酒を飲みながら花見をしたいと自治会のOさんが言ったとこで筆者はOさん宅を後にした。先月27日の月曜日のことだ。その日は数か月ぶりにFさん宅で話し込んだが、その後にOさん宅に向かった。
今週金曜日にMIHO MUSEUMの内覧会があるが、その日家内は実家で月参りがある。日本の仮面が350点ほど出品されるので、Fさんに一緒に行かないかと声をかけたが、仏師のFさんは仮面には今ひとつ関心がない。それで一昨日はふたりの女性に相次いで声をかけたが、あいにくどちらも予定があった。筆者ひとりでもいいが、せっかくに機会なので美術に関心のある人を誘いたい。だが、これまでに筆者の知り合いはほとんど同行した。なるべく初めて訪れる人の方がいいが、美術ファンは少ない。それに金曜日はみな仕事だ。誰がいいかと思っていると、風風の湯でいつも会う81歳のMさんが思いついた。今夜も会ったので、そのことを伝えると、奥さんは珍しく用事があって無理だが、Mさんは予定がないとのことだ。いちおう行くとの返事をもらったが、Mさんは京都駅に出るのにいつもJR嵯峨嵐山まで歩くというから、天気が悪ければそれは無理だろう。Mさんは早々と風風の湯を後にし、今度はTさんがやって来た。天気の話になると、今週末は天気が荒れるとのことだ。金曜日はおそらく雨で、Mさんは当日迎えに行っても行かないと言う可能性が大きい。八条口まで出ると後は送迎バスで美術館まで行ってくれるので、気晴らしに金曜日は筆者ひとりでも行く。Mさんの話ついでに書くと、Mさん夫婦は嵯峨のスーパーに買い物に行くが、往復2時間かかるそうだ。筆者と家内は歩くのが早いのでもっと短くて済むが、15年後はMさん夫婦のようになっているはずだ。またそれは健康であっての話であるから、買い物の時間も大いに楽しむ気分でいなければ損だ。Mさんが嵯峨のとあるスーパーに行くことを知って、筆者はそこから東へ200メートルほどに別のスーパーがあって、そこではMさんが好きな魚を丸一匹単位で売っていると伝えたが、Mさんはそこまで行く体力気力がないと言う。しんどさを我慢してほしいものを選ぶより、しんどくない方を優先させるのだが、それもまた15年後の筆者らの姿かもしれない。さて、今日は3日に家内と嵯峨のスーパーに買い物に行った際に撮った写真を3枚使う。もう1枚あるが、それは半ばシリーズ化している別の題名での投稿で使う。3枚のうち最初の2枚は2,3週間前に存在に気づいた切り株上の小さな人形だ。今グーグルのストリート・ヴューで確認すると、去年7月にはこれはなかった。場所は渡月橋北詰めから東200メートルにある市営駐車場の出口付近だ。この1年以内に誰かが切り株上に人形を接着剤でくっつけた。観光客ではそんな暇はないはずで、この切り株の前をよく通る人の仕業だろう。最初の写真ではひこばえの枝にも人形の衣裳らしきものをくくりつけてある。2枚目は左がNHKのTV番組で馴染みの「はに丸」だ。雨に濡れてもあまり風化しない人形で、これがいつまで同じ状態で切り株上にあるか、今後注目したい。
この市営駐車場の入口付近にトイレがある。最近家内がそこを利用すると、驚愕するほど汚れていたそうだ。あまりのひどさに後から入って来た若い女性は悲鳴を上げていたという。せっかくの名勝嵐山も、そんなに汚れたトイレでは旅の印象が悪い。毎晩掃除しているのかどうかだが、早朝にするのではないだろうか。大勢の観光客が押し寄せる嵐山では1日でひどく汚れる。ところで、嵯峨のスーパーに行くのに、このトイレの前の三条通りではなく、天龍寺前を東に伸びる道を行く場合もあるが、それには渡月橋北詰めから天龍寺前までの観光客で溢れる道を行く必要がある。それを避けたいので三条通りを行く。そしてなるべく車の排気ガスを避けるために、富田渓仙が暮らしていた家の角を北上し、すぐにまた東に入って鹿王院前からスーパーへと向かうが、その東200メートルの別のスーパーを梯子した後、たまに梅津に南下してムーギョとトモイチにも行く。そうして帰宅すると2時間を費やすが、今日の写真を撮った3日は太秦に近い別のスーパーに久しぶりに訪れた。ところがいつものように筆者らしく道に迷い、やや通り過ぎたところで気づいて戻った。帰りは間違えないはずが、目印として記憶していた和菓子店の前に来ると、往路とは違う道を家内が勧め、筆者も自信がないのでその言葉にしたがった。家内はMさんが訪れるスーパーで買い忘れたものがあるので、そこにまた行こうとしたのだが、結局大きく遠回りをしてしまった。どうにかそのスーパーにたどり着き、家内が中に入っている間、筆者は外で待っていたが、西の空の夕焼けが異様に赤い。濃いピンク色だ。家内が出て来て同じ感想を漏らし、ふたりで鹿王院に向かって歩き始めると、筆者は買い物で膨らんだカバンの底からカメラを取り出してその夕焼けを写しておこうと思い立った。その間に家内は筆者からどんどん離れて行く。ところが、食料品で詰まり過ぎて、カメラをなかなか取り出せない。ようやくつかんで撮ったのが今日の3枚目だ。昨日載せた息子がスマホで撮った写真の夕焼けよりもきれいだ。今日は夕焼けつながりで3日に撮った写真を載せることにした。撮影後すぐに家内の姿を追うと、もうとっぷり暮れた中では見えにくいこともあって、姿が確認出来ない。筆者としてはいつもの倍の速度で歩いて家内に追い着こうとしたのに、ようやく家内の姿が小さく見えても距離が縮まらない。どこで追い着くかと先を急ぐと、三条通り沿いの先に書いた市営駐車場近くの信号が赤になっていて、そこで家内が待っているのが見えた。それで小走りで急ぎ、青からまた赤になる寸前に筆者は渡り切った。家内が振り返ったのは、今日の1,2枚目の切り株のある辺りだ。観光客は数えるほどしかいない。日が暮れるととてもさびしい嵐山だ。日が長くなって来たからいいが、真冬であればもっと早い時刻に買い物に出る。それに桂川沿いはとても寒く、川沿いを歩くのが少ない梅津のスーパーに行きがちだ。