OH!MY GODと叫ぶほどの驚きはないが、無事届いたのは喜ばしい。3月15日に発送したとの連絡があったアレックス・ウィンターのキックスターターを使った資金援助の見返り品が今日届いたが、2週間ほどというのは早い方か。
ドイツの郵便局から発送されているので、首をかしげるが、ドイツのザッパ・ファンにアレックスは手伝ってほしいと依頼したのかもしれない。縦横高さが30センチほどの段ボール箱入りだが、とても軽く、中身は3分の1ほどの容積しか占めていない。ほとんど期待していなかったグッズなので、第一印象は「まあこんなものだろう」だ。アレックスが製作中のドキュメンタリー映像と、またそれと同時に仕上がるのかどうか、本もあるはずで、それらはいつ届けられるのかわからない。それに追加の支援を求める可能性が大きい。それはさておき、キックスターターという仕組みはほかに類似のものがあるのかどうか、何かやりたい夢がある場合はなかなか有効的な手段で、筆者もやってみようかなと思わないこともない。筆者のやりたいことは展覧会だが、その会場費などを捻出するために広く支援を募る。そして支援者への見返りの品は図録やまた作品だが、赤字が出ないのであれば言うことなしで、儲けるつもりがあっては成功しないだろう。だが、ある程度の有名人で、しかも企画がみんなに歓迎されるものでなければならない。それに、支援金が中途半端に集まればその後の対処をどうするかの問題がある。アレックスの今回の企画はほとんど希望額に近い資金が集まったので、グッズも届けられたが、これが半額くらいであればどうなっていたのかと思う。締め切り期間を延長したか、あるいは企画を中止したかだが、中止すれば支援者の中から金を返せと言う人も出て来るかもしれない。日本では他人のふんどしで相撲をとるという表現があるが、キックスターターはそれと同じと言ってよく、日本からは生まれないアイデアであろう。ネット社会になって日米の若者の意識が縮まったのかそうでないのかは知らないが、キックスターターはネット時代が生んだ合理的な資金集めの方法で、夢見る者を少しでも支援してその夢の実現を一緒になって見ることを欲する若者は日米でそう変わらないのかもしれない。
さて、先ほど送られて来たグッズの写真を全部撮ったが、たくさんあるので投稿を2回に分ける必要がありそうだ。だが書くべきことはほとんどないので、こうして書き進みながら、さてどうしたものかと悩む。まず、アレックス側は支援金に応じた送ることの出来るグッズのリストを提示して来たが、以前書いたように筆者はポスターはかさばるので、その送料を考えて辞退した。今日届いた段ボール箱の大きさからすれば、そのポスターは8つに折りたためば入ったと思える。そして送料は同じであったに違いない。そう思うとポスターも同梱してもらった方がよかったかもと思わないでもないが、ポスターはなかなか邪魔なもので、あっても丸めたままで長年そのままになる。また、ポスターは丸めて発送するのが常識と筆者は思っているが、アレックス側はそうは思っていなかったかもしれない。ま、いずれにせよ、そのポスターのデザインは今回の企画のネット画面に使われたザッパの70年代前半の顔写真を多少加工したもので、飾っておきたいものでもない。それに、そのポスターと同じザッパの顔はグッズのTシャツのデザインにも使われている。このTシャツはビニール袋に入れられていて、その封を切らずに写真を撮った。今日の最初の写真がそれだ。右手に見える紙の束は、段ボール箱の外側にビニール袋入りで貼りつけられていた内容証明で、内容として「ミステリーバッグ」、「ザッパ・ステッカー―3デザイン」、「シャツ―公式キャンペーンシャツ(ユニセックス)」の3行が印刷されている。送料は支援者持ちで、いくら請求されたのか覚えていないが、予想よりかなり安かった。だが、「商品請求書」には、「申告価格」が3ドル、つまり前述の3つのアイテムの合計金額が3ドルとしてある。次に「送料」が何と80ドル9セントで、これがOH! MY GODと叫びたくなるほど高い。筆者はそんなに請求されていないが、後で追加請求があるのだろうか。8000円もするのであれば、グッズはほしくないと返答したかもしれない。だが、箱は大きいが、重さはあっても1キロ53グラムで、これでは8000円もしないだろう。
届いたグッズを見て連想したのは、かつてのザッパ・ユニヴァースのコンサートに際してカル・シェンケルが作った印刷物だ。それは茶封筒に収められ、中身はサイズが不揃いなさまざまな印刷物であった。アレックスはそれを参考にしたのではないだろうか。あるいはカルにどういうグッズをどういう形で作ればいいか相談したのであろう。ザッパ・ユニヴァースでのそのカルが作った印刷物の袋は、その後筆者はほとんど中を確認せずにそのままになっていて、今回のアレックスからのグッズも同じ運命をたどりそうな気がしている。それはともかく、筆者と同じ3万円を支援した人は筆者と全く同じ内容のグッズかと言えば、筆者にはそれを確認するすべがない。それでグッズの全部を撮影して紹介するが、前述の3つの内容物だけかと言えば、そうではなく、2枚目の写真にあるように、カセットとCD,それにDVDの3点が入っていた。どれもザッパ・ファンならよく知っている音源や映像で、筆者はカセット以外は所有している。この3点のうちひとつでも支援者のみに提供される未公開のものであれば、もうそれだけで支援した価値が充分にあるが、これら3点はザッパ家にたくさんあまっているものを適当に選んで詰めたという雰囲気がある。1万円の人にはないと思うが、3万円は前述の3つのグッズのみでは申し訳ないので、市場で売られている商品をおまけとしてつけようとしたのであろう。「申告価格」が3ドルでは、これらのカセットやCD、DVDは価格ゼロ、つまりおまけと考えるしかない。このDVDは、筆者は同じものを2枚持っているし、CD『BAFFALO』もBARFKO-SWILLから何年か前に買ったので、必要がない。それに、BARFKO-SWILLから購入するしかないものであればまだしも、このアルバムはその他のザッパ没後アルバムとともに、ユニヴァーサル・ミュージックが4月発売の予定で、アマゾンでは予約を受けつけている。しかもその価格は、BARFKO-SWILLで買った時の3分の1ほどの安さだ。だが、ユニヴァーサル・ミュージックのロゴなどがどこかに印刷されると思うので、コレクターは今後BARFKO盤とユニヴァーサル盤を区別し、前者の市場価値が上がるかもしれない。筆者はコレクターではないのでそういう細かいことはどうでもいいが、今回は機会であったので、コレクターの心をくすぐる特製のレコードがあってもよかった。だが、それにはアーメットを説き伏せる必要があったはずで、またアーメットはそこまでアレックスの今回の企画を重視していないだろう。