続行中のアレックス・ウィンターの作業だが、ドキュメンタリーを完成させるために3億円ほど必要という話のその後が7月30日のメールの後半に書かれていた。プロデューサーとしてパートナーのグレン・ジッパーとの話し合いで、実りがあったとのことで、近いうちにその詳細が伝えられるそうだ。

これは新たな援助をファンから募る際のその見返りの品について、よいアイデアが浮かんだという意味であろう。次のキャンペーンは秋に行なわれると思うが、まだ足りない2億円近い資金を集めるには、それ相応のファンが喜ぶ何かを用意する必要がある。筆者は300ドルを支援したが、次回で2億円近い金が集まるとして、また300ドルとなると、合計6万円の出費で、これはザッパの新譜で言えば25枚程度に匹敵し、それと同等の価値があると思えるものがアレックス側から提供されるのかどうか、少々心配もする。また、次回で2億が集まらないとすれば、もう2回キャンペーンが行なわれ、そのたびに300ドルとなると、ファンはそれを歓迎することがどこまで出来るだろう。だが、最初から3億ドルは必要であることは伝えられていたので、アレックスが詐欺まがいのことをしているとは言えない。9月には最初のキャンペーンで用意された援助資金に見合う商品の発送があるとされていたが、そのニュースは今のところ全く伝えられない。また、今回のメールでアレックスは書いているが。映像の掘り起しは遅々とした作業で、また資金が嵩み、何か出来事と言えるようなことはほとんどないが、そのままでは危険な状態にあるザッパの財産を未来のために安全なものにしているという満足感はあり、つまりはそのアレックスの思いにザッパ・ファンは同調し、寄付と思って資金を提供すべしということだ。また、今回のメールではキャプテン・ビーフハートの16ミリのフィルムが発掘されたことを伝え、そのスクリーンショットも数枚載せるが、これは1969年にザッパ家とロスの空港で撮影されたもので、長さがどれほどあるのか知らないが、いずれ支援者は見られるそうだ。ビーフハート以外にマーク・ボストンとビル・ハークルロードが写っていて、『トラウト・マスク・レプリカ』頃のマジック・バンドの貴重な映像であるのは充分に伝わる。それは白黒映像だが、カラーものとして、67年のロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでのサウンドチェックの映像も発見された。ドラムスのビリー・マンディがスクリーンショットには写っていて、ステージの設営の状態が生々しい。それよりも驚くのは、ジミ・ヘンドリクスが写っていることで、これはジミのファンも当然初めて見るもので、ザッパがどれほどの未発表の映像を収蔵庫に保存していたのかと、期待に胸がふくらむ。また、それほど多くの素材が見つかると、アレックスのドキュメンタリーがどれほどの長さに編集されるのかが気になる。また、そうした珍しい映像以外に未発表の音源も使うはずで、ドキュメンタリーとして使う素材はどれもほんのわずかで、今回のメールにあったビーフハートやロイヤル・アルバート・ホールでの映像は、個別にファンがいつでもあるURLにアクセスすれば見られるというシステムを作るのだと思うが、そのためにファンが支払う金額をどうするか、また一方ではザッパ・ファミリーは今後の作品化を睨んですべての映像や音源をダウンロード出来る態勢を整えるとは思えず、存在は知られるものの、全貌は誰も見たり聴いたり出来ない状態が続くと予想される。