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●神社の造形―山城ゑびす神社
いとんは今での家で作って食べる人があるだろうか。筆者は小学生までは母が作ったものをたまに食べたが、中学生になってからはおそらく食べていない。ということは東京オリンピック頃からはもうそんなものを食べなくてもいい時代になったのだろう。



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だが、すいとんを貧しい時代の食べ物ともさほど思わなかった。母は戦争中はよく食べたと言っていたが、育ち盛りの子どもが空腹ではどんなものでもおいしい。それはさておき、時代が変われば食べ物も変わり、過去に対する見方も変わる。ある有名画家がとんとそうではなくなり、有名でなかった画家が大きく持て囃されることがある。画家に限らず、作家も同じだろう。生前は流行作家として人気を誇っても、50年後に同じ人気を保っているかどうかは疑わしい。その点、乃木大将のように神社が造られると、それこそ神格化で、日本という国がある限り、神としての扱いで、評価をするどころか、絶対的な名声が確保され続ける。日本で最も新しい人物を祀る神社が何かは知らないが、乃木神社は大正時代に出来たので、おそらく最新の神社ではないだろうか。また、今後実在した人物を神社を造って祀り上げることがあるのかどうかを、乃木神社の存在は思わせるが、明治と似た時代が来ればその可能性はきわめて大きい。そしてそれはかなりの確率であり得るだろう。今の日本は右傾化していると言われるが、30年、50年先にそれがもっと極端化していない保証はない。日本は昭和の戦争で壊滅的な被害を受けたが、その後不死鳥のように蘇り、昭和のような戦争があってもまた立ち直れるだろうと漠然と思っている人は多いだろう。東北の大震災があっても、今はその関連ニュースはほとんどなく、まるで震災はなかったかのようにさえ感じる。阪神淡路の大震災もそうだ。日本は立ち直りが早い。あるいは、立ち直っていないのに、被害を隠すことに長けているだけかもしれない。そのどちらの考えを持つかで、右傾化についても意見が分かれるだろう。それはさておき、乃木神社は乃木大将の殉死に感銘を受けた人たちが造ったが、明治天皇が最も心を許した臣下の乃木希典が、天皇の後を追うというその忠信に明治生まれの人たちは感銘を受けたが、その後教育が変わったこともあり、天皇の後を自殺して追う人はいない。すいとんが時代が変わってさほど食べられなくなったことと似ている。それはいいとして、乃木大将の殉死は、本人からすれば昨日書いた美意識といった言葉では表現出来ないものかもしれず、これか明治そして乃木の立場になってみなければわからないだろう。あるいはそうなってもわからないかもしれない。乃木のように殉死した軍人はおらず、それゆえに乃木の殉死は衝撃的で、またその行為は美化されたが、それは明治の軍人において稀な人物であったという見方も出来る。つまり、乃木以外は立派と言える軍人はいなかったのではないか。もっと言えば、昭和のひどい戦争の萌芽は明治にあって、明治時代は美化されてはいるが、かなりひどい面を持っていたかもしれない。乃木神社の存在からはそのようなことを思わせるが、そう言えば東京に東郷神社があり、明治の立派な軍人は乃木だけではなかった。
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 昨日書いたように、乃木の少年時代はかなり優しい性格で、そのことが父には不甲斐のなさに映った。そのことで疑問に思うのは、ではなぜ大将にまで上り詰めたかだ。筆者は今64歳だが、少年時代のまま今に至っているとよく思うことがある。つまり、10代を見ればその後その人物がどういう人間になるかわかると思っているが、劇的に性質が変化することはあり得ない。筆者が10代から知る人物を見てもそれは確信出来る。それで、優しい心根の希典少年がそのまま大将になったとすれば、どういう武勲を立てたためかと思うが、同じ長州の山縣有朋が贔屓にして大将に抜擢したらしい。筆者はその辺りのことは全く詳しくないし、また知りたいともあまり思わないが、山縣の顔写真を見ると、尊敬出来るような人物には思えない。育ちが何となく悪そうで、また策略家を感じさせるが、そういう人物であるので、政界をうまく泳いで行ったのだろう。それに引き替え、乃木はとても純真に見えるが、それは軍人としていいことかわるいことかと言えば、結局のところは武勲で評価すべきだろう。だが、乃木は中国の旅順を奪うための二〇三高地の戦いで数万人の兵士を死なせたというから、とても有能とは言えないのではないか。それがなぜ神社が造られるほどに神格化されるかだが、明治天皇の贔屓と、殉死という理由による。人間で一番大事なものとされる命を自ら捧げたのであるから、それ以上に人々を強烈に印象づける行為はない。だが、自殺は意味がなく、生きるだけ生きて、その間に出来る限りのことをなすべきとする意見は当然ある。それどころか、明治でもその考えは支配的であったろう。昭和の戦争で死ななかった人たちが戦後の復興を成し遂げ、高度成長を導いたから、自ら死を選ぶことは国を滅ぼすことにつながる。であるのに、乃木神社が造られ、今も境内はきれいに整えられている。これはやはり乃木の美意識が国民に普遍的に受け入れられているからと言うことは出来る。もっと言えば、将来日本はまた明治のように戦争を起こさないとも限らない。そして、そのことを思うのは筆者のような戦後生まれではなく、従軍した人たちであろう。そういう人はもう少数派になっているが、亡くなる前に自分の意見を発表した人は多い。そして、戦後であればその思想は当然反戦色が強く、乃木大将に対しても美化はしない。そして、そういう見方は30年、50年先にも同じように人々に受け入れられるかとなると、乃木神社の存在によって淘汰されるのではないか。そこが明治の軍人を祀る神社の恐さとも言える。
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 殉死する前日であったか、乃木夫妻は全身像の記念写真を撮った。有名なもので誰でも一度は見たことがある。筆者はその写真の妻静子の表情が目に焼きついている。明治の女の鑑のように言われるが、どことなく不気味な笑みが感じられ、その凄味は乃木の表情からはうかがえないことに首をかしげたくなる。どのような女性であったのか、また夫婦はどのように仲がよかったのか、あるいはそうではなかったのかといった、素朴な疑問だ。死んだ後、体液などが肛門などから出ないように、何かで詰め物をして果てたとも読んだことがあるが、そういう作業をどのようにふたりで行なったのかとも想像する。静子は死ぬのを嫌がったと何かで読んだこともあるが、それが事実とすればそれはどのようにして他者に洩れ伝わったのだろう。ふたりの間には男子がふたりいたが、ふたりとも戦争で死に、希典はもういつ死んでもいいと思っていたのであろう。そして、死ぬならば最も理想的な日は明治天皇の崩御の直後だ。そうして死の準備を何年も前からしていたのだろう。そのため、希典は常々妻にそのことを言っていたと考えられ、妻は一緒に死ぬことを拒んでいたかもしれない。ともかく、ふたりは一緒に死に、昨日書いたように村野山人は伏見桃山の御陵の南に神社を創ることを思い至った。最初は乃木一家つまり夫婦と子どもふたりを祀るつもりであったが、乃木大将ひとりのみが許された。今日の最初の写真は朱塗りで、乃木神社本殿の西隣りに並ぶ「山城ゑびす神社」だが、そのように呼ばれるようになったのはまだ8年前のことだ。この神社は大正5年に創建された乃木神社の3年後に摂社「静魂神社」として建てられ、静子の霊を祀ったが、その後恵比須を中心とした七福神を祀り、「静魂七福社」と呼ばれ、商売繁盛の神社となった。そして乃木神社創建90年を機に、静子の霊を乃木神社に合祀し、「山城ゑびす神社」と称することになった。乃木神社では「勝栗」を授与するなど、勝負に勝つという御利益を売りにしているが、境内の外からよく目立つ幟旗のあるこの派手な「山城ゑびす神社」があることによって、受験生だけではなく、大手筋商店街の商店主も訪れるだろう。今日の3枚目の写真は昨日と同じく神門を捉えているが、これを撮ったのは帰りがけで、右端の男性を写す意味があった。熱田神宮でも目立っていた年配の警備員で、こういう人を配置することは乃木神社は今に続く政治問題が絡み、また天皇に対する思想の違う不審者から被害を受けないようにとの思いからだろう。4枚目の石の鳥居は南方から見たので扁額の「乃木神社」の文字は見えない。筆者らは往路とは違って、南に道をたどって線路沿いを西に進み、元は伏見奉行所のあった住宅地を抜けて、息子が住む大手筋商店街の南に出た。息子はすいとんを食べたことがないが、筆者も家内もその作り方を知らず、また食べたいとも思わない。息子は今後乃木神社に関心を抱くことはないと思うが、忠や孝、信、恥と言っても今の若い世代には理解し難いだろう。
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by uuuzen | 2016-03-27 23:59 | ●神社の造形
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