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●神社の造形―天神宮神社、その4
は「玉が垂れ下がった髪飾り」の意味というが、それは日本では舞妓さんのかんざしに藤の花を模した形の垂れ下がった布製のものが目立つ程度だ。



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一方、中国では色のきれいな石、つまり翡翠などの宝石になるような石を玉と呼んで、それを使った垂れ下がった髪飾りが多いが、古代において玉の文化が日本では中国のように流行しなかったのは、国民性の違いなのかどうか、ほかに理由があるのだろうか。ロジェ・カイヨワの著作『石が書く』には古今東西の珍しい石の図版がたくさん載っていて、その中に中国では石の肌の文様が山水画そっくりであることを面白がって、その石の肌の片隅に小さな文字で書と印章を加えて見立ての山水画としたものがある。同じ考えはヨーロッパにもあって、特別な文様の大理石を風景画の背景として使った、見立てかつ幻想的な石をキャンヴァスとして使った絵画が作られた。日本では菊の花のような文様が表面に出ている菊花石が有名だが、石の模様を楽しむよりは、全体の形を愛でる文化が育ったのではないか。川原で拾った丸い石を、屈む猫や犬に見立ててその絵を描く人がたくさんいることも、石の色より形に目が行くことを表わしている。現在の日本の金持ちは家に大理石をふんだんに使うことを好む傾向があるが、それらは当然ヨーロッパからの輸入のはずで、日本には大理石のような美しい石があまりないことを側面から伝えている。ところで、日本では戦後墓石ブームが到来し、TVでは「墓のないのははかない人生」という文句が流行った。そう言えば一昨日の火曜日、風風の湯のサウナ室で81歳のMさんと、名前を知らないのでAとしておくが、以前にも触れた筆者より2,3歳下の大阪出身の男性と一緒になった。Aは盛んに墓を子孫のために作るべきと主張した。それに対してMさんは墓は不要との意見を譲らなかった。これは墓の面倒を見る子孫がいるかどうかに深く関係したことで、Mさんは子どもを3人もうけたがみな女性で、Mさんが墓を建てても子どもに迷惑がかかるとの思いがある。そしてMさんは生まれ故郷の寺のことを話した。無縁仏の墓石がピラミッドのように何百個と積まれていて、それが年々増えているという。邪魔になるので海に捨てて漁礁にすればどうかとの意見が出ているそうだが、今のところは反対者が多いようだ。筆者はAとMさんの話の間に入って、3、4代前の先祖の顔や名前をほとんどの人は知らず、また気にすることもないことを思えば、墓を建ててもせいぜい3,4代で忘れ去られると意見した。それにはAは口をつぐんだ。Mさんは寺に残っている過去帖で何代も前の先祖のことがわかることは限らず、過去帖が残っていない寺も多いと言った。Aは自分の墓を用意し、今後何代も続いて自分が子孫に崇められるとでも思っているのだろうが、自分の3,4代前が何をしていたかを知らないはずだ。墓を残せば却って子孫が面倒がることもあって、戦後の墓ブームは今後衰退するだろう。
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 京都には墓石屋が目立つ。それらはたいてい提携している寺がある。それは病院と葬儀屋との関係に似ていると思える。石材屋の一番の収入源は墓石だと思うが、神社とつながりのあるところでも玉垣や鳥居の注文はめったにない。そのため、大地震でそれらが倒壊すると石材屋は陰で喜ぶが、墓石の価格からして鳥居は千万単位の費用がかかるはずで、またそうであるからには何百年と持ってもらわねば困る。それはさておき、石材は無限にあるのかどうか、筆者は川で大きな石がいつか小さくなってやがて砂になることをよく想像して、地球上の岩はいつか全部砂になると多少不安に思う。だが最近は、砂になる一方で火山活動によって砂が石や岩になることもあるのではないかと思っている。つまり、墓石が無限に増え続けても、その据える場所が困るのであって、材料の石には事欠かない。さて、本題に入ろう。北白川にあった石材屋はめっきりと減ったと言われているが、戦後の墓ブームでは輸入した石をもっぱら使ったのだろう。そのように聞いたことがある。また日本には中国や韓国にように良質の石がないとも聞いた。何でも日本産にこだわる人は高価でも日本の石材で墓を造るが、輸入ものか国産かの区別が素人につくはずがない。それに、日本産が外国産より品質がいいとは限らない。北白川産であってもそうで、きわめて硬いものから風化に弱いものまである。それは切り出したり、彫ったりする人だけがわかる。だが、墓石屋では高級物と安物を並べていて、確かに高級物は高級に見える。あるいはそれも石材屋の技術で、やはり素人には石の本質はわからないかもしれない。小学校で道徳の授業があった頃は、封建社会が残存しているように見る大人がいたようで、筆者が小学5、6年生の時には道徳の授業が「ホームルーム」という名称に変わり、道徳的なことは教えられなくなった。「仰げば尊し、わが師の恩」と卒業式に歌ったものだが、目上を敬うことは封建主義でけしからんということになって、今は歌わないだろう。それで子どもが親と友だちになって、親に平気でため口をたたき、男女平等であるから女子が男子に向かって男言葉で「お前!」と罵る。墓石は拝むためのもので、仏壇は家の中で墓石の代わりをするが、先祖や親を敬わないのであれが、墓も仏壇も寺も不要だ。今後ますますのそのような日本になって、尊敬や敬愛という言葉が死語になる。そのことを政治家が率先して担っている。さて今日の写真だが、石材の産地にある神社だけに、2枚目は岩を台座に据えている。そこに「月影大明神」と「荒上大明神」と2列に彫られている。この大きな石がその二神を体現するのか、それとも最初の写真と3枚目の朱塗りの玉垣で囲われる何もない土地がそれぞれどちらかの神だろうか。これが調べてもわからない。最初の写真は鳥居の向こうに石で囲った竈のようなものがあるので、これは荒神こと「荒上大明神」だろう。3枚目は塚があって、その上に木が何本か生えているが、何となく「月影大明神」らしい雰囲気がある。
●神社の造形―天神宮神社、その4_d0053294_00045298.jpg

by uuuzen | 2018-04-18 23:59 | ●神社の造形
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