08-10 23:59 | ●神社の造形
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