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●移植された異色なドクダミ
理の行き届きと持ち物の数の関係はだいたい反比例する。そこで断捨離という言葉が流行って、なるべく物を持たないようにする。



それは持っていてもほとんど使わないものが多いこと、保存する空間が少ないこと、また整理が面倒であるからだ。家が広ければいいようなものだが、どの所有物も即座に取り出せるための整理整頓は欠かせない。またそれに要する時間は物の数の多さに比例するから、高齢になるとそのための時間も労力も少なくなり、またそれらを費やすことが惜しくなり、何がどこにあるのかわからなくなって来る。金持ちならば誰かにその整理を任せることも出来るが、自分で整理整頓しなければ所有物が自分のものとは思えず、また好きな時に好きな物を直ちに取り出すことは出来ない。「風風の湯」で最近話すようになったYさんは筆者より2,3歳年長と思うが、骨董が趣味で、そのコレクションのために広い場所が必要となり、現在のマンションに移住したそうだ。また、TVのお宝鑑定の番組にも出たことがあるそうだが、百万円以上の値がついたフランス人形を2体持っているのに、それを納得の行く金額で売却出来ず、さりとて子どもがいないので、これからどう処分したものかと悩んでいるようだ。それはともかく、骨董趣味が高じて広い場所が必要というのはよくある話だが、好きな物に囲まれて生活することが幸福で、なかなかそれらを断捨離する気持ちになれない。昨日の地震では80歳の男性が倒れて来た本棚で圧死したが、それは小学生がブロック塀の下敷きになって死ぬことに似てはいても、高齢であり、また自分が好きで集めた本であるので、本人は諦めもつきやすいだろう。筆者も同じような死に方をする可能性が大で、地震のたびに本棚が倒れることを心配する。昨日書いたように、地震発生と同時に飛び起きて家内の手をつかんで部屋を出たのは、寝ている部屋の両側に箪笥があり、それらが倒れると確実に圧死するからだ。これを書いている3階の仕事部屋では、何かが倒れても安心なところに座っている。物が増えるのは趣味や仕事がらみでは仕方がなく、読書家ならば万単位の数で本を所有するのはあたりまえだが、それだけの本をいつでも取り出せるように整理するのは大変で、また本を読む以外に文章を書くから、本好きが本によって仕事をするには一生はあまりに短い。その点、趣味の読書家は未知の自分好みの本を探し続けるだけであるので気楽であり、また研究者よりも物知りである場合が多いだろう。読書は著者の考えを移植して吟味することで、そのことでその著者の考えがまた別の人に伝達され得ることは、動植物が子孫を残すことに似ているが、本を読むのは人間だけだ。人間として生まれて来たのであれば読書の楽しみを知らねば損で、また何かが欠けているのではないか。ところが本の売り上げが年々減少し、全く読書しない人が増えている。
●移植された異色なドクダミ_d0053294_23315196.jpg
 ドクダミの白い花は比較的長く咲くが、6月が盛りだ。ドクダミが生薬であることは子どもの頃から知っていたが、たくさん咲いているのを見かけたのは京都に来てからで、勤務する染色工房の裏庭にびっしりと繁茂していた。独特の臭いがあり、またハート型の葉の形と相まって、いかにも薬になる雰囲気がある。ほとんど雑草と言ってよく、あちこちでよく見かけるので、適当に摘んで来て乾燥させ、ドクダミ茶を作ろうかと毎年思いながら、作ったためしがない。さて、2年前の6月13日、東近江市のとある人に面会を申し込んで会いに出かけた。そのことは2年前のブログに多少書いた。ひとしきり話をし、用事を済まして帰ろうとした時、奥さんが「この花の名前、ご存知?」と筆者に質問した。ドクダミはよく知っているので、「ドクダミですね。これは八重で珍しいですけど」と言うと、「よく知っておられますね」と多少驚かれた。男性はだいたい植物に関心がないからだが、筆者は平均よりは少し知っている程度で植物通では全くない。奥さんは話を続けて、「この白い花がかわいらしいでしょう。裏で少し引き抜いて来ますから、持って帰りなさい」と、ビニール袋に2、3株を入れて持たせてくれた。帰宅後すぐに裏庭に地植えし、1年経った去年の6月はそれが倍ほどに増えた。そして今年はその数倍に増え、来年は庭の空いている箇所をすべて占領しそうな勢いだ。すでにそうなりつつあるが、緑が増えるのは楽しい。家内は裏庭が今は1年で最もジャングル化して近所迷惑だとうるさいが、その溢れ返る緑を目指して野鳥が飛んで来る。それに最近では毎日決まった時間に大きな白猫がやって来て葉陰で休憩する。ところで、先日の「風風の湯」のサウナ室では常連客のTさんと家の話になった。Tさんは10数年前に出来た大きなマンションの最上階に住み、その眺望がえらくお気に入りである話をまたした。よほど満足しているのだが、マンションの駐車場は狭く、奥さんの車は100メートルほど離れた月極駐車場に停めている。それがほとんど唯一の不満のようだ。筆者は駐車場の土地を2台分所有しているのに車を持っていないことを言い、そして自然と住まいの面積や庭の話に移った。Tさんは筆者の住まいを知っているが、裏に庭があることを知らなかったようで、筆者はその庭に、数えたことはないが、20や30の植物があることを言うと、少し羨ましそうな顔をした。マンションからの眺望もいいが、筆者はそれよりも庭がほしい。そうすれば雀に毎朝餌をやり、さえずりの喜遊曲が堪能出来る。また、裏庭の植物はすべてどのような経緯でそこにあるかを筆者はよく知っていて、半分ほどは自分が植えたものだ。それは自分の人生の思い出が増殖して来た証で、雑草のようなドクダミでも毎日見ているといとおしい。今日の最初の写真は前述の東近江市の家で撮った。2枚目はわが家の裏庭で、撮影は今月7日だ。もちろん今も同じように花は咲いている。
●移植された異色なドクダミ_d0053294_23322280.jpg

by uuuzen | 2018-06-19 23:33 | ●新・嵐山だより
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