●「武田理沙~フランク・ザッパ・メドレー関西初演」 武田さんと筆者が10月26日、大阪の神山町のALWAYSにて対談します。
●飛び出しボーヤ、その39
地勘がない場所を歩くのは楽しい。旅好きはそうだ。車好きもそうで、土地勘がなくても道路があればどこへでも行きたいだろう。梅津に住む従姉の旦那さんがそうだ。



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車で日本一周をしたいと70代半ばまでは何度も言っていた。それが夢に終わって今は市バスで毎日のように当てもなく出かけている。家にじっとしているのが嫌なのだ。また旅行は金がかかる。ところで、土地勘のない場所を車で走ることは事故に遭う確率が高いのではないか。先ほどのTVで、小学1年生が最も自動車事故に遭いやすく、学年が上がるとともにその確率が下がることを伝えていた。子どもがいきなり道路に飛び出して来ることを運転手に注意を促すために東近江市では「飛び出しボーヤ」の看板が考案された。それを全国的に設置すればいいと思うが、その場所の確保に困る場合が多いのだろう。自転車が人を轢き殺す事故が目立つ昨今なので、自動車であればその何百倍もの人身事故が起こって当然だろう。これは以前に書いたことがあるが、筆者は4歳か5歳の頃に単車に跳ねられ、頭を怪我したことがある。その場所やまた事故に遭った時のことをよく覚えている。まだまだ車は少なく、また筆者が跳ねられた道は車が一台通れるほどの広さで、まためったに車は走らなかった。母が通りの向こうにいて、その通りを横断しようとした時、左手から単車が走って来た。母は「そこにじっとしとりや」と言ったのに、筆者は単車が来る前にわたり切れると思ったのだ。そして単車はブレーキをかけたが筆者にぶつかった。頭から血が流れたが、病院には行かなかった。母は自分や筆者が悪いと思ったのだろう。単車の運転手は後日、きれいな長方形の缶に入ったビスケットを持って来た。缶の裏面にビスケットが原寸大のカラーで印刷してあった。それまでそんな高級な菓子を食べたことがなかったのでそれもよく覚えている。ビスケットは5,6種類あって、イチゴのジャムが小さな穴から覗いているものもあった。頭の傷は中学生になって丸坊主にした時に目立ったが、それほどの傷なのに縫いもせず、当時は怪我を大げさには考えなかった。それでも筆者が小学生になると、車に跳ねられて死ぬ児童がいて、朝礼で校長先生がそのことを報告した時のことをよく記憶する。死んだ女の子を少しは知っていたからで、また命ははかないものと思った。その筆者が60半ばまで生きて来たのは、運がよかったからだろう。注意不足からで自動車に跳ねられることを先生や親、地元の人がそれなりに注意し、また運転手もそうしているのだが、それでも事故が起きるのは、不注意もあるが、運も左右している。その運が自分には恵まれていると自惚れる人はギャンブル狂になりやすいのではないか。筆者はさっぱり運はない。風風の湯で会う81歳のMさんもそうとのことで、これまで一度もくじに当たったことがないと言っていた。そのために病気せずに81歳まで生きて来たのかもしれない。何から何まで運がいいことはないはずで、高額の宝くじに当選する人は、どこかでとても不運に見舞われているはずだ。
d0053294_01390359.jpg 土地勘に話を戻すと、言葉が通じない外国でもひとりで平気で出かける人がたまに男女ともにいる。筆者の知り合いにもいる。筆者は当てのない旅はしない。どちらかと言えば出不精で、そのためか息子はほとんど京都から出たことがなく、また大金を積まれても外国旅行はしたくないと言う。それはひとり旅をしたことがなく、その楽しみを知らないからだが、旅する金があれば酒かギャンブルに使いたいためでもあるだろう。筆者は息子に『他人に迷惑をかけないのであれば、好きなことをして生きてよい』と子どもの頃から言い聞かせて来た。だが、「親の心、子知らず」そのもので、好きなことはほとんど何もなく、強いて言えば酒やギャンブルのようで、生きている間に自分だけの何かを残したいという気概がない。大阪にカジノが出来るそうだが、ギャンブル好きは病人だ。10年ほど前か、今は全くTVに出て来ない有名な男優が、自分のギャンブル好きをTVで自慢していた。裸の美女がそばにいてもギャンブルする方がよいと言っていたが、その発言後に見かけなくなった。ギャンブルで破産したのではないか。そうなってもギャンブル好きが改まらないほどに、ギャンブルに夢中になる。浮浪者になってもギャンブルがしたいというのは、本人にすれば満足な人生で、それこそ好きなことをしていると自慢なのだろう。親兄弟、他人に迷惑をかけないのであればそういう生き方は本人の自由だが、何かの瞬間に、『自分は本当に好きなことだけして生きて来たのか』と自問することがないのだろうか。ギャンブルでわが子が身を滅ぼしたとして、わが子がその姿を親が見た時にどのように悲しむかを想像出来ないとすれば、本当の馬鹿だ。「好きなことをしてよい」の「好きなこと」は、当然仕事のことだ。ギャンブルを本職にする人もあるが、そういうヤクザものになってほしいと思う親はあまりいない。一方、人生は先に何が待っているかわからず、自転車に跳ねられて死ぬ人もある。そのはかなさをギャンブルのスリルが忘れさせてくれるのだろう。それに、生きている自分は運に恵まれているはずで、次の賭けはきっと大勝すると思いたいのだ。そういうギャンブル狂に向こうから突如やって来るかもしれない自動車に衝突しないようにと、「飛び出しボーヤ」的な注意を与えても聞く耳を持たない。また病気であるから、ギャンブルがやめられるどこかの施設に入ればと忠告しても無理だ。ギャンブル好きは金儲けが目的ではなく、賭けに勝つか負けるかのスリルをただ味わいたいのだ。そしてどんなギャンブルでも負ける確率が高いから、最初から勝負はわかっているのに、それでも自分だけは運が強いと思っている。負けが続いても、「もうそろそろ勝つ頃だ」と物事をいいように考える。ホームレスになってもそのような夢を持てるのであればいいが、たぶんほとんどのギャンブル好きはそうだ。
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 歩いていて車に跳ねられる人がある世の中で、不安を抱えれば切りがない。それで少しでも安定を望んで公務員になる人がある。それから言えば筆者は人生そのものがギャンブルだ。かなり格好をつけた言い方かもしれないが、定収入のない生き方であるからにはそうだろう。自由業、自営であることに対して、『やればやっただけ収入があるではないか』と昔ある人から言われたことがあるが、筆者は高収入を目指して仕事をして来たことはない。やりたいことは、「誰も出来ない何かを形で残す」ことだ。そしてそれがギャンブルのようなことであることを知っている。だがすべてが運が左右するのではなく、自分の才能、才覚が占める部分が大きい。今日読んでいた本に、「自ずと世の中に知られるべき人格を持った人物」といった記述があった。江戸時代の話だ。その人は有名になりたいと思って名前が伝わっているのではない。世の中は今もそうであると信じたいが、晩節を汚す人が多い。また晩節に至らない間に世間の晒し物になる人もある。これは昨日のTVに、アメリカの俳優ゲイリー・オールドマンに特殊メイクを施してアカデミー賞をもらった日本人が出ていた。その人は、人(男と言ったかもしれない)の顔は左右対称でないのがよく、年齢や経験を重ねてその左右対称の崩れ具合が見事になる人が素晴らしいと言っていた。これは同じように崩れてはいても、全体として見た時にその人にしかない深い思想が顔に出ているとの意味だ。人間の顔にこだわって仕事して来た人の意見で真実味がある。彼は自分をハリウッドに売り込む時に自らリンカーンに扮して写真を撮った。リンカーンは40を超えた男の顔を重視した。老いて顔の左右対称性がますます崩れ、しかもそれが見るに耐えない無様なものになる可能性が誰にもある。そういう顔の観察を若きパウル・クレーは得意であったようだが、優れた仕事を遺す人はみな個性的で味のある顔をしているかとなると、昔の有名人のポートレートを見ると、たいていはそのように感じる。一方、TVに出る有名人にそのような風格ある顔は皆無で、それどころか内面の醜さがそのまま出ている。そして、無名のごく普通の人でもとてもよい表情を湛えている場合があって、有名や金持ちになる運も才能もないとなれば、目指すはせめてそういう状態だ。不運がいつ横道から飛び出して来るかわからない人生において、大きな賭けに勝ったと言えるのはそういう人ではないか。いろいろと話が飛び出した。今日は久しぶりに「飛び出しボーヤ」の写真を載せる。去年5月9日以来だ。4枚とも一昨年で、最初の写真は10月、松尾橋に近い畑の近く、2枚目は11月1日で上桂の眼科医の前だ。右目が見えなくなった医者に駆け込んだ頃だ。3枚目は11月19日で、茨木にあるみんぱくからの帰り、茨木市役所近くで撮った。4枚目は12月28日で、最初の写真と同様、一昨年の地元小学校のPTAが新調したもので、松尾橋に近い場所だ。
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by uuuzen | 2018-03-22 22:59 | ●新・嵐山だより


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