●神社の造形ー門戸厄神に初めて初詣
ずることは誰しもだが、心配するあまり、いいことでも疑ってしまうことがある。そういう人は八卦を信じることが多いように思うが、人間に対して疑い深い人は神がかり的なことを信じやすいということだろう。



d0053294_17544226.jpgだが、その神がかりも人間が作ったものだ。詐欺師とまでは言わずとも、それに近い占い師がいつの時代も大儲けをして有名になる。これはペット・ブームと同じで、人間に代わる何かを信じたい人が多いからだ。筆者の知り合いのある母親は個人で占いをしていて、口込みで訪れる人がそれなりにいるようで、なかなか羽振りがよい。手っ取り早く金を儲けるにはなかなかいい商売で、それなりに勉強をする必要があるようだが、結局は人間的に弱い人にどのように接すればいいかという、人を見る目を養うことが第一だ。そのため、そういう占い師は自信ありげな人は敬遠する。たとえば先の母親は筆者には全く話しかけもしない。筆者が20代後半の頃、同世代のある男性から新興宗教の勧誘を受け、断り続けると当時40代半ばの貫禄のある、また大学の先生のように見える「偉い」人物を連れて来た。そして20分ほど雑談をすると、彼女は筆者にこう言った。「あたなに信心は必要ないわね」。今読んでいるルナンの『思い出』の中に似た下りがある。司祭になるべく子どもの頃から神学校で学んでいたルナンだが、ある時期に決定的な人物と出会い、その人物はルナンに対して、「君はクリスチャンではない」と言う。そのように人を見抜く力のある人物が『思い出』には何人も登場するが、これはルナンほどの才能のある人であるからであり、平凡な人は平凡同士の交際に終始する。平凡な人に非凡が理解出来ないからだ。それゆえ、凡人が非凡な才能の作品を5段階の評価で星を2,3しかつけていない場面に遭遇すると、馬鹿の典型を見て気恥しくなる。自分の凡人具合を天下に晒す必要はないのに、ネット社会はそういう自惚れ馬鹿を限りなく増殖させている。いや、実際はいつの時代にも限りなくいたそういう連中がネットでは目立つようになっただけのことで、玉石混淆どころか、石ばかりと言ってよい。玉は石を相手にせず、玉同士付き合うことはルナンの『思い出』からよくわかり、筆者も毎日自分の石頭をせめて少しは照り輝くように磨き続けたいものだ。さて、門戸厄神だが、厄神とは厄病神のことかと思わないでもなく、初詣に行くのは少々勇気が必要だ。だが、厄神は厄を祓ってくれる神のことで、厄年の人がお参りすればよいとされる。もちろん厄年に関係なく、厄が気になる人が訪れればいいのだが、厄神は人生には厄がつきものという考えが普遍的であることにかなった神で、運がよくないと自覚する人向けと言えばいいだろう。また厄は年齢を重ねるほどに普通は増えるもので、高齢化に向かう一方の現在、門戸厄神にお参りする人は増えるだろう。
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 話は変わる。先月28日、「風風の湯」で常連のTさんが体を洗っていた筆者の横で声をかけた。「大山さん、Mさんが倒れた」。振り返ると両足を伸ばして81歳のMさんが倒れていた。すでに受付の女性が頭を押さえていて、また1分と立たない間に男性の係員ふたりが駆け付け、2,3後に救急隊員もやって来てMさんを脱衣場に運び出した。筆者はMさんとサウナ室で談笑し、その後そこを出たMさんは大きな湯舟に腰まで浸かって他の常連2名と話しているのを見て筆者は体を洗い始めたのだが、談笑して7,8分後にMさんは倒れた。風呂にやって来て20分ほど経った頃だ。足を滑らして倒れ、額を打って血を流したという。Mさんは意識はしっかりしていたが、「風風の湯」としては後で何かがあれば困るので、救急車で病院に行くことを願い、Mさんは奥さんとともに病院に向かった。医者嫌い、薬嫌いのMさんは救急車に乗ることを頑なに拒否したそうだが、検査を受けないことには傷の程度はわからない。当夜は中国人観光客の団体が入湯中で、倒れたMさんに気づいて電話したのは同じ常連のTさんであったから、顔馴染みをたくさん作っておくに越したことはない。常連客の中ではMさんと筆者が最もよく話し、一種の裸のサロンを形成することに貢献しているが、高齢者はちょっとしたことで倒れて怪我をする危険が常にある。今回のMさんの怪我は後頭部でなかったために不幸中の幸いだ。それで何を言いたいかと言えば、厄年だ。男は42、女は33だが、それ以外にも厄年はある。それらは統計によるものという意見があるが、誰かが統計を取ったものではなく、だいたい身体の変化が著しい頃として普段以上に気をつけた方がよいというものだ。また、大昔の33や42歳と今の同じ年齢は違うので、今ならそれぞれに10歳を上乗せすべきと言う人もいると思うが、その考えも正しいとは限らない。寿命が延びたのは確かでも、延びたのは高齢の部分においてで、大昔の33や42歳は今の同じ年齢の女性や男性と肉体的には同じであろう。栄養状態がよくなってはいるが、女性の生殖能力の年齢が10年伸びたとは聞かない。それで33歳、42歳が本厄として最も気をつけるべき年齢であるというのは今後も変わらないと筆者は思っているが、もちろん個人差があって、数歳の前後はあるだろう。筆者も家内も本厄をとっくに過ぎているので、厄祓いには関心はないが、本厄以外の厄が何歳なのかと気になった。そこでMさんだが、今年83か4になる。昔はその年齢でまで生きる人は珍しかったので、80代に厄年はないと思うが、これは調べてみないことにはわからない。また、たとえば85歳の人が躓いて頭を打って死んだとして、それを厄年のせいにするかと言えば、ぽっくりと死ねて幸運だと言う人が多いだろう。
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 つまり、厄年は人生がこれからという人にふさわしいもので、高齢者がそれを思うのは虫がよすぎる。とはいえ、参拝客に高齢者は目立ち、誰でもどんなことがあっても生きたいと願っている。それは見苦しいことではなく、ごく自然なあり方だ。それですがるべき神が求められ、門戸厄神が多くの参拝人で溢れる。さて、駅から旧西国街道を北へ進むと、西の山手に直角に折れる道がある。そこに一対の大きな石灯籠と、今日の最初の写真の「日本三体 厄神明王道」と彫る石柱が建っている。昔は田畑が広がる場所で、地元の人たちが協力して建てたものといったことを記した駒札が灯籠との間にある。今は住宅が接近して建て込み、鄙びた雰囲気は少ないが、それはそれで地元住民の生々しさがあってよい。坂を上って行くと、突き当りでさらに北に少し向かい、また少し南に戻る形で石の階段を上る。上り切ったところに表門がある。それが2枚目の写真だ。この石段は男の厄年の42段あるらしい。撮影中に若い女性が目立ったが、彼女たちは33歳なのだろうか。表門をくぐるとさらに階段があり、それは33段あるとされる。それを上る直前に撮ったのが3枚目で、東京の浅草寺を思わせる大きな赤い提灯に「厄神明王」と書いてある。それよりも気になったのはこの提灯を下げる中楼門の格天井に絵が描かれていることだ。それがあるのとないのとでは華やかさが全く違う。もっとも、それに目を留める人は少数派だろう。中楼門をくぐると正面に大きな厄神堂がある。その正面に4枚目の写真のような線香を焚く大きな香炉がある。同じものは浅草寺にもある。また門戸厄神のホームページによれば、筆者の撮影位置から左手数メートルのところに「金箔宝珠」があるが、4枚目の写真中央下にある金色の宝珠を収めるのに必死で、筆者は気づかなかった。山の斜面にある境内には多くの建物があって、またどこにも大勢の人がいて、筆者らははぐれないようにと注意しながら右往左往した。見晴らしのいい眼下の眺めや蝋燭がたくさん灯される北端の小さな建物内部など、撮ったはずの数枚が写っていなかったのはいつものこととして、中心となる厄神堂に無料で入れるのかどうかわからず、また中を少し覗くと大勢の人がいたので入らなかったが、特別の祈祷料は必要だろう。境内は反時計周りに巡るようになっていて、厄神堂とそのすぐ北にある薬師堂との間の階段を上って厄神堂の背後に向かった。その話は明日書く。それでこの投稿をどのカテゴリーにすべきを案じていて、寺であるからには「神社の造形」ではまずいかもしれないが、神仏習合であるので、寺と神社を分けることは無理がある。初詣が必ず神社かと言えば、中山寺や門戸厄神は寺だ。そして寺であれば拝み方が違うが、賽銭を投げるのは同じなので、拝み方まで意識して区別している人は少ないのではないか。
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by uuuzen | 2019-01-06 23:59 | ●神社の造形


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