梅の花が咲く頃にザッパの新譜が出る。2か月後のことで、年が開けば間もなくだ。今朝ザッパ・ファミリーからメールが届き、そこに73年9月のロキシーでのライヴを中心とするCD7枚組のボックス・セットの発売を伝えて来た。
価格は60ドルで、送料を含めると1万円は超えるかもしれない。ザッパ・レコードとユニヴァーサル・ミュージックとの共同作品で、日本のアマゾンで予約が始まると思うが、2,3週間待ってもそれがなければ、
今日知らせて来たサイトで予約するしかない。それでは送料がかかり、届くまでに1か月は要するから、日本のアマゾンで予約が始まることを期待したい。それにしても急な発売で、また「母の日」を待たない発売で、今後もこのように発売ラッシュが続くかもしれない。そして、『ハロウィーン 77』のUSBスティックの形式で発売されるかと思っていると、今回はCD7枚組で、また嵩張ることになる。
ザッパ・ファミリーのホームページには各ディスクの収録曲と時間も記されているが、『ハロウィーン 77』のUSBスティックとは違って、ディスクの区切りがよくない。それに、ロキシーのライヴに関してはDVDつきですでに発売があり、今回はそれの基となった全録音の総ざらえで、めぼしい録音がどれほど残っているのか、いささか疑問も感じる。ルース・アンダーウッドはアルバム『ROXY』ですら、ザッパが生きていたならば出さなかったと思っているので、今回の7枚組は評価しないだろう。一方、アーメットにすれば『ROXY』を製作するに当たって、すべてのロキシーの録音を整理し、その大半を商品化しない手はないとの考えだろう。それも理解出来る。せっかく音質もきれいにし、目立った演奏ミスもないのであれば、またザッパが『ロキシー・アンド・エルスウェア』を編集するに当たって、何をどう選択したかをファンに示すには、やはり録音したすべてを提供した方がいいとの思うことは無理もない。それに、海賊盤でさんざん荒らされて来たから、ここで一気にその存在を撲滅するには、まとめて良質な音を発表するのがよい。そして、今回のこのボックス・セットと前回の『ハロウィーン 77』からは、アーメットはザッパの遺した録音をすべてUSBかCDのいずれかの方法で、まとめて売り出す覚悟が見えた。それはビートルズにはない商品で、ザッパの多様性が大量の音源でますます明らかになる。ひょっとすれば、日本公演の4か所の演奏もまとめて発売されるかもしれないとの思いを筆者は抱くが、価格の面からは毎月発売することは無理で、せいぜい半年に1回ではないか。それではいくら早くても10年や20年は要するはずで、ザッパ・ファンは嬉しいやら困惑するやら、振り回される感じがする。カタログ番号は「111」となっていて、『ハロウィーン 77』の3枚組CDのような、全体から選んだ別のCDは『ROXY』に相当するだろう。同映画に使用しなかった映像もたくさん残っているはずで、いずれロキシーの総映像作品も発売されるかもしれない。7枚組CDで60ドルは安いが、日本のアマゾンで予約受付が始まることを期待しておこう。