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●京都府立総合資料館、その2
が近くにあれば毎日でも通うのにと家内に言うと、来春に移転が予定されている総合資料館の真ん前に、古い民家が何軒かあって、家内はそのうちの一軒にでも引っ越しすればどうかと言う。



●京都府立総合資料館、その2_d0053294_2263789.jpg

なるほどと思うが、そこに住めば近くにスーパーはなく、買い物難民になりそうだ。わが家から総合資料館に行くのは市バスで1時間少しかかる。それに府立大学前のバス停で下りて、北に10分ほど歩かねばならない。そのルートが昔から慣れているが、帰りは総合資料館から北西50メートルのところの北山通り沿いにあるバス停から乗ることも多い。そこからは東へ向かい、洛北高校から南下して下鴨神社前に出るが、それとは別のルートを走る2路線もある。バス停まで50メートルは魅力なので、そこから乗るのだが、バスは少し遠回りをするので、本当はまた北大路通りの府立大学前のバス停に戻るのがよい。バスの本数もその方が多いように思う。来春オープンする新総合資料館は昨日書いたように、北山通りと北大路通りの中間点にあるので、北山通り沿いのバス停から乗ることはもうないと思う。そのような話を自治会のOさんに以前すると、Oさんは不思議そうな顔をした。地下鉄を使えば四条烏丸からはすぐに総合資料館の玄関のすぐ近くに出られるからだ。なるほどと筆者は思い出したが、それではわが家からは阪急電車と地下鉄代で往復1000円ほどかかる。市バスの1日乗り放題は500円であるから、総合資料館だけ行くなら倍の運賃で済むが、そのほかあちこちついでに行くので、また1日乗車券を買うから、結局3倍ということになる。これはもったいない。総合資料館への調べものはたいてい筆者ひとりで出かけたが、たまに家内も一緒に行くので、そうなると交通費だけで3000円で、これに食事代や喫茶代、母の家に立ち寄る場合は土産代と、1万円の出費になる。なるべく使わないで済む交通費は浮かせたい。わが家では交通費の出費がかなり多いからだ。さてどうでもいいことを書いたが、今日はもう中に入ることが出来なくなった総合資料館の思い出を書いておく。
●京都府立総合資料館、その2_d0053294_227151.jpg

 これは前にも書いたことがあると思う。筆者が総合資料館に初めて行ったのは、京都に出て友禅を学び始めた時の師匠に連れて行ってもらってのことだ。その経験が数回ある。その中の一回で、同館での伏見人形の展示を見たこともあるが、出かけたのはいつも染織作家協会展の鑑賞だ。師匠はそれに出品はしていなかったが、師匠の知り合いの多くがキモノを出品していて、それを見に連れて行ってもらった。その展示室は同館の企画展に使われていたが、染織作家協会は何かのつてを頼って借りることが出来ていたのだろう。やがて同展は別の会場を使うことになり、その頃には筆者は常連として出品していた。師匠に最初に連れて行ってもらってから数年後のことだ。その頃は師匠のもとを去っていたが、筆者がその師匠に技術を教わったことはみんな知っていた。その師匠から離れてある染色工房に入社し、そこで働き始めて半年ほど経った頃、主宰者が別の投資者と険悪な仲になり、工房を去ってしまった。それで新入りであったにもかかわらず、筆者がその工房を任された。ほかに適任者がいなかったのだ。もちろん筆者はまだまだ素人っぽく、数人を抱えて仕事を運営する能力には欠けたが、どうにかそれをこなし、自分の思いどおりの仕事を増やして行った。そういうある日、新聞で総合資料で、長年フィレンツェで絵の勉強をして来た男性画家の講演があることを知った。その画家はシモーネ・マルティーニの「受胎告知」を模写し、その原物を講演会場の檀上に広げていた。それが見たかったのだ。その模写が今はどこにあるのか知らないが、金ピカの絵はなかなか印象深く、実物を見た気になった。その講演に行くのに、工房の営業とアルバイトを除いた全員を連れて行った。全員といっても筆者を含めて6名だ。その日、梅津から市バスに乗り、府立大学前のバス停で降りて歩いた。往復とも水路のある西側の歩道を歩いた。水路を覗くと、シラサギが一羽そこにいた。その道は、その後も筆者が総合資料館に行く時に必ず歩き、当然11日も家内と歩いたが、西側の道は暗い印象があり、近年は東側の歩道を歩いて来た。総合資料館は西側にあるので、どこかでその道を横切る必要があるが、それはだいたいいつも府立大学前の少し手前か少し先だ。車は普段からあまり走らないので、信号のある交差点でわたる必要はあまりない。
●京都府立総合資料館、その2_d0053294_227234.jpg 80年代前半頃とほとんど変わっていないその道は、筆者にとっては京都に出て来て間もなく師匠と何度か歩き、その後は調べもので100回は通ったのではないか。南北を貫くその道は、真っ直ぐで見通しがよいが、そういう道にありがちなさびしさが漂っている。そのさびしさの中を、何度も筆者は総合資料館でしか調べられないものがあるために通い続けた。それがついに昨日閉館となり、もう二度とあの調べものをする部屋に入ることはない。館内は撮影禁止で、しかも去年は貼紙がしてあって、最近当館を撮影する怪しい人がいるといったことが書かれていた。筆者は調べものをする机の前の窓の向こうに広がる北山の写真を撮りたいと思いながら、ついにそのことが許されるかどうかを訊かなかった。館内撮影禁止としても、窓の外は館内に相当しないのではないかと思ったが、つまらぬことで相手を煩わせるには忍びない。それで諦めた。ただし、これはいいだろうと思って撮ったのが今日の最初の2枚だ。もう閉館したし、また図書が並ぶ部屋ではないので、この写真程度は禁止の対象にはならないだろう。これらは去年12月19日の撮影だ。前方が調べものをする2階の大部屋、右手がコピー室、筆者の背後がトイレだ。また右手に階段があり、その踊り場の壁にかかるのが、ミケランジェロの「最後の晩餐」の部分模写で、これは昨日も載せた。その模写がかかる壁の裏手に大きな展示室があり、そこで前述した染織作家協会展が昔は年に二度開催されていた。そう言えば、シモーネ・マルティーノを模写した画家の講演はどこで聞いたのだろう。3枚目は11日に行った際、調べものが終わった後に玄関前で撮った。筆者は地面にびっしりと敷かれる石が好きで、これは雨天ならばもっと色が冴える。この敷石は建物が壊される時に全部剥がされて砕石に加工されるのだろうか。記念に保存したいので、1,2枚は譲ってほしい気もする。それはともかく、京都に出て来た筆者が長年通い続けた建物の閉館筆者直前に訪れたことで、何となく心のけじめがついた。来春からは新館に行くことになるが、それはそれの楽しみもある。顔馴染みの学芸員もいて、彼らは新館にそのまま勤務することになるから、変わるのは建物だけで、人間は同じだ。
by uuuzen | 2016-09-15 23:59 | ●展覧会SOON評SO ON
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