伊はいいとして、問題はイだ。このブログの冒頭のオレンジ色の文字は、これまで何度か書いたように、以前は青にしていた。使用する文字が以前とだぶらないように、投稿のたびにチェックし、パソコンのメモ帖に保存していた。
そして、初使用の文字がなかなか思いつかなくなって来たので、そのメモ帖にしたがって、また最初から使い始めることにし、色を青からオレンジに変えた。つまり、今後の投稿の冒頭の一字は決まっているのだが、だぶりがないようにして来たつもりであるのに、
先月28日分の投稿の際、イを以前にも使っていたことがわかった。それでその日の冒頭の文字をイではなく、次の文字にしようかとも一瞬考えたが、そのままにした。イは物事の最初で、それが二度使用されてもいいかとの思いだ。それはさておき、冒頭の文字が青色であった時と今のオレンジ色とでは、少し違っているところがある。メモ帖に記している表にしたがって順に使っているのは同じでも、去年から筆者は投稿が滞ることが多く、後日気が向いた時に過去の日の投稿をする。その時、冒頭の一字はメモ帖に並んでいる順に使っている。つまり、メモ帖の冒頭の一字表とブログの投稿を比べると、筆者の投稿順が確かめられる。それはさておき、青文字時代はメモ帖に記録されている文字順に使ったのに、オレンジ色ではそうなっていないことは、それなりに人生は先に何が起こるかわからないことの一例だ。思うようにならないと言い換えてもよい。それはなかなか癪なことだが、あきらめることも大事なことを誰でも学ぶ。筆者は毎日のように何かをあきらめていると言ってよいが、あきらめてもまた新たな欲望が湧くので、あまり気を病むことはない。そう言えば先日投稿した『FRANK TALK』というザッパ関係者へのインタヴュー本に、最晩年のザッパがほとんど聞こえない声で、カメラに向かって、「わたしは後悔しない」と語ったことが書かれていた。52や3というまだ若い年齢で、もうすぐ死ぬことがわかっていて、しかもそういう言葉を吐くことはどう考えるべきか。平均寿命を超えて生きながら、まだ生きたいと末期癌の病床であらゆる処置を求め、全身管だらけになりながら千数百万円の治療費を支払う患者がいることを先日ネットで読んだが、そういう人は元気でいた時に精いっぱい生きているという実感がなかったのではないか。人生、イの一番に大事なことは、毎日満足し、しかも後悔しないことだ。
今日は数日前の天気予報によれば台風5号が去って午後から晴れるとあった。そのとおりの天気になり、わが家の近くで満月の写真を心配なく撮影することが出来た。昨日は台風の雨風が強く、筆者が座っている場所は27度くらいに下がって、過ごしやすかった。その一方、筆者は早朝と夕方に決まって鳴く裏庭の蝉たちのことを思い、1週間かそこらしか生きられないのに、何と運が悪く、葉陰で雨宿りしなければならない境遇を哀れんだ。それでも、風雨が少し弱くなると、鳴き始めるのがいる。雌を見つけて子孫を残そうと必死だ。その役割が終わるとさっさと地表に落下するが、人間と違って何と潔いことか。蝉には老醜はない。元気に鳴き続け、体力が衰えるとその音が小さくなり、そして地面にポトリだ。人間も同じようなものとはいえ、毎年暑い、寒いと思うことを繰り返しつつ、欲はいっこうに減少しない。それでも筆者は今年は欲を少しだけ減らした。ビールを飲まなくなったことだ。太ることが嫌であるからでもあるが、風風の湯から戻った時、冷えたビールを飲む快感を我慢することにした。冷えたお茶で充分で、またたくさん買い込んであるリキュールの古酒をいろんなカクテルにして少しだけ飲む。アルコールをあきらめたのではないので、偉そうなことは言えないが、常識的な快感を疑ってみることにした。真夏に冷えたビールがなくても過ごせるのであれば、次に何をやめるように自分に課するか。そうそう、妹の家まで自転車で走った時、筆者が自宅では寝る時に1時間だけクーラーを入れると言うと、みんなに驚かれた。28度を超える気温であるのにクーラーを使わないことは常識から外れているというのが世間一般の考えだ。だが、夏は暑いのがあたりまえ、すぐに秋風が吹くと思っている筆者はクーラーなしでも平気だ。一方では老人は高温を感じることが鈍くなっているので、暑さを我慢している間に熱中症で死ぬことがあるようだが、それは元々もういつ死んでもいい年齢ないし健康状態であろう。つまり、死ぬべき人が死ぬ。そう言えば、風風の湯で最近話をするようになったMさんは、わが自治会のマンションに去年引っ越して来られたが、年齢は81歳だ。それで本人はもう4,5年でお陀仏になると冗談を飛ばすが、確かに81歳に見えながらもとても元気で愉快な人で、またMさんも筆者に会うことを幾分楽しみにしておられるようだ。そこでふと筆者は思った。4,5年先にMさんの姿を見かけなくなった時は、亡くなられたと思えばよいが、年齢順にあの世に行くとは限らない。夏は暑い暑いと言いながら汗をかき、満月を美しいと愛で、やるべきことをやって後悔しないこと。