●西国街道、その4
横無尽に道を踏破しているかと言えば、自分が住む地域でも歩いたことのない道がいくらでもある。その道沿いの家の中がどうなっているのか知らず、そこに住む人がどんな顔をしてどういう考えを抱いているかについてはさらにわからない。



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ということは、人間は一生の間にごくわずかなことしか知ることがなく、親しく交際出来る間柄の誕生は奇跡と言える。つまり、「日々是奇跡」だ。これを新たな禅語としたいが、同じような言葉に「一期一会」がある。何事も一期一会であれば、毎日違う場所に泊まり、違う物を食べ、違う人に出会うことが、より縦横無尽に人生を謳歌することで、人間にとって最大の幸福かと言えば、そうではないだろう。それでは馴染みということとは無縁になるからだが、その馴染みを拒否する狩人のような人もいるかもしれない。とはいえ、今はそういう生き方はホームレスでも無理だろう。収入を得るにはどこかに定住し、ある一定期間は毎日同じ人と顔を合わせる必要がある。そこに馴染みが生まれるが、それを好まない人はすぐに別の職場に移るか。また働く必要のない人は毎日違うホテルに泊まって親しくなる人間を作らないこともあるかもしれない。だが、ヴィム・ヴェンダースが何かの映画で俳優に言わせていたように、毎日違うホテルに何年も泊まり続ける生活は、精神的にほとんどの人には無理だ。それで馴染みの存在と折り合いをつけながら人間は生活するが、普段馴染んでいる存在が多い人ほど、たまには旅行したくなるだろう。もちろんそれは時間と金の余裕があってのことで、それのない人は最初からその夢を考えず、筆者はその部類に属する。それでたまには電車に乗って日帰り出来るところに出かけるが、家内は阪急阪神1日乗り放題のチケットが今月10日までなら1枚1000円で買えることを知り、それを3枚買って、帰省中の息子との3人で初詣に出かけようと言う。このチケットは普段は1200円で、初詣客へのサービスとして200円だけ安い。また京阪神の大きな神社のうち9か所に参ると、そこで特製の記念品がもらえる券つきのはがきがもらえる。それを利用してこれまで中山寺に初詣に出かけたことがある。今年もそこへ行こうかと言いながら、9か所のうち門戸厄神のみまだ訪れていないことを知り、そこに行くことにした。それで2日の午後一番に出かけたが、今日からしばらくはそのことについて投稿するとして、今日は阪急の門戸厄神駅を降りてすぐに見かけた旧西国街道の標識に絡めて書く。西国街道については去年「その3」まで投稿した。時間があればその未踏破の道を歩いてみたいと思っているが、たぶん思っているだけで縁がない。そしてぼんやりとそう思っているだけに、駅の改札を出て通りをわたってすぐに見かけた今日の最初の写真の標識は意外であった。だが今日の写真はすべて門戸厄神にお参りした後に撮った。
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 門戸厄神駅に着いてすぐに思ったのは、同じ阪急沿線の東向日駅と雰囲気がよく似ていることだ。その駅も西国街道沿いにあって、街並みが似ているのは当然だろうが、東向日駅から門戸厄神駅までは40キロほどあり、どのようにつながっているのかさっぱり知らない。西国街道に沿って大きな道路があるはずで、車を運転している人にとっては、縦横無尽とは言わなくても、東向日と門戸厄神との間の道路はだいたい頭に入っているだろう。そう言えば去年の秋、アメリカの西海岸から東海岸までの道路をグーグルのストリート・ヴューで3か月ほど要して踏破した人の話題があった。それに倣えばパソコンで東向日から門戸厄神までの西国街道をたどることが出来るが、筆者にはその趣味はない。それはさておき、門戸厄神駅は西宮北口で今津線に乗り換えるが、駅の構内が広く、最初は浜側つまり南下する電車に乗った。発車寸前に家内は宝塚方面に乗らねばならないことに気づき、また広々とした構内に戻った。そして右往左往しながら宝塚方面の下り口に気づいた。西宮北口駅が新たな駅ビルになったことによって、神戸線と今津線の交差は分断され、利用客の少ない今津線は北行きと南行きはそれぞれ別のプラットフォームを利用することになった。それがいつのことか忘れたが、息子が数歳頃のはずだ。当時筆者は息子と一緒に夏休みのスタンプ・ラリーに何度か挑戦したことがある。主要な阪急電車の駅に置いてあるスタンプを捺して周り、全部揃えると記念品がもらえたが、現在筆者が使っているマグカップはその時のもので、とても頑丈なのでなかなか割れず、重宝している。そのスタンプ・ラリーは3,4年続いたが、子ども同士で巡ることも多く、そうなれば途中で変な大人に絡まれたりして事件に遭遇するかもしれない。そういうことはほとんどないはずだが、1件でも深刻なことが起これば、阪急は親から訴えられるかもしれない。おそらくそういう理由で継続を中止したのではないか。そうであれば、この30年は自主規制が強まって来たと言えそうだ。芸能人の不倫が糾弾されることも昔はほとんどなかったが、明らかに時代がギスギスして来ている。何かあった時のことを過剰に考えるあまり、他人と関わることを何もしない、出来ないとの考えが普通になって来て、自己責任の考えが広まった。その果てに何があるかと言えば、独身主義者が増え、子どもがいなくなり、国が消えることだが、政府はそうなってはまずいと考えるから、経済維持のために外国人を入れてアメリカと同じような国にするだろう。それが徹底されればいいが、中途半端になることは確実で、陰湿ないじめが子どもの間だけではなく、大っぴらに大人の間に広がる。すでにそうなっていると言っていいかもしれない。正月早々あまりいい予想をしないのはまずいので話題を変えよう。
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 今日の最初の写真は駅前で撮ったが、同じ場所で南西を向いたのが2枚目で、西日のために半分写っていない。このような写真は載せられないかと思いながら撮ったかと言えばそうではない。眩しい逆光の中、奥に道が続く様子を見るのは好きだ。本当はその奥へと歩きたいが、初詣の日ではそれは無理だ。それで多少後ろ髪を引かれる思いで撮りながら、ブログに使うことを決めた。ヤフーの地図で調べると、この道の先に夙川がある。またさして距離はない。西国街道を歩きたいのであれば、一度門戸厄神駅で降りて駅前を南西に向かうのもよい。阪神の香櫨園駅まで3キロほどで、散策にはちょうどよい。今思い出したが、この2枚目の写真を撮ったのは10年ほど前に同じような写真を撮ったからかもしれない。「おにおにっ記4」第21話にそれを載せ、投稿は「逆境の逆光の中を行け」と題した。この10年、筆者の境遇は変わらず、逆境のままと言ってよいが、確かに向こうに輝く光を絶えず見つめている。逆境の苦しさがあっても、前方に光が満ちていると思えば耐えられる。そして筆者はそういう仕事をして来たつもりだが、それは簡単に言えば創作だ。自分の人生であるからには、可能な限り、時間を自分のために使いたい。それはフリーランスになるということでもある。そうでなければ生きている楽しさがない。3枚目の写真は参拝が終わって門戸厄神駅のプラットフォームの端から西国街道を見て撮った。写真右手奥が北で、線路沿いから建物1軒分西の道路を進むが、その道の西側は田畑がかなり広がる。その様子は4枚目からわかる。中央に写るのは息子と家内で、お参りした後、駅方面に歩いている。往路では人で混雑していたが、帰りはまばらであった。あまり遠くないところに中山寺や西宮神社があり、門戸厄神にお参りする人たちは近隣住民が中心かと言えば、筆者らのように京都から訪れる場合もあり、駅や駅前は人で混雑していた。写真右手が西で田畑があるが、それを写し込むために撮った。家内も門戸厄神駅に降り立つのは初めてだが、すぐ近くに神戸女学院があることを知っていた。そのほかにも学校がいくつかあり、環境はよさそうだ。筆者が気になっているのは、西宮市の山手にある廣田神社で、それは西国街道沿いにあったと思うが、地図を確認すると、阪急の西宮北口とひとつ西の駅の夙川の中間あたりの山手にある。夙川駅から山手に伸びている甲陽線の苦楽園口から東800メートルで、今日の2枚目の逆光の道からでは南西に1.2キロ下がってそこから北西に500メートルほどであるので、旧西国街道を散歩するつもりで一度歩いてみたい。土地勘の全くないところを、たとえば神社巡りや西国街道巡りを理由に歩けば、縦横無尽に道がわかることはなくても、点と点がつながって頭の中が広がる気がする。
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by uuuzen | 2019-01-05 23:59 | ●新・嵐山だより


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