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●神社の造形―日吉大社、神輿収蔵庫から東本宮楼門まで
る思いという熱意があまり持てないようになって来ているが、海外に注文した本やCDが予定日より届くのが遅れると毎日気になる。それはとても小さなことで、筆者の生活ぶりがわかるが、高齢になっても熱烈に募る思いが湧くことがあるだろうか。



●神社の造形―日吉大社、神輿収蔵庫から東本宮楼門まで_d0053294_00053819.jpgそれはさておき、先日も書いたように日吉大社は5年前の夏に延暦寺に行った時から気になっていたが、それ以前にも関心を引き起こすことがあった。それは7年前の初秋に見たMIHO MUSEUMでの展覧会『天台仏教への道-永遠の釈迦を求めて-』だ。図録は『神仏います近江』と題されて1冊にまとめられたが、3つの会場で開催された。他の2館は滋賀県立近代美術館と大津歴史博物館で、当時筆者はその2館での展覧会に行かなかったが、それは厚さ4センチ近い図録にそれら2館での展示品も掲載されたからでもある。大津歴史博物館での展示は『日吉の神と祭』と題された。これは日吉大社に限らず、近江の寺社に収蔵される神像や猿の木彫り、また本地の仏像、日吉山王本地仏曼荼羅、日吉山王垂迹神曼荼羅、そして山王祭礼図の屏風や神輿などを出品し、図録の図版だけを見て展覧会に行った気分になったが、その3館合同展が延暦寺や日吉大社に行ってみる気を起させた。となるともう7年も経っているから、年月の過ぎ去ることの速さと、何事も決心しないことにはそのままになってしまうことを思うが、その決心は熱意で、それがなければ日常に変化を感じられずにさらに歳月の過ぎ去りが早いだろう。さて、昨日の5枚目の写真の社の列を過ぎるとすぐに階段がある。それを下りると東本宮へと至る道が続くが、それはすぐに二手に分かれていて、筆者らは直進せずに左手の幅の狭い道を進んだ。それは回り道だが、目と鼻の先にある太い杉の木に御幣が巻かれているのが見え、誰しもそこに行こうという気になるだろう。その杉の根元には高さ30センチほど石像の地蔵さんがすっぽり取り込まれていて、「忍耐(しんぼう)地蔵」と呼ばれている。おそらく杉の根元に適当な窪みがあって、そこに石仏を置いたところ安定がよいのでそのままにし、いつか木に取り込まれることを願ったのだろう。それまでには数十年の忍耐が必要であったので、地蔵さんがそう呼ばれるようになったと想像する。この地蔵から先に進むと道はまたひとつになり、すぐに左手に今日の最初の写真の恵毘須社がある。山王鳥居から北へまっすぐ突き当たった場所で、境内の半分を巡ったと言ってよい。この恵毘須社は上中下の七社に含まれず、取ってつけたような孤立した雰囲気がある。それは西本宮と東本宮をつなぐ境内の北参道のこの付近がつなぎの場所としてあまり重要でないと思えるからだが、それはあまり人が訪れない場所というのではない。むしろその逆で、庶民にとって卑近な神仏の恵毘須や地蔵が祀られる。
●神社の造形―日吉大社、神輿収蔵庫から東本宮楼門まで_d0053294_00055983.jpg 「神猿さん 散策ガイド」によれば、山王鳥居のすぐ北に2か所の就社上がある。つまり、山王鳥居辺りまでは車で入ることが出来る。その駐車場の北に恵毘須社や、そこから50メートル西の神輿収蔵庫があるので、その辺りは境内では最も街中に直結していると言ってよい。前述の図録に日吉大社の祭りで使用される神輿が並ぶ写真が載るが、背景の様子からそれがこの収蔵庫の中で撮られたものであることがわかる。今日の2枚目に収蔵庫内部を覗いた写真を載せるが、全部で7基もある。これほど多く並ぶ様子は見たことがないが、係員がいて部屋の内部が見られるのであればもっといい。「神猿さん 散策ガイド」の赤丸6は「樹下宮 神輿」と題して重文の神輿を紹介する。樹下宮は上七社に含まれる摂社で、「鴨玉依姫神」を祀る。東本宮のすぐそばにあって、拝殿を伴なう。その神輿には台座の側面に松の木の上で遊ぶ5匹の神猿の彫刻があるが、収蔵庫のガラス越しから見えるだろうか。2枚目の写真の上左は三宮、下左は西本宮の表示札が見える。先の図録によると、七基は上七社の大宮、二宮、宇佐宮、牛尾宮、三宮、樹下宮、白山宮で、全部重文のはずだが、山王祭で荒々しく担がれるので何度も造り替えられて来たとあり、また収蔵庫にあるのは現在使用されている昭和40年代以前のものと書かれる。作り替えられたものが重文であるのはおかしい気がするが、神輿の土台が山門が再興された17世紀前半のものであるからだ。現在使われる神輿はネットで見ると7基とも金ピカで真新しいが、どこに保管されるのだろう。上七社のすぐ近くにそれぞれ神輿庫があるのだろうか。そう言えば昨日写真を載せた宇佐若宮社のすぐ西に、地図には表示のない倉庫らしき建物がある。そこは神輿収蔵庫から100メートルほどで、神輿を収められそうだ。3枚目の写真の上は神輿収蔵庫から西へ40メートルにある山へと続く階段の裾で、三宮遥拝所の祠だ。階段を挟んで右側には牛尾宮遥拝所がある。階段を上った平地にまた倉庫のような建物が2棟あり、やはりこれらの建物に神輿を保管していると思える。その平地からジグザグに山道が続き、「神猿さん 散策ガイド」によれば往復1時間のところにともに重文の三宮宮と牛尾宮がある。山頂から40メートル下の崖に階段を挟んで拝殿とともに本殿が建つが、筆者らはそれに気づかず、また知っても歩かなかった。この山道を山王祭の時に神輿を担いで上り下りするというから、さぞかし賑やかなことだろう。またそうであるからには神輿は境内に保管されているはずで、神輿収蔵庫を挟む前述の場所である可能性が大きい。7基の神輿は毎年4月12日から3日間行なわれる山王祭に参加するが、京都に住む人にとって滋賀県は足が向きにくく、山王祭についての感想を聞かず、また見に行こうとする人に出会ったことがない。
●神社の造形―日吉大社、神輿収蔵庫から東本宮楼門まで_d0053294_00063220.jpg 広い境内なので祭りの賑やかさも一部にとどまる気がするが、日吉大社のホームページでは祭りに参加する武者姿の人たちをトップ画面に掲げ、大勢の人に見てもらいたいだろう。山王祭では3月1日に2基を牛尾山の東本宮奥宮まで担いで上がるとされるが、東本宮奥宮とは三宮神社と牛尾神社のことだろう。そのために2基が運ばれるはずだ。三宮神社と牛尾神社が境内のもっと低い場所にあれば神輿を担いで上がる労苦はなかったが、境内として牛尾山の山頂までを含み、またその近くの崖に神社を建てたのは山岳信仰があったからだろう。神仏分離後に日吉大社の境内の北端は牛尾山の山頂を含む辺りまでとなったと想像するが、写真で見ると三宮神社と牛尾神社は他の摂社と違った趣があって日吉大社の奥深さを体現している。ともかく3月1日から祭りは始まると言え、しかも山道を人力で神輿を運ぶのは山王祭でも最も見物ではないだろうか。2基は4月12日に東本宮に戻され、翌日に西本宮の拝殿に運ばれる。14日は7基が揃い、ネットには拝殿に7基が並べられている写真がある。7基は船に載せられて唐崎神社の沖合まで運ばれ、神事を済ませた後、若宮神社前の船着き場に戻る。なお、WIKIPEDIAによれば神輿船には2基が載せられるとあるが、ネットの写真では7基が載っている。今思い出したが、筆者は週刊朝日百科の『日本の祭り』を持っているが、それを見れば日吉山王祭について詳しくわかるのに、隣家に置いてあるので今すぐには見られない。話を戻して、牛尾山に運んだ神輿を今度は船に乗せるのは、湖ではあるが日本の国土と成す山と水辺の双方に因み、天下泰平と五穀豊穣を祈る祭りにふさわしい。唐崎神社はJRの坂本からひとつ南の駅の唐崎から東800メートルほどにある。先日書いたように山王鳥居手前の猿塚の古墳の穴が唐崎まで通じていることから、日吉大社にゆかりがあることがわかるが、日吉大社の摂社だ。近江八景のひとつとして「唐崎夜雨」は有名で、訪れたいと思いつつ機会がない。また同神社のホームページは日吉大社のそれと同じく、筆者のパソコンではスクロール・バーが表示されないので見ることが出来ない。若宮神社は坂本駅から東600メートルで、この神社から真っすぐ西に向かうと大鳥居がある。日吉大社の境外社は108あるとされるが、そのひとつだ。3枚目の写真の下は牛尾遥拝所から西へすぐのところで、東本宮の楼門だ。右手奥の平屋の小さな建物は東授与所で入苑受付も兼ねている。これは早尾地蔵から二宮橋をわたって真っすぐ北にやって来る人があることを見越してのことか。この東授与所に着く前に反時計回りに境内の道を巡って西本宮に至ることが出来そうに思うが、二宮橋を過ぎてすぐの東側に筆者らが利用した西受付と対になる東受付がある。4枚目の写真は楼門の正面で、奥に拝殿が見える。早く中に入りたいと思いが募ったのでもないが、いよいよかという気にはさせる。
●神社の造形―日吉大社、神輿収蔵庫から東本宮楼門まで_d0053294_00065719.jpg

by uuuzen | 2018-08-08 23:59 | ●神社の造形
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