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●初めて入る松尾大社駅前の喫茶店
のように話をつなげるつもりではないが、今日は昨日出かけた松尾大社境内での亀の市の帰りに入った喫茶店について書く。先ほどネットで調べると「食べログ」に紹介されている。



星は3つだが、それは普通という意味だ。阪急の「松尾」駅は「松尾大社」という名前に2,3年前に変わったが、去年からバリア・フリーの工事を嵐山駅、松尾大社駅、上桂駅の3つで同時進行し、現在完成していない。今日の2枚目の写真からは、喫茶店のガラス扉の向こうに松尾大社駅の改札口が見え、工事用の塀などで覆われている様子がわかる。どのように改装されるかだが、最大の変化は、梅津方面つまり松尾橋東詰めから東方面に住む人たちがこの駅を利用する時に踏切をわたらずに桂方面行きのプラットフォームが利用出来ることだ。現在工事は未完成なので、梅津方面の学生やサラリーマンがこの駅から河原町や大阪方面に向かう場合、踏切をわたって、ひとつしかない改札口を入って地下道をくぐり、河原町・大阪方面のプラットフォームに行く必要がある。この駅の利用者は圧倒的に梅津方面の人が多い。それらの人の便宜を考えれば、なぜこれまで改札口が梅津側つまり踏切の手前に出来なかったのかと思うが、阪急とすれば工事の優先順位は低かったのだろう。それは利用客数から判断されるはずだ。松尾橋東詰めには3年ほど前に大きなマンションがいくつか建ち、電車を利用する学生や通勤客が増加したはずで、それで新たな改札口を設けようということになったのだろう。住民の要望もあったかもしれない。遅刻を恐れる人が電車が迫る中、踏切を越え、事故に遭うことはままある。そういうことを防ぐためにも踏切の両側に改札を設けるべきだろう。上桂駅では改札口は河原町と大阪方面側にあるが、今回の一連の工事によって、嵐山方面のプラットフォームにも改札が出来るかと言えば、あまり注意して見ていないが、それはなさそうな気がする。そのための場所がないだろう。それはさておき、松尾大社駅はその名のとおり松尾大社がすぐ近くにあるのに店はとても少ない。その点は上桂と大きく異なるが、人口が少ないからだ。大社周辺に民家はあっても、すぐ背後に山が迫り、店を経営しても儲からない。これまで駅近くにいろんな店があったのにほぼみな廃業し、空家になるか、取り壊されて新たな家が建つ。そんな状態であるから、先日書いたように、学区内にスーパーが1軒もない。3軒あった頃はまだ町は若かったが、高齢化が進んで町並みは灰色っぽくなって来ている。
 松尾大社駅改札の真正面に昔から「橙(だいだい)」という果物店とその隣りにプルーンという喫茶店がある。筆者が梅津に住むようになった30数年前からあったが、「橙」は数年前になくなり、代わって去年の秋にパン屋が出来た。自治連合会副会長のHさんから聞いたが、「橙」の経営者の子どもがパン屋を開いた。その初日に筆者はクロワサンを買いに行き、店前に並べられた記念の花の写真を撮った。パンが好きなHさんは地元つまり嵐山東学区にパン屋が出来たことをとても喜び、筆者と同様、初日に買いに出かけた。それはさておき、Hさんはプルーンにもよく通っているそうで、主の女性とは仲がいいらしい。その話を聞いたのが、パン屋がオープンする少し前のことだ。その頃から筆者はプルーンに一度入ってみようと思い始めた。この店は踏切の手前にあって、カウンター席しかなく、またいつ通りがかっても常連らしき中高年が数人いて、なかなか入りにくい印象があった。この店の前を通らねば梅津には行けないこともあって、これまで何千回と店の前を通っているが、利用したことがあるのは30年近く前に一度だけで、しかもその時は店の中に入らず、店前の窓からアイスクリームをひとつ買った。息子を自転車に載せて梅津に行った帰りで、息子のために買ったのだが、まだ2歳かそこらで、自転車の後方に座って片手でアイスクリームを持って食べながら、もう片手でサドルをつかむことが出来なかった。実際は片手でアイスクリームを持ち、片手でサドルをつかんでいたのだが、揺れる自転車に息子はアイスクリームに口を寄せる気になれなかった。それで家に着くまでの間にアイスクリームが溶けてコーンから外れ、地面に落ちた。コーンの中にはほとんど残っておらず、息子は「アイスクリン、ぼちゃっと落ちた」という言葉だけを連発した。その話を家内に伝えると、なぜ買った後、どこかに座って食べさせなかったのかと言われた。だが、店の前にそんな場所はない。炎天下で親子でしゃがむには公園しかないが、それはプルーンの近く、松尾橋の下にあって、そこでゆっくりしようという発想は筆者になかった。アイスクリームに顔を近づければいいだけのことで、てっきりサドルの後ろ側で息子は食べると思っていたが、なぜ食べなかったのか、今も不思議だ。
●初めて入る松尾大社駅前の喫茶店_d0053294_1341054.jpg
 プルーンの店先に写真入りのメニューがあり、モーニング・サービスが500円で、朝だけではなく、終日利用可とある。コーヒーにゆで卵、トーストに、果物を数種使ったサラダで、以前「橙」を経営していたこともあって果物は豊富だ。店内でも数種の果物を売っていたが、この駅前の大きな建物が果物屋として経営が成り立たなくなって来たのは、大型スーパーが進出したことにもよる。また、喫茶店も難しい時代で、松尾橋のすぐ上流、右岸に2,3の喫茶店やレストランがあったのにみな数年から10年近く前に廃業した。そのことをプルーンの店主に言うと、喫茶店はもう商売にならないとの返事であった。ならばプルーンもかとなるが、常連がいることと、また狭い店で、自分の店舗でもあって、安価なメニューでもどうにか経営出来るのだろう。あるいは赤字かもしれない。20分ほど店内にいたが、途中で若い女性がひとり入って来て、エプロンをして洗い物を始めた。アルバイトのようだ。店主にいつから店を始めたのかと訊ねると、50数年と言われた。家内がすかさず計算し、万博の年ですねと言うと、そうだとの返事があった。筆者らが京都に来るもっと以前からある店で、店主の年齢がわかりそうだが、高齢のために店を閉めることになれば、誰か変わって営業を続けられるだろうか。儲からなければその可能性は低い。どの駅前にも1軒くらいは喫茶店があるもので、たぶん代が変わってもプルーンはなくならないのではないか。650円のランチはカレーとコーヒーとサラダで、家内はそのカレーを店内で作っているのかと質問した。すると、コーヒー専門店が作るレトルトのカレーを分けてもらっているとのことだ。それはそれでおいしいのだろうと家内は帰り道で筆者に言い、次はそのセットを頼もうということになった。嵐山東学区に住んで初めて入り、地元住民ですらそれでは、喫茶店の経営が難しいことはあたりまえかもしれない。今ではコンビニで100円でコーヒーが飲める。それに若者は喫茶店をあまり利用しないらしい。談笑が苦手なのかもしれない。筆者は喫茶店は好きだが、家内と河原町や京都駅に出た時に利用するのはもっぱらドトールというチェーン店で、そこにもコンビや大型チェーン店全盛時代が反映している。プルーンのコーヒーは最後に澱が少し残ったが、わが家の安物のコーヒーと違って香りも味もよかった。ただし税込みで500円では味にうるさい人には物足りないか。それで食べログでも星が3つなのかもしれない。プルーンを中心に別の1軒を除いて半径2キロ以内に喫茶店はないと言ってよく、健闘してほしいものだ。
●初めて入る松尾大社駅前の喫茶店_d0053294_1343238.jpg

by uuuzen | 2017-01-23 23:59 | ●新・嵐山だより
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