●文化庁の京都移転
用マッチはもう見かけなくなったが、これが得用の意味であることに、なぜ徳と得が同列なのかと思う。今は徳のことを考える人間は皆無だ。



d0053294_00515556.jpg誰しも得ばかり計算し、金儲けのうまい者が成功者と呼ばれる。徳には必ず隣ありと昔の人は言った。今は得の隣に必ず得ありと目され、金のある者にはなお金が集まり、また金持ちに擦り寄る人間が多い。さて、今日は昨日の続きめいたことを書く。今年の3月以来、3階の部屋のパソコンのそばに小冊子を置いている。暑い季節は1階に降りていたが、数日前から3階に戻り、その冊子をまた見かけた。表紙に「文化庁の京都移転ってなんですか?」と題名がある。中は20ページの漫画で、文化庁が京都に移転することがさまざまな面から描かれている。漫画を担当したのは京都精華大学の誰かだろう。あまりうまくない。京都は毎月の「しみんしんぶん」も去年から大きく紙面が変わって、漫画だらけだ。悪いことではないが、バカにされている気分になる。日本の漫画やアニメはフランスなどの海外で大評判だと言うが、歓迎しているのはどういう人種か。日本と同じと筆者は思っているが、世界的に子どものための文化が大流行ということだ。それはそうと、前述の冊子によって、15年前に「関西元気文化圏推進協議会」なるものが設立されたことを知った。この協議会が毎年「文化の日」を中心としてその前後に関西の美術館や博物館が無料で観覧出来る「関西文化の日」を始めたのだろう。数年前まで筆者はそのために作られた冊子をあちこちで見かけて入手したが、資金不足のためか、近年はほとんど見かけず、そのため去年も今年もネットで確認した。だがネットは不便で、一目でよくわかり、ペンで記しが出来る紙の媒体がよい。ともかく、あまりいい展覧会が開催されないこともあり、また企画展は「関西文化の日」の無料展覧の対象になっていないので、ほとんど「文化の日」の前後の時期に展覧会に訪れない。筆者に限ってのことなのか、全般にそうなのか。そこが知りたいが、資料がない。では筆者の世代以上はどのように暇をつぶしているか。数年前から実感しているが、男の老人は図書館の閲覧室に終日座っている。筆者が昔はよく通った京都中央図書館の2階北側の閲覧室にはいつも数人もいなかったのに、今では4、50人の老人で満席だ。みんな時間を持てあまし、金も乏しいので、冷暖房が利いて新聞や雑誌がたくさんある図書館に行く。家で孤独であれば、図書館通いは人とわずかでも触れ合う機会だ。そうそう、2年前か、右京図書館である老人男性と言い合いになりかけた。家内が怖がって女性司書に伝えに行き、司書がすっ飛んで来て騒ぎにならなかった。その老人は毎日その図書館のほとんど誰も踏み込まない豪華本コーナーに陣取って時間をつぶしていて、そこに筆者が闖入して本棚を調べ始めたことが気に食わなかったようだ。
d0053294_00523637.jpg 今日の2枚目の画像にあるように、「文化庁の京都移転ってなんですか?」にコラム1「日本の文化予算!」があって、日本の文化予算は近年毎年1000億円少々であることが記される。これが多いのか少ないのかとなれば、他の予算と比較して各自が思うことだが、興味深いことに他国との比較グラフが右側にある。2年前はフランスが1位、2位は韓国、以下イギリス、ドイツ、アメリカ、中国、日本と続き、日本の予算額は韓国の2.5分の1だ。人口比からすれば実際は5分の1となる。国家予算に占める文化予算のグラフによれば、韓国が1位で、フランス、ドイツ、中国、イギリス、日本、アメリカと続く。日本は韓国の25分の1程度で、あまりにおそまつな実態ではないか。それで新文化庁が京都に移転するのは2021年度中の予定というが、建物は告知されているように、古い京都府警を使う。筆者はそこを見学したことがあるが、警察署の後に文化庁というのは、あまり気分がいいものではない。また、それほどにけちった考えで、文化庁などどうでもよい機関と国は考えている。そして、肝心の予算はどうなるか。政治家がゴルフはしても音楽や美術に無関心であり、またそのことを自慢するほどの厚顔無恥であるからには、とても韓国並みは期待出来ない。文化が観光に寄与し、それが国家財政を大いに潤すことに無自覚な政治家では、日本はやがて文化後進国になる。フランスではかつてアンドレ・マルローが文化相を務めた後、美術論の執筆に没頭し、それは見事な著作をいくつも遺したが、彼がパンテオンに葬られたことは、いかにも芸術を称えるフランスにふさわしい。だが、そういう話題を日本の政治家にしても、意味不明とばかりに目を白黒させるだろう。また文化庁を京都に移転しても、文化とは何かで揉め、予算の分捕り合戦が繰り広げられ、少なくない金額が関係者の飲み食い消えることは目に見えている。それに、おそらくライヴハウスで活動するような若い音楽家には1円も回って来ない。それはそれで好きなことをしているのであたりまえという意見があろうが、かつてビートルズが勲章をもらったことを思い出せばよい。漫画やアニメによって日本が国際的な経済効果があると見込むのはいいが、その制作に携わる者はあまりに少ない給料に甘んじていることはもう何十年も変わらない。音楽も美術もしかりで、文化庁を京都に持って来ても芸術の格づけが強化され、美大芸大出が幅を利かすだけだ。あるいは家元や教授、組合の長が威張り散らし、個人で活動する者は限りなく存在を無視される。だが、本当の芸術家は野の花のように、放っておいて勝手に咲くものと覚悟し、養分をたっぷりと与えられて育つ植物園の花をせせら笑えばよい。徳は孤ではなく、必ず隣がある。見る人は必ず見ている。またそう信じないことにはこの世知辛い世界を生き抜いて行くことは難しい。
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by uuuzen | 2018-11-08 23:59 | ●新・嵐山だより


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