未然に防ぎたいのは山々だが、忙しさと無精にかまけて危機に遭遇することがある。そんな不安を抱えながら誰しも生活していると思うが、それでTVではやたら保険の宣伝が多い。
本当にそうで、保険か美容、健康に関するコマーシャルばかりと言ってよい。TV番組はたいては芸能人がおいしいものを食べて、「うまい!」と発し、面白い番組がほとんどない。YOUTUBEファンが増え、それに反比例してTVが面白くなくなって来ているのだろう。やがてTVも新聞と同じ運命をたどってこの世から消えるかもしれない。それはさておき、今日は昨日の続きを書く。冬場は週に3回ほどは風風の湯に行くので、スタンプ・カードが1か月ほどで満印になる。満印になれば新しいカードを手わたされるが、その際、無料招待券が2枚もらえる。それで数えてみると、20枚近くが手元に集まっている。それに最近はまた新しいサービスが始まり、半額券をもらえる日が月に3回ほどある。それに、今日は2回目の経験であったが、料金を支払うと受付でサイコロを振らせるサービスが始まった。2個の目の合計が奇数であれば、半額入湯券が1枚もらえる。ゾロ目の場合は無料招待券1枚で、前回すなわちこのサービスが始まった最初の日は、筆者は奇数、家内はゾロ目が出た。そして昨日はまた筆者は奇数で家内はゾロ目で、そのことを家内は自分は欲がないからだと言う。ゾロ目になる確率は少ないようだが、実際は6回振って1回は出る。つまり、6人にひとりはもらえるから、かなりのサービスだ。そこまでして来てもらいたいのは、同じように湯を沸かしているので、何人入っても同じで、入れば入るだけ儲けが出るとの考えだ。それでも時間帯によれば、わずか数名ということは珍しくない。筆者らは必ず午後6時から6時半までの間に行くが、7時半頃までは若者でいっぱいでも、それを過ぎるとさっと人気が少なくなる。そして8時半頃からは今度は老人がたくさんやって来るようだ。また、この温泉は今年に入ってからか、昼間に団体客を入れるようになった。旅行会社とタイアップしているのだろう。多い日は100人は入るはずだが、そういう日は、夕方にはどの湯船もうっすらと濁っている。それが嫌なので午後の早めに訪れると、今度は団体客に巻き込まれるので、悪く言えばこの温泉の湯の質は落ちて来ている。それでも去年中旬は珍しく1日休みがあって、あちこち修繕など、手直しをし、湯の汚れを除去する装置も新しくなったようで、昼間の団体客による湯の汚れはかなり短時間で取り除けるようになったと、たまにサウナで出会う人から聞いた。ま、出来て3年で、これから長年経営して行く温泉であるから、湯だけではなく、設備のあちこちの汚れや老朽化は早々に手入れしてほしいが、前述した去年12月中旬の営業休みの日に生じたのか、筆者が毎回円相を描く湯気に曇る大ガラスは、手の届かない上方に枝垂れ柳の枝風の垂れた鋭い線が、光の具合で何本かがよく見える。それはおそらくそのガラスをきれいにするために使ったモップの金具で擦って傷つけたもので、清掃によって却って状態を悪化させた一例だ。同様のことはほかにもあるが、清掃人が急いだか、雑であったということだ。
先日のTVで、老いたので温泉が恋しくなり、沖縄から温泉が間近な土地に転居した人が出ていた。その点で筆者は普段着のまま歩いて行けるところに温泉があるので、便利を感謝すべきだろう。これがたとえばもう500メートルほど離れたところに住んでいれば、面倒くさがり屋の筆者は利用していないかもしれない。元来風呂が嫌いな筆者で。それが週に2,3回行くのは、入った後が気持ちいいからで、また終日部屋にこもったままの生活では、温泉に行くことは重要な散歩と気晴らしになっているからだ。それほどに出歩かず、1週間で歩数が1000歩に及ばないのではないか。寒い頃は梅津のスーパーに行くのも億劫で、今では週に1,2回がいいところだ。そんなに運動不足では健康にいいはずがなく、その状態を調べる道具として、風風の湯に血圧計があり、毎回入湯前に家内ともども計測するが、その筆者の数値を見て、家内はいつも心配顔になる。血圧がどれくらいであれば高いのか、それも筆者には関心がないが、とにかく非常に高いのは間違いなく、このままではどこかでばたんと倒れてそのまま死ぬか、半身不随になる可能性が大きいらしい。2年ほど前はそれほどでもなかったのに、温泉でサウナによく入るようになってから血圧が上昇したように思う。サウナは自殺好意だと最近誰かが言っていたが、熱い中での我慢大会は確かにそうかもしれない。一方、筆者は癪に障ることがいろいろとあり、それも原因と思っている。だが、癪に障ることで血圧が上昇し、健康を損ねては全くの大損で、癪に障ることは一時も早く忘れるに限る。それがなかなか出来ないとなれば、まだまだ人生の未熟者で、修行が足りず、温泉の大ガラスに円を描く際にもっと念を入れる必要がある。そんなことを考えながらも筆者も確実に老人の仲間入りをしていて、温泉はかくて老人の暇つぶしの場となっている。浴場とあまり変わらない大きさの畳敷きの広間があって、そこではTVやテーブル、漫画、新聞、全身や両足をもみほぐす機器などがある。早めに出ればそこで待つが、たいていは5分ほどで、筆者らはほとんど利用しない。また、常連もそうだろう。週1回は生ビールが半額になるので、そんな日にはその広間でじっくりくつろぐのもいいが、家が近いので一時も早く帰ろうということになる。大正筝の演奏や野菜の販売といったことも以前はたまにしていたが、それで客が多くならなかったようで、新たなサービスを考え、一方では雑誌に広告を出し、あるいは団体客を連日入れるなど、営業は活発だ。昨日はサイコロを振った直後、「ほんの気持ちです」と言いながら、男性客のみのバレンタイン・デーのプレゼントがもらえた。帰宅して封を開けると、5個の小さなチョコレートが入っていた。ないよりはましはプレゼントで、また筆者はもう何年もバレンタインのチョコレートには無縁で、ほんのチョコッとの気持ちに対してほんのチョコッとの気持ちを書いておこうかと思った。