●渡月橋下流側欄干修復、その6
値観の違いがますます開いて行くことを実感した今夜の「風風の湯」であった。サウナ室で筆者は常連のGからふくらはぎを揉まれながら、こう言われた。「こんな柔らかさやったら、4年後に半身不随になって寝た切りになってるで」。



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Gは筆者より2歳上だが、先日Gの頭が真っ黒であることに気づいた。白髪を染めているのだ。若作りは悪いことではないが、筆者は髪は染めない。今後も絶対にしない。筆者の価値観だ。芸能人は顔の皺を伸ばしたり、垂みを引っ張ったり、若作りに余念がないが、そういう不自然な行為が罷り通るのは芸能界が虚飾まみれの不自然であるからだ。家内は白髪が目立ち始めた頃、それをかなり気にして、毎晩鏡を覗き込みながら白髪を抜いていた。やがてそれを徹底すれば丸坊主になることに気づいたのか、白髪に抵抗しなくなった。染めるのは金がかかるうえ、面倒でもある。それで筆者に倣って自然のままを選んだ。年々老いるのは自然で、それを気にすれば切りがない。昔書いたことがあるが、京都府立植物園に薔薇の花を写生しに行った時、紺色のスーツ姿の高名な友禅作家が来ていた。若い女性が一緒で、孫か娘であったのだろう。その友禅作家は当時80半ばであった。花の写生に来たのかと思って筆者はちらちらと盗み見したが、眉間に皺を寄せたまま写生せず、また忙しなくうろつき回っていた。筆者のすぐそばを通りがかった時、艶があって真っ黒な髪がとても印象的であった。友禅作家であるので染めるのは反物だけでいいと思うが、髪を入念に染めて若いつもりでいたかったのか、あるいは人前によく出る立場として、髪を染めることを身だしなみと考えていたのだろう。その姿を見た翌年に亡くなったと思う。最晩年まで花に関心を抱いたことは見上げたものだが、筆者が見た姿はどこか苛ついて不機嫌そのものであった。それはともかく、サイクリングが趣味のGは太いふくらはぎが自慢だが、やはり年齢相応で70歳の体形をしている。年齢は隠せない。裸になればなおさらだ。筆者は1,2歳の差で同世代の年齢を言い当てる。Gはまだまだ若いと思っていて、それはそれで心身の健康を保つうえではいいことだ。1か月ほど前か、Gは「風風の湯」に勤務していた20代半ばの女性にちょっかいを出したことを話してくれた。それを聞いて81歳のMさんは、「それはかいわそうや」と女性の立場になって言い放った。Gは自分の女になれと言ったのだが、冗談であっても驚くほかない。孫の世代の女性と自分が釣り合っていると思うのは、よほど自分が若いと思っているからだが、毎月100万円ほどの小遣いをあげることが出来るのならいざ知らず、またAV女優でもあるまいし、20代半ばの女性が70の男の口車に乗るだろうか。その女性は2年ほど前に辞めたが、Gの言葉に傷ついたかもしれない。
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 筆者はGのような若い女を口説く趣味はない。筆者もそれなりに女性に関心はあるが、ひと回りの年齢差が限界で、それ以上年齢が離れると話が合わない。ひと回り下と言えば55歳だが、そう言えばこれもつい先日「風風の湯」で女性の話になり、上桂から来ているOさんがMさんと筆者の話の中に加わった。Oさんは71歳で、最近ひとり旅を最近した時、女性から声をかけられたという。そしてしばらく一緒に歩きませんかと誘われたそうだが、Oさん曰く、40代ならよかったのに、あいにく年齢はもっともっと上のお婆さんであったそうだ。それでもOさんは見ず知らずの女性としばし時間をともにしたことを喜んでいた。それはいいとして、Oさんが40代の女性がいいと言ったのは、Oさんの年齢では常識的かもしれない。Oさんよりふた回りほど年下ということで、娘世代に相当する。そのように男は何歳になっても女性にそれなりに関心があり、しかもだいたいは若いほどいいと思っている。ところがMさんは女には全く興味がないと言った。Mさんの正確な年齢は知らないが、最近聞いた話では84歳くらいかもしれない。その年齢では興味がなくてあたりまえと言えば、Mさんは若い頃から奥さんのみで満足して来た。というより、女で人生を棒に振った男を何人も見て来たからだ。Mさんが言うには、仕事のよく出来る男ほど女性問題で躓いて失脚して行ったそうだ。仕事が出来る目立つ男は精力も旺盛で、女が自然と近寄って来るとMさんは言っていた。「人生を棒に振った」とは会社を辞めたことだが、辞めた後、落ちぶれて行ったとは限らず、別の会社や世界でもっと伸びたこともあり得る。人間の価値観はさまざまだ。捨てる神あれば拾う神ありで、仕事が出来て女癖のよくない男が好きという女もきっといるだろう。Gは男が女にもてるには金がたっぷりと必要と言うが、そうとも限らない。Gが億万長者であればその金目当てに近寄って来る女がいるだろうが、絶対に嫌と言う女もいる。言い換えれば、どのような男も女も、世界のどこかには心を通わせる異性がいると思っていい。またそうあるべきだ。ただし、70になって20代半ばの女性に肉体関係を前提に迫るのは今ではストーカーによるセクハラとして警察沙汰になる可能性が大であり、若い女性に限らず、筆者から見ても気持ちが悪い行為だ。男の色気が何歳まであるかとなれば、人さまざまだが、70になれば女に対する眼差しの厳しさは最大になっていて、よほど魅力的な女性でなければ親しくなりたいと思わないのではないか。いや、これはもちろん人によって価値観が違う。そして筆者は女性は若いほどいいとは決して思わない。男も女も若い頃は、老いてからとは別の意味で不潔でまた愚かだ。
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 誰でも自分なりの価値観があるが、尊敬する誰かがいるかどうかで人生が大きく違って見えるのではないか。尊敬する人間が金持ちだけで、自分も同じように金持ちになりたいと頑張って来たという男は少なくないどころか、むしろ大多数と思うが、筆者はそういう価値観の人物には何の関心もない。心に何を宿すかで人間の心や顔つきが変わる。その宿すものは誰しもたくさんあるが、筆者が言うのは常に小さく輝いている星のような存在だ。憧れの対象と言ってよい。その人と肩を並べることは無理とわかっていても、少しでも近づきたいという思いが何年も何十年も保たれる。その対象たる人物のファンであり続けると言えばあまりに表現が軽くなるので、畏敬すべき対象と言っておくが、畏敬の念を理解しない者は誰からも畏敬されることはない。もっとも、こんな話は「風風の湯」でしたことがないし、今後もしないが、そうした話で通じ合える人物がいないためというよりも、そういう話をした途端に畏敬している対象が穢れると思うからだ。それはそうと最初の話題に戻ると、Gは筆者が運動嫌いなことを知っている。そして血圧の上がいつも180もあることを知っているので毎日運動することの必要を説くが、時間をどのように使うかは人それぞれの価値観に負っている。筆者が4年後に病床に伏しているとは限らず、逆にGがそうなっていることもあり得る。Gの筋肉自慢はわからないでもないが、人間は筋肉だけがすべてではない。筆者は筋肉作りより、好きな本や音楽、美術に関して頭を使う方を好む。さて、今日は先月27日に撮った写真を載せる。渡月橋が元どおりになるのは来月2日で、もうそろそろ仮設の歩道が撤去される頃かと思うが、昨日は梅津に買いものに行った帰り、従妹宅に立ち寄り、その帰りは車で家まで送ってもらったが、渡月橋をわたっていると、まだ今日の写真のように警備員が張りついて歩道は一方通行になっていた。また今日は家内と一緒にJR嵯峨嵐山駅を歩いて往復したが、相変わらずの様子であった。観光客で混雑しているうえ、明日は野々宮神社を出発して中ノ島まで練り歩く斎宮行列のお祭りがあるが、3枚目の写真の左側に写る狭い仮設の歩道を神輿に乗った斎王がどのような気分で往復するのかと思う。せっかくの年1回のお祭りであるので、欄干が元どおりになった翌日に突貫で仮設歩道撤去工事を行なえばよかったのに、2週間も工期を早く終えることは土建会社や警備員会社との契約で無理ということなのだろう。観光客にはそういう事情はわからないが、地元の人間、またGのように渡月橋をわたって「風風の湯」にやって来る者には、なぜ工事が終わったのに仮設を撤去しないのか腑に落ちない。「どうせ役所のやることは」とえらく批判的だが、そのことに関しては価値観が一緒だ。
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by uuuzen | 2018-10-19 23:59 | ●駅前の変化


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