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●琵琶湖大橋を徒歩でわたる、前編
だるような暑さは想像したが、そのとおりになった。数年前まで息子は車を持っていて、その頃はMIHO MUSEUMや琵琶湖東岸の佐川美術館など、電車ではなかなか行きにくい各地の施設に乗せて行ってもらった。



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息子が車に乗らなくなり、また今は伏見に住んでいるが、そうなれば筆者はまた美術館など行きたい場所には電車とバスを利用するしかない。最近たまたま佐川美術館で「ヴェネツィア展」が開催中であることを知り、数年前に名古屋の博物館で見た同じ題名の展覧会と内容がどう違うかを確認したくなった。だが、佐川美術館は車でなければ行くのが面倒な場所にある。一方、近江八幡にボーダーレス・アートミュージアムという、アール・ブリュット専門の美術館が数年前に出来て、一度訪れたいと思い続けていたが、佐川美術館とともに1日で見て回ることが出来ないものかと考えた。どちらも湖東にあり、佐川美術館を見た後にボーダレス・アートミュージアムに行けばよい。ただし、午後5時が閉館なので移動は素早くする必要がある。そこで滋賀県の地図を見ると、佐川美術館の最寄りの駅はJRの守山で、そこからは数キロで、真夏では徒歩では無理で、バスを利用せねばならない。もちろんバスに乗ることは考えていたが、田舎であるので本数は少ないだろう。それで筆者が考えたことは、JR湖西線に乗り、堅田で下りて琵琶湖大橋を東へと向かうことだ。息子には佐川美術館に二度連れて行ってもらい、二度とも美術館から琵琶湖大橋を西へとわたって大津に下った。その時の経験から、佐川美術館は琵琶湖大橋に近いことを知っていた。一方、琵琶湖大橋の西端は堅田駅から近い。琵琶湖大橋の距離は1.4キロで、それに堅田からの距離、そして佐川美術館までの距離を加えても、4キロほどだろう。これは1時間で歩ける。ただし、真夏だ。そのためにはなるべく午前中に歩くに限る。そう計画して、先日の18日の午前10時過ぎ、家内には滋賀のどこへ行くかは言わずに、ふたりで自宅からまず嵯峨嵐山駅まで歩いた。ゆっくり歩いて20分だが、暑いためにもうそれだけでかなり疲れを感じる。それでも駅からは外国人観光客が雪崩のように下りて来て、彼らは渡月橋や竹林へと向かう。嵐山は昔から観光客は多いが、2月と8月は例外であった。それが今は季節に関係なく大勢やって来る。一方の滋賀はどうだろう。京都から大津は電車で20分の近さというのに、京都人はめったに滋賀には観光で行かない。そう言えば筆者は瀬田にある美術館にも2年ほど行っていない。
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 それはさておき、18日と決めたのは、20日が地蔵盆で、間に1日の休みがあれば疲れも取れると考えたからだ。天気予報によると、雨が降る気配はない。急な雷雨になる可能性はあって、琵琶湖大橋をわたっている間に雷にやられる心配を少しはしたが、傘は持って行かなかった。堅田駅に着いた時、駅前で近江バス1日乗車券が1000円という看板を見た。それを買えば堅田から佐川美術館まで、また同館から守山駅まで乗ることが出来るが、その2回で1000円になるかどうかだ。それに筆者は琵琶湖大橋を歩いてみたかった。看板を見ていると、琵琶湖大橋を東へ向かうバスが目の前にやって来た。家内はてっきりそれに乗ると思ったが、筆者はやり過ごし、少し南に歩こうと言った。徒歩10分ほどのところに、有名な浮御堂がある。写真で知っているだけで実物を見たことがない。そこをまず訪れて、それから琵琶湖大橋の西端にある大型スーパーで休憩し、また出来れば食事も済まし、それから橋をわたるつもりでいた。だが、駅から南に歩き始めた途端、思いが変わった。あまりに暑く、眩しかったからだ。浮御堂は次の機会に取っておくことにし、歩を北に進めた。その道は先ほどバスが走って行った。すでに後ろをついて来る家内は不穏な表情だ。それはそうだろう。炎天下をどこをどう歩いてどこへ行こうとしているのかわからない。筆者も初めての道で、地図片手にとにかく北へ10分か15分のところにあるスーパーを目指した。その途中で、道路から左手に農産物を販売する建物があった。振り返って家内にそこへ入るとの合図を送り、ふたりはその中に入った。まず涼しいのがいい。農産物以外に菓子も売っている。一巡すると、太くて長いバナナ4本が20組ほどあって、どれにも半額のシールがついてあった。つまり100円程度だ。これは安い。最近バナナの値段が上がって、100円ではとても買えない。たまに100円で売られるものはとても短く、またおいしくない。だが、目の前に並んでいるのは高級品の部類で、またちょうど食べ頃だ。迷わずにそれを買った。そのほか、西瓜もかなり安く、筆者は大きな一玉がほしくなったが、まさかそれを持って琵琶湖大橋をわたり、美術館に行くことは出来ない。それで諦めたが、今年は西瓜を買ったのは一度のみで、食べ足りない思いが後ろ髪を引かせた。堅田は田舎だが、このような農作物が安い店があるのは断然京都市内よりいい。それはそうだろう。どこでも何か得なことがある。田舎は食費が安く上がりそうだ。さて、買ったバナナを歩きながら食べることはしなかった。まだ昼食の時間には少し早い。それで最初の予定どおり、橋のたもとにある大型スーパーを目指した。それはすぐ視界に入った。スーパーの前の道路沿いには、京都市内でも見かける種々のチェーン店が軒を並べ、どうやら琵琶湖大橋の西詰めは堅田の最も繁華で人が多く集まる地域のようだ。だが、全体に殺風景で、みんな車でやって来るのだろう。それが今の日本の地方都市の典型的なたたずまいだ。駅の近辺にスーパーやパチンコ屋、居酒屋などが集まり、その地域を少し外れると民家がまばらで、自然豊かと言えばそうだが、さして何もないと言った方が当たっている。そういう地域は、ほとんどの住民は歩かずに車で移動するので、殺風景さが身に染みることもあまりない。それを感じるのは筆者のように初めて訪れ、また歩き回ってみようとする者だ。炎天下であることもあって、歩いている人はほとんど見かけず、みんな車から降りて店内に入って行くが、稀に自転車に乗っている若者もいる。
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 信号を待って店内に向かう時、一瞬筆者は堅田駅前すぐの大型スーパーがお盆休みで閉まっていたことを思い出し、嫌な予感がしたが、一組の親子連れが店内に入って行くのが見えたので、営業中であることがわかった。中は巨大な空間で、入ってすぐに広いフード・コートがあった。椅子とテーブルがたくさん並べられ、店内で買ったものを食べることが出来る。大型スーパーなら最近はどこでもそういう場所を確保しているが、そのスーパーでは例外的にその面積が大きく、また半分以上の席が空いていた。まずは無料の水を2杯ほど飲み、先ほど買ったバナナを食べた。筆者の背後に男子高校生が10人ほどやって来て、みんな好きなものを買って来て昼食を始めた。それを見ていた家内は、おいしそうなたこ焼きに目を留めた。8個で500円だったか、多少高い気がするが、1個の中に大きな蛸がふたつも入っていて、それを思えばとても安い。蛸代だけでも100円はするはずだ。バナナ2本と蛸焼き4個ずつの昼食だが、バナナで充分満腹になった。食べ終わる頃、筆者の左手に私服の女子高生が6,7人入って来た。ある者はへそを丸だしにし、ある者はピチピチのショート・パンツ、ある者は胸の大きさを強調する身なりで、すぐ隣りに陣取る男子高校生たちが子どもに見える。実際そうなのだろう。17、8の女性は花盛りで自分の性的魅力を誇示したいもので、怖い者なしだ。彼女たちを見ながら、筆者は昔の「湯女図」を思い出したが、彼女たちは夏休みに家にいても仕方がなく、涼しいところで無料で談笑出来る場所を求めて近隣からやって来る。そういう場所を大型スーパーが提供するようになったのはここ2,30年の日本の変化で、またそれは全国どこでも同じと言ってよい。つまり、日本の現代をそのフード・コートの場所で見た気がした。店内の涼しさに暑さを忘れたのはいいが、本番はこれからで、なるべく琵琶湖大橋に近いところから出た。すると、橋の歩道は頭上より高いところにあり、その歩道にどのようにして上がれるのかわからない。トンネル状の歩道を二、三度往復し、ようやく先ほど店内に入る前に見ていた大きな蟹の看板を前方に見つけた。そこへ向かって駐車場を横切ると、橋の歩道に通じる10段ほどの階段があった。それを上ると、蟹を食べさせる店の前に出て、前方に橋があった。家内は筆者の後方50メートルほどを日傘を差してついて来るが、表情はわからない。その内心を想像すると、『ついて来て損した』のはずだが、もう仕方がない。筆者がお金を持っていないことを家内は知っているので、Uターンしてひとりで帰れば筆者は帰れない。それで後を追うほかない。そんなことを思っていると、筆者の右脇を白いシャツ姿の自転車に乗った女子高生が走り去り、橋の歩道に乗り上げた。筆者はそれを追う形になったが、橋は急な登り坂で、彼女は自転車を漕ぐのがしんどいようで、途中から自転車から降りて歩き始めた。その光景が5分ほど続いたろうか。今日の1、2枚目の写真には彼女が小さく写っている。3枚目は登り坂の頂上で、湖に向かって少し出っ張り、休憩所になっていた。そこから琵琶湖の北側を眺めて撮ったのが4枚目だ。空と水を上下半々にトリミングしたが、これは予定したとおりに撮影出来た。海などの広い水辺を見ると、こうした上下二分割の写真を撮るのは恒例になっている。
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by uuuzen | 2016-08-24 21:40 | ●新・嵐山だより
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