●『太陽の塔からみんぱくへ―70年万博収集資料』その2
り色」を尻取り遊びで使っても、子どもはその実態を知らないだろう。尻取りでは「る」と「ル」を区別しないが、「る」にこだわるとなかなか思い浮かばない。



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筆者は昔から「るりかけす」「るしゃなぶつ」「るーちゃんぎょーざ」などを使うが、「るーちゃん」は「ルーちゃん」で、これは商標であるから尻取りで使うのは反則だ。それはともかく、「るり色」「るりかけす」の「瑠璃」に限らず、青色の顔料は自然界で入手しにくく、またとても高価であったため、どの民族の仮面にも青色を多用したものはない。https://uuuzen.exblog.jp/10838659/「その1」で紹介した『変幻する神々 アジアの仮面』には例外的にインドの仮面に顔を青く塗ったものがあるが、これは安価な青の顔料が発明されて以降の人々の趣向のはずで、青い仮面は死者を思わせ、元来作りたいとは思わなかったのではないか。韓国や日本の仮面にも青を使ったものはなく、万博公園の太陽の塔の4つの顔にも青は使われないが、塔の最上部の金色の仮面を支える土台部の斜めの切り口に青が塗られていて、それが空とよく調和している。ひとつの造形作品において青はそれほどに少なくてもよいものだ。そのことを思ってでもないだろうが、本展の会場の壁面は、「その1」の写真からわかるように、仮面の熱いエネルギーがよく伝わるように赤か黒であった。「その1」の2枚目の写真は上が会場となった別館の正面で、下が1階突き当たりの階段を上った2階から正面玄関方向を見下ろして撮った。赤い壁面に飾られるのは韓国の仮面だ。別館は円形で、吹き抜けとなっている1階はその全部の空間、2階は吹き抜けを囲む部分が、それぞれ展示場となっている。「その1」の3,4枚目と今日の1,2枚目は2階で撮った。黒い壁面に縦長の赤く光る線状の照明ごとに区切って地域ごとに仮面が展示されていたが、ブログには展示順で載せている。最初つまり「その1」の3枚目の上は日本の仮面だ。MIHO MUSEUMで開催中の『猿楽と面』に出品されている伎楽や猿楽、能の仮面は含まれず、またそういう仮面を除いてもいかに日本は豊富であるかがこの展示からわかる。小さくてわかりにくいと思うが、右手最上部中央は京都太秦広隆寺の「牛祭り」で使われる紙製の仮面で、今日の3枚目の写真の一番上に並ぶ4つの仮面の右から2番目と同じものだ。この祭りは40年ほど前に再開されたが、その後また開催されなくなった理由は、牛の入手が困難であるからと聞いた。この仮面は吉田神社での節分祭に登場する目が四つの鬼「方相氏」を簡略化して紙で作ったものと似ているが、それは吉田神社で今でも買えるかもしれない。『猿楽と面』の図録では李朝の「方相氏」の仮面が紹介されるが、「方相氏」は日本の「追儺(ついな)」という節分の元になった儀式で使われ、吉田神社が最も有名だ。仮面においても京都は本場と言える。そして京都から近いみんぱくで仮面の宝庫であるアジアやオセアニア、アフリカの仮面を大量に見ることが出来る。
d0053294_00222490.jpg 「その1」の3枚目の写真の下は、左側中央より右が韓国の仮面で、『変幻する神々 アジアの仮面』でも紹介される。4枚目は3枚目の壁面と向かい合ったオセアニアの仮面で、他の国の仮面と同様、本来は衣裳や持ち物とともに見るべきものだが、動きまで含むとなると映像しか方法がない。みんぱくではそういう映像も見られるが、最も豊かな表情を持つのは顔であり、それを様式化した仮面が、それが憑依するものを表わしていると見るべきだ。今日の最初の写真は、左が韓国のもので、『変幻する神々 アジアの仮面』にでも紹介される五広大の獅子だ。右は鰐のようだが、オセアニアのものだろう。背後の壁面は左がインド、右がアフリカだ。2枚目の写真は上左が韓国の続き、上右はボルネオやジャワ、下左がチベット、下右がインドであろう。これらは普段は本館に展示されている。3枚目の写真は入館時にもらったリーフレットの一部で、EEMが集めた他の仮面で本館に展示されているものだが、筆者は今回は本館には行かなかった。EEMが集めた仮面や彫像は、いつどこでいくらで購入したかの記録はあるが、代表的かつ最良の状態のものかどうかはわからない。そのことは会場内のモニター映像からわかった。自費で来日してEEMが購入したものを検分したアメリカ・インディアンの血を引くの研究者の声で、彼らは60年代末期に製作された儀式に使う人形がみんぱくにあることに関心を持ったが、そうした人形は神像であり、部外者には決して見せないもので、展示を否定する。その意思を汲んでみんぱくは、別館2階の来館者が自分の好きな仮面を描くコーナーにおいてさえもその画面で紹介されたインディアンの神像を模して描くことを禁じた。また、彼らは神像を吟味しながら、どの部分が失われているかを指摘していたが、自分たちでも実物を見ることのない60年代末期のそうした神像を本当はEEMに購入してほしくなかったのだろうが、不完全ながらも購入時のまま保存されていることは、当時の神像を研究するうえで大いに役立つ。『変幻する神々 アジアの仮面』の題名が示すように、仮面は神で、儀式に使うものだ。儀式は安寧を祈るもので、外敵に打ち勝つためにたいていは赤い鬼の形相をしている。なまはげを見て幼ない子どもは泣き出すが、今はキャラクター・ブームであり、ウルトラマンその他によって小さな子どもでも仮面や彫像は見慣れている。2階の最後のコーナーでは画用紙に好きな仮面を色鉛筆で描くことが出来た。ボランティアだろうか、年配の男性が勧めてくれたので、また筆者らしかいなかったので、座って描くことにした。薔薇の季節であり、「カラヴァッジョの薔薇花序」を赤一色で描いた。
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by uuuzen | 2018-05-11 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON


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