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●金森幹夫さんの「プログレを聴く会」
意なことが誰にもある。それを伸ばしてやるのが教育のはずだが、得点主義の世の中で、試験に次ぐ試験で高得点を取った者が一流大学から高収入の会社や役所に入る。



それが勝ち組と囃し立てられ、本人もその気になって思い上がり、醜態を晒す事件を起こす。その一方、10代の女性アイドル歌手が自殺するなど、いつの時代も同じと言えるのかどうか、あまりに考えさせられる事件が続く。そして、筆者は1か月前に金森さんからのブログへの書き込みによって、若い人たちが精いっぱい努力して自己表現している未知の世界を目の当たりにし、大いに心動かされている。これまで筆者はAKBなどのアイドル商法に踊らされる男性たちに醒めた眼差しを向けて来たが、そういう冴えない風貌の男が心のよりどころとするものを求める厳しい現実が今の日本にあるということで、何事も需要と供給の均衡がある。3日前は京都の四条大宮から歩いて5,6分の会場で初めてレザニモヲさんの演奏を見たが、最前列で撮影する初老の男性がいた。レザニモヲのファンでYOUTUBEに映像を載せているとのことだ。また筆者がたまに買い物に行く上桂の大型スーパーに近い場所に住まいがあって、そのことで話の糸口が出来た。その人がどういうきっかけでレザニモヲに関心を持ったのか知らないが、さあやさんのAKB的な魅力を発散しながら奏でる稀な響きに魅せられたのであろう。それは姿と演奏のギャップでもありながらまた不思議にも一致していることに対する驚きのはずで、筆者はその人のファンぶりがわかる気がした。誰でもレザニモヲのライヴを目の当たりにすると、第一印象がひっくり返る。そしてそうなれば、最前列で演奏を見ようという気になり、そういうファンがいてまた演奏者は自信を得て前に進む。今夜「風風の湯」で筆者が出会った常連は3人で、普段のようによく話すこともなく、ぼんやりとここ数日のライヴを湯舟に浸かって思い出しながら、同様の音楽家がどれほど関西にいるのかと疑問が湧いた。金森さんは割合積極的に小さなライヴ会場に足を運んでいるようで、TVに出ない優れた才能がどこにどう散らばっているのかおおよそ知っているのだろう。とはいえ、毎年若いミュージシャンは輩出するから全体像の把握は難しい。それに金森さんの好悪もあるだろう。となると、金森さんから仔細に聞き出すことが出来ても、筆者の評価とは違うことになり、結局は自分で調べて会場に足を運ぶしかない。筆者はザッパについての本を書き、その点でのみ音楽評論家と見られているのだろうが、ライヴハウスを拠点にする若い音楽家たちの現状を紹介する人がいるのかどうかが気になる。いないのであれば、そういうホームページや本があるべきで、それによってAKBに代表されるアイドル音楽とは別の音楽の一群の存在がもっと世間に知られると思う。
●金森幹夫さんの「プログレを聴く会」_d0053294_13261999.jpg
 25日以来、筆者が接した若い女性音楽家5人が、同様の創作活動をしている人たちのどのくらいの割合になるのか全く想像出来ないが、いわば無作為に抽出した5人と考えるならば、その5人について書くだけでも若い音楽家たち全体のおおよそを示すことになる気がしている。金森さんはザッパを含めてプログレ音楽に最も関心があるのだろうが、一昨日FUTUROに来ていた客と少し話した中で、武田理沙さんの音楽がプログレかどうかという話題が出た。筆者は彼女のディスクユニオンでの演奏の際、背後のCD棚に貼られた彼女のCDのポスターの真横に、棚の商品を分類する「PUNK」の大きな文字があったことを言った。聴きようによっては武田さんの音楽はパンクでもあって、そのことに立ち話をした客も同意した。つまり、広義の「プログレ」はどこまでも範囲が広がる。最近ネット・オークションでザッパのアルバム『ホット・ラッツ』のメキシコ盤が出品され、その表ジャケットの上段に大きな文字で「PROGRESSIVE ROCK」があること知った。そのことを一昨日「プログレを聴く会」で客に言うと、客のひとりが、「69年にもうその言葉が使われていたのか」という質問が出た。筆者はザッパのそのメキシコ盤がいつ発売されたのか知らないが、たぶんアメリカと同じ69年ではないかと言った。筆者が「プログレ」で真っ先に思い出すのはピンク・フロイドの『原子心母』だ。それを発売当時ラジオで初めて全曲聴いたことを今も鮮明に覚えているが、それ以前に「PROGRESSIVE ROCK」の言葉が欧米で使われていたのかどうかとなると知識がない。もっとも、日本で使われたその言葉は欧米の受け売りで、またイギリスが発端であったのは容易に想像出来るが、『ホット・ラッツ』はイギリスで大評判になり、「PROGRESSIVE ROCK」のジャンルとみなされ、それがそのままメキシコ盤のジャケットに反映したとも考えられる。つまり、69年にその言葉が使われ始めたのではないか。ところが日本では当時『ホット・ラッツ』は発売されず、『原子心母』の大人気によって、「プログレ」の言葉が狭義に使われ始めた。金森さんはそのあたりの事情に詳しいと思うが、FUTUROで金森さんは寺内タケシの本やCDを持参していて、寺内の超絶ギターを日本の「プログレ」とみなしているのかもしれない。となると、「プログレ」は舌を巻く達者な技術が基本にある音楽ということなりそうだが、そうとも限らないことは昨夜書いたニエリエビタさんのCDを紹介する際に発した言葉だ。「プログレを聴き飽きるとフォークに行く」という表現はなかなか含蓄がある。超絶技巧に演奏者も聴き手も疲れると、素直な音楽を求めるのは当然で、NHK-FMのクラシック音楽番組では、交響曲の後に耳直しにピアノ曲の小品がよくかけられた。
●金森幹夫さんの「プログレを聴く会」_d0053294_13264617.jpg 金森さんがこれまで定期的に「プログレを聴く会」を催して来たと筆者は思っていたが、一昨日が初回であった。筆者は郷土玩具の会に出かけているが、年齢的には若い部類に入る。昭和30年代に絶頂期を迎えた郷土玩具はその後収集家の高齢も伴なって、愛好家が激減している。そのため、大阪での会はいつも20人集まるかどうかだ。長年続く会がそれであれば、初めての「プログレの会」にどれほど人が集まるかはおおよそわかるが、広義にプログレを捉えて自分が気に入っている音楽を持ち寄って語り合う場は、未知の音楽を知る絶好の機会だ。「プログレを聴く会」だけに参加した人もわずかにいて、また珍しい映像を紹介する人もあって、金森さんも初めて知ったことがあったのではないか。それはさておき、昨日の朝、金森さんからメールが届いていて、筆者の投稿の間違いを指摘された。早速訂正しておいたが、27日に投稿した面黒楼卍さんの名前が夢野久作の小説『ドグラ・マグラ』に由来することを教えてもらった。その映画化は80年代後半であったか、60歳を前に自殺した関西の有名落語家の桂枝雀が主演した。そのチラシを筆者は持っているが、映画は気になりながら見ていない。また夢野の小説にもまだ縁がない。枝雀の役柄は博士で、そのペンネームが面黒楼万児とのことだ。昨日面黒さんを夜桜にたとえたが、彼女と昼間に対面すれば印象がまた違うだろうか。先日筆者は先に書いた桂在住のレザニモヲ・ファンが住む地域のそばを流れる桂川沿いで、桜の花が咲いているのを見かけた。今日の最初と2枚目がその写真だ。狂い咲きした桜は翌年の春には咲かないが、その代わりその珍しさがあって目立ちやすい。ただし、人は奇異な目で眺め、『ああ、空気を読まずにそそっかしい桜だな』と思う。みんなと一緒に咲かなければ今はいじめの対象になるが、芸術を目指す者はその『みんな一緒』をどこかで嫌悪する。大勢の人に見てもらえるのはありがたいが、その大勢は一気に去ってしまう幻のような存在でもある。そこで表現者は時代を越えて自分に同意してくれる人を夢見るが、生きている間に称えてくれるファンがある程度いないことには、機材その他、活動に出費が嵩む若い音楽家は満足に動けない。なければないでやればいいとはいえ、それは表現する分野にもよる。レザニモヲのサーヤさんが電子マリンバの性能のいいものがほしいとステージで言っていたが、数十万円の札束を出会ったばかりのキャバレーの女にばら撒く男は珍しくなくても、若い表現者に資金を援助する酔狂者は稀だ。またそういう表現者を陰ながら応援する者はだいたい経済的に恵まれない。今は年金暮らしの筆者もそうで、昔から筆者はどのようにして稼いで生きているのかと親類から不思議がられて来たが、口だけの援助すら皆無だ。なければないでやればいいとの思いでやって来たが、それが平常になると苦にならない。
●金森幹夫さんの「プログレを聴く会」_d0053294_13271490.jpg それはもう老境の筆者であるからで、若い表現者は違う。金森さんが武田さんを関西のライヴに招いたことを伝える最初のメールの中で、「武田さんは無名ですので、知人宅に泊まったりなどの貧乏旅行となる予定です」とあった。プロモーターではない金森さんが、それこそどのようにして生活費を稼いでいるのか知らないが、武田さんのために一肌脱いだのであって、若い音楽家の活動を支える思いに感服する。そうした音楽を愛好する者が集まる場所としてライヴハウスがあり、その経営者もいる。さて、筆者はいつFUTUROから出たものかと思案しながら、児玉真吏奈さんが店を出ようとした時、彼女が茨木市の東北に住むと聞いていていたので、一緒に帰れば電車の中で話が出来るかと思いながら、初対面では図々しいと思い直した。その1時間ほど後か、今度はレザニモヲさんが帰る時にも一緒に地下鉄や阪急電車の中で1時間は話せるかと思いながら、腰を上げなかった。帰るきっかけを失ったのは、武田さんともう少し話し合っておく必要を感じたからでもある。またその思いはよい結果をもたらした。それもさておき、店に10時過ぎまでいたことで、『大ザッパ論2』が売れた。「プログレの会」にのみやって来た男性で、自宅の最寄り駅は阪急の高槻と聞いた。彼は本を手に取りながら、「これは大学の教授が書いたものですか」と言った。筆者は著者であることを明かし、また本のちょっとしたこだわりを説明した。彼はその必要のない遊びを大いに面白がり、1冊買うと言ってくれた。筆者は本の黒い扉に77歳のザッパの肖像画を金色のフェルト・ペンで描きながら、彼の名前を書き加えようとすると、それはいいと言われたが、「この本に77歳のザッパの肖像入りのサインをしたのはこの1冊だけで、しかもザッパが毎年開催したハロウィーンの時期ですよ」と宣伝すると、そのレア本ぶりを喜んでもらえた。金森さんは彼のことをネット上で知っていて、一昨日は初めての対面であった。同じ趣味の者はそのようにして出会って行く。彼と一緒に今度こそ阪急電車で帰ろうと思いながら、時計を見ると10時15分だ。高槻までなら最終電車はもっと遅くまであるが、嵐山は桂で乗り換える必要上、最終電車はもっと早い。帰りがけに店長から、「大山さんはご存知ないでしょうけれど、大山さんのことは以前から知っております」と言われた。それならもっと店長と語ったが、また機会があるかもしれない。本を買ってくれた男性はまだ金森さんと話が弾んでいて、筆者は彼を置いたまま外に出た。すると武田さんが飛び出て来て、暗がりの中で筆者を見送ってくれた。プログレでパンク、テクノでザッパ、ノイズでクラシカル、ともかく彼女のコスモス(宇宙)は無数の星たる花が散らばっていて、風に揺れるそれらにただ見惚れる。今日の3,4枚目の写真は先ほど近くの畑で撮った。
●金森幹夫さんの「プログレを聴く会」_d0053294_13274864.jpg

by uuuzen | 2018-10-29 23:59 | ●ライヴハウス瞥見記♪
●児玉真吏奈、「プログレを聴く... >> << ●「武田理沙~フランク・ザッパ...

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