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●温泉の満印スタンプ・カード、その16
神の均衡を保つ手段のひとつとして温泉はいいだろう。せっかく温泉に行って不愉快なことがあればそれも台無しだが、風風の湯はわが家から近く、また筆者が訪れる時間帯はたいてい空いていて心地よい。



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先日の夕方、家内と嵯峨のとあるスーパー銭湯の脇を通りがかると、駐車場がすべて埋まっていた。200台ほどだと思うが、自転車も停まっていたので、男女合わせて400人は入っている。男女ともに200人ずつとなれば大変な混雑だ。風風の湯では筆者が利用する時間帯で最も多かったのは30名ほどで、それもしばらくすると10人ほどになる。去年の春から昼間は団体客を入れるようになり、夕方には湯がかなり汚れていると受付に抗議する常連客がいるとのことだ。それ以来受付はそのうるさい常連客が来ている間はボタンを操作して湯船に新しい湯を注ぎ入れるようにしたようだ。湯が汚れていると嫌な臭いがするそうだが、筆者はあまり湯の汚れは気にならず、臭いもわからない。ともかく、湯の汚れから何人かの常連は来なくなったそうで、風風の湯としても悩ましいところだ。常に湯を注ぎ入れると湯がオーヴァーフローしてもったないし、また経営が難しくなる。それで客が少ないのが何よりもいいと思う人が常連となっている。前述したスーパー銭湯は金をかけているだけに設備はいいが、芋の子を洗うような混雑ぶりだ。風風の湯は田舎の温泉のようなゆっくり感があり、家内によればそれを味わうために宝塚から電車で片道1時間半もかけて毎週通っている人もある。もっと近い大阪でいくらでも同様の温泉はありそうなものだが、わざわざ嵐山までというのがいいらしい。筆者が利用する理由はまずは近いからで、またほとんどの常連と顔馴染みになり、話すことが面白いからだ。嫌な人を顔を合わせなければならないようになれば、利用する時間帯を変える。さて、今日は嵯峨から来ている70代の常連からサウナ室の中で話しかけられた。筆者の目が充血しているのを見たのか、花粉症かと訊かれた。その人もそうだとのことで、しばし花粉症の話になった。それが一段落して、常連客はみなこの時間帯に来るのかと訊かれた。筆者はもう1時間ほど早ければKさんやYさんと会え、またもう1時間遅ければ別の常連ふたりと会うことも知っているので、時間帯によって来る人は違うと答えた。その人は筆者以外の常連とは親しくないが、常連の顔はよく知っていて、それから性格も判断していることが話しぶりからわかった。また以前聞いたところによると、その人は大津に大きなアパートを持っているなど、かなりの資産家だが、そのことは風風の湯にやって来るのに乗っている自動車からもわかる。だが、裸になれば金持ちか貧乏は関係がなく、話が合えば話すし、何となく虫が好かねば話さない。
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 とはいえ、虫が好かない人と同じ湯船に浸かっていることを意識したくないので、よほどのことがない限り、嫌悪感を抱かないのがよい。筆者がよく話す遅くやって来る常連客が、かかり湯をしないまま、つまり脱衣場から入って来てそのまま大きな湯船に浸かる様子を目の当たりにしたことがあるが、そのこと以来その人とはあまり話さなくなったかと言えばそうでもない。意外な一面を見ても、それはそれとして、深く立ち入った話をしなければいいだけのことだ。これは筆者より1時間ほど早く訪れる常連でめったに会わない70代だが、一度か二度湯船の中で大いに話し合ったことがある。その際、かかり湯をせずに湯船に浸かろうとした20代の若者に対してその人は大声で「おーい、かかり湯をせえよ!」と怒鳴った。すると青年は素直に「はい」と答えてかかり湯の場所に戻った。だが、それは自分の孫のような世代であるからで、同世代では言いにくい。たぶん喧嘩になる。そう言えば筆者は話したことがない70代のある常連は、開けた扉を閉めず、血圧も5回ほど測り直すなど、とにかく態度が悪いが、そのことは顔に滲み出ている。男の顔は履歴書で、どういう心持ちで人生を歩んで来たかが刻印される。だが、前述の嵯峨の資産家は、普段はむっつりとして厳しいのに、筆者が最初に話しかけた時は、表情が一変して柔和になり、同じ人物とは思えないほどであった。そのことで筆者は、年下である筆者から親しげに話しかけることで相手は心を緩めることを学んだ。誰でもではないだろうが、お互い常連で顔を知っていれば、何かのきっかけで親しく話すことを望んでいる。筆者はあまり分け隔てなくそれが出来るようで、またそのことで普段はほとんど誰ともしゃべらないこととの均衡を保っているのだろう。ただし、話題は相手を見てのことで、筆者が大いに関心のあることはほとんど話さない。他愛もない世間話でも話さないよりかはましで、かたつむりのようにのろい速度ではあるが、わずかずつお互いどういう人間であるかがわかって来る。さて、春真っ盛りの好天気の今日、風風の湯の大浴場と露天風呂を隔てる大ガラスはごく微細な湯気がうっすらとついているだけで、いつものように濡らした右手で大きな円をひとつ描いたが、あまり目立たす、10分ほどでほとんど見えなくなった。これから半年はその円を描けない。最後に書いておくと、受付の全員と顔見知りの筆者は、スタンプ・カードに印刷される写真が毎回違うことが楽しみと伝えてあるので、気を利かせてほとんどは初めて見る写真のカードを次回に用意してくれる。この写真はわざわざ撮影しているのではなく、ネットのフリー素材を使っていると以前聞いた。今日受付に回収された満印カードに使われる写真の雪持ちの赤い実が、よく知られる「万両」とは違うので、先ほど何であるかを調べると、同じ写真をフリー素材に見つけた。高山植物で肝木(かんぼく)とのことで、おいしくないので鳥は食べないそうだ。風風の湯とは何の関係もない植物だが、筆者のように同じ写真を望まない常連客がいるとなると、いろんな写真を使う必要がある。
by uuuzen | 2018-03-13 23:59 | ●新・嵐山だより(シリーズ編)
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