●『DWEEZIL ZAPPA & THE OTHERS OF INVENTION―LIVE IN THE MOMENT Ⅱ』その1
会があれば聴いてみようかという程度のザッパ・ファンが多いはずで、息子ドゥイージルの新譜はまだ大ザッパの話題性には及ばないが、音楽性の変化を見たいので筆者は新譜を買っている。



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アルバム『ザンマタ通り』を取り上げたのは2016年6月のことで、その後の新譜が、昨日ネットでCD購入をした本作『LIVE IN THE MOMENT Ⅱ』だ。これの第1作は2012年にイギリスの小さなレコード会社から限定発売された。その感想を書いたのは同年5月のことで、それから5、6年目の第2弾の発売で、手に入るようになったのは去年の半ば頃だろうか。遅くなったが、注文を済ました。ドゥイージルは2012年に『F.O.H.』も同時発売し、それの感想も書いたが、その第2作目はすぐに同じ小さなレコード会社から発売されたのに、買いそびれた。それほどに宣伝が行き届いていなかった。わずかしか作っていなかったようで、もう入手出来ない。ドゥイージルはCDがごく少数しか売れないことを自覚しながら、地道に活動を続けている。ほかにやることがないと言えばそれまでだが、今は父親の時代とは違った聴き方がされ、CDが売れなくなって来た。パソコンで音楽を聴く人が増え、音楽はダウンロードで購入することがあたりまえになる一方、YOUTUBEで無料で映像つきの音楽が楽しめるので、ミュージシャンの新譜が20世紀のようには期待されにくくなっている。そのことをドゥイージルは重々承知で、そういう時代に見合った音楽と、またその提供方法を考えている。音楽で飯を食うことは、ある意味では父の時代より困難になったが、逆に簡単になったこともある。さて、プレッジミュージックはアレックス・ウィンターが行なったキックスターターと同じような仕組みで、ネットを通じて資金提供を募り、その見返りとしていち早く音楽をダウンロード出来るようにする。では、ドゥイージルは何が目的で広く資金を求めているかだが、どうやらアーメットとの間に生じている裁判の費用捻出のためであるらしい。また、この1か月で目標額は達成出来たようだ。だが、新譜の通販購入はまだ受けつけている。筆者は去年12月に新譜をプレッジミュージックから購入しようとしながら、手違いで発注を終えていなかったが、昨日書いたようにそれを無事済ました。すると、即座にメールが届いて、音楽がダウンロード出来るようになった。発注したCDの全体もダウンロード可能と表示され、まだそれを行なっていないが、これは別料金が発生することはないだろう。CDが届くまで2週間はかかり、それまで新譜を楽しめないのは残念なことなので、物としてのCDとは別に、曲とブックレット画像はすぐにパソコンで楽しめるようにしているのだろう。新譜の注文画面は、ダウンロードのみとCDの2種があって、前者は当然後者より割安だ。筆者はCDをクリックしたが、その購入者はダウンロードでも楽しめる仕組みだ。また、それとは別に今日の2枚目の画像にある新曲2曲と、「DINOSAUR」(ダイナソー)という長いギター曲が無条件でダウンロード出来た。これら3曲はかなり毛並みが違い、ドゥイージルの現在の多様性をよく示す。一番意欲的な曲は「DINOSAUR」だが、他の2曲も『ザンマタ通り』に含まれていいようなビートルズ調、ポップ調で、硬軟自在な才能がうかがえる。また、最新の音楽という雰囲気に満ち、それが一番の長所だ。
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 最新の音楽というのは、簡単に言えばポップ性が濃厚という意味だが、6,70年代のポップスはいわば古い音楽であるから、それに学んだような曲が最新の雰囲気があるというのは、矛盾した表現になる。そのため、ドゥイージルは回顧趣味から6,70年代の軽快な、耳馴染むメロディの歌を含む短い曲を書いているのはなく、血となり肉となっているそうした過去に聴いた曲を基礎に、何ものにも囚われずに好き勝手に作曲し、自ら歌っていると言った方がよい。1967年生まれであるので、もう50歳になるが、その年齢では今さら懐かしいポップス風の曲を録音することはもう遅い。頭の中で充分熟したあらゆる音楽から、ようやく好きなように好きな音楽を構成出来るようになったというのがふさわしく、本当の独自性はこれから開花する気がする。ZAPPA PLAYS ZAPPAというバンドによって父の曲をカヴァー演奏することを続けて来たが、それは毎年ドイツで開催されるザッパナーレに出演するカヴァー・バンドと同じと言ってよく、模倣の域を出ない行為だが、ドゥイージルはその地道な行為をある程度長年続けることで父を客観視しようと腹をくくったのであろう。また、その行為の一方で独自性をどう音楽に表現するかは大きな課題だ。ZPZの活動とは別にソロ・アルバムを発売しはして来たが、その音楽性が熟すにはまだ早かった。そうこうしているうちに母親が亡くなり、育った家を手放すと同時に、弟のアーメットとの仲がぎくしゃくし始めたことはよく知られる。その発端はZPZというバンド名を使うには、アーメットが社長をしているザッパ・ファミリー・トラストという会社にいくらか支払うべきといった、親子や兄弟でも規則は規則として適用するという、ドライなビジネスにおける意見の相違だ。ドゥイージルにすれば、音楽活動をしているのは自分のみで、アーメットと同格では割りに合わないという思いがあるだろう。兄弟姉妹だけでは問題はあまり起きなくても、各人が家族を持てば他人が入って来るので、金の問題で揉めることは少なくない。筆者はドゥイージルとアーメットの言い分を詳細に追ってはいないが、ドゥイージルはZPZというバンド名がアーメットの会社にいくらか支払わねば使えないというのであれば、それを放棄して別のバンド名をと考えた。それがDWEEZIL ZAPPA & THE OTHERS OF INVENTIONだ。ここに「ZAPPA」は含まれるが、それはドゥイージルの本名で問題はない。この新しいバンドはZPZと同じと言ってよいが、父と同様、メンバーをよく交代させているようで、またゲスト・ミュージシャンも目立つ。バンド名は変わっても精力的に欧米でコンサートを開き、父と同じようにたくさんの録音がたまっている。本作はギター・ソロのみを1枚のCDにまとめたもので、父のギター・アルバムの息子版だ。
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by uuuzen | 2018-01-20 23:59 | ●新・嵐山だより(特別編)


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