だらけているといい発想が得られるかと言えば、そうでもあるし、そうでもない。昨日は風風の湯に午後7時ちょうどから2時間いた。嵯峨のOさんと1か月ぶりに会い、これまでになくサウナ室で喋った。
その目の前の露天風呂や水ホロには、嵐山の桜の花びらがたくさん浮いて風情があるが、一昨日の突風と大雨で桜はもうほとんど葉の色に見える。それはさておき、風風の湯にはここ数か月は午後5時頃に行くので、Oさんとは会えてもちょうど筆者と入れ違いになっていた。昨日は筆者が服を脱いでいる時にOさんがやって来たので、そのままふたりでサウナを占領する形で長話をした。背中合わせに女湯のサウナや水風呂があり、家内は男ふたりの声がえらく響いていたと言った。それが筆者とOさんであることを知って呆れていたが、それほどOさんとはよく話す仲になって来た。話があちこち行くが、午後7時という遅い時間になったのは、その2時間、いや、それより前の午後4時からすれば3時間の間、アレックス・ウィンターのザッパ・プロジェクトに参加するために、クレジット・カード片手に画面と悪戦苦闘し続けたからだ。予想したとおり、ややこしいことが起こった。それでも筆者は100万ドルにぎりぎり到達するその直前に300ドル・コースの支援者になることをここ1週間ほどは考え続けていたので、まだ時間はあるかと高をくくっていた。その頃に画面のキャプチャーはしなかったが、数字は書き留めていた。申込み終了前22時間の段階、つまり昨日の午後2時頃は7579人で973369ドルであった。画面をそのままにしておくと、自動的にどんどん数字が上がって行く。その速度からして、筆者が風風の湯に入っている2時間の間に100万ドルを超す可能性があり、その理由もあって、いつもより少し行く時刻を遅らせた。もっとも、一番大きな理由は、カードの情報を入力しても受けつけが完了しないからであった。どのような画像が出るかと言えば、今日の最初がそれだ。理由をネットで調べてもわからず、そこで温泉に浸かって気分をほぐすことにした。
Oさんにサウナ室でそのことを話題にすると、カードは一回の買い物の金額の上限があるので、それを越えているのではないかとのこと。だが、300ドル程度でそれはない。9時に帰宅して画面を見ると、残り15時間で7781人、995529ドルとなっていた。今日の2枚目の写真はそれからしばらくした時のもので、どんどん申し込み者が増えている。筆者は100万ドルをどうにか突破すると予測していたが、それは間違いなさそうだ。ならばやはり100万ドルになる時の支援者になるのがいいかと思い、またパソコンに向かって同じようにカード情報を入力してクリックするが、また同じ画面が出る。昨夜大西さんからメールがあったのでそのことを伝えると、すぐに返事があったが、そこに書かれている手順を筆者は踏んでいる。家内と首をかしげながら、筆者はまたOさんの言葉を思い出した。買い物金額の上限ではなく、ひょっとすればカードと契約している銀行口座に残高がないのではないか。というのは、筆者は去年いくつかの銀行を整理してひとつにほとんどまとめ、残りの銀行は残高を1万円ほどにした。そのことを思い出したのだ。そして家内に、筆者のVISAカードはどの銀行と契約しているのかと訊くと、○○だと言う。そこはたぶん1万円も残っていないだろう。つまり、アメリカのキックスターターのカード入力画面に何十回も入力しても同じ反応であることは、こっちの不手際で、肝心のお金が足りない。家内は明日つまり今日は土曜日なので、午前中に別の銀行から引き出してそのカードの銀行に入れれば間に合うと言う。それで予定していた残りの仕事を済ますと、ちょうど日づけが変わった頃で、その時に画面をキャプチャーしたのが今日の3枚目で、100万ドルを越えてしまった。もうそうなると、急ぐ必要はない。締め切りまでにどうにかすればよい。それでいつもより2時間早く寝ると、2時間早く目覚め、またすぐにパソコンに向かってカード情報を入れてはみるが、やはり駄目だ。9時ちょうどに近所のATMに行き、10万入金すると、どうしたことか、1万円もないと思っていた口座に100万以上入っている。心当たりがないので何かの間違いかと思いながら、筆者のことであるから、知らない間に定期でも解約されて普通預金口座に回ったことを知らなかったのかもしれない。ともかく、口座に金は入っているので問題はない。では、何が原因か。
帰宅して今度はカード会社に電話した。すると10時からと録音の声が返答する。10時になってすぐに電話し、事情を伝えて話をしたのが20分ほどだ。結局原因不明だ。筆者のVISAカードは百貨店と提携したものだが、ひょっとすればキックスターターがそういう日本のVISAカードは受けつけていないかもしれないとのことだ。またパソコンに向かってキックスターターのFAQを調べると、やはりそのようなニュアンスのことが書かれている。カード会社の問題ということだ。それなら仕方がない。そこで家内が同じVISAでも違うところが発行しているカードがあるので、それを使ってみればという。アカウントやログインは筆者の名前であるのに、入力するカードの名前が家内では具合が悪いだろう。だがそういうこともあるかもしれない。それで家内の番号を入力すると、やはり同じことで、今日の最初の画像の画面が出る。大西さんはアレックスに直接メールで訊ねることも出来ると書いて来たが、残り1時間を切っている状態ではもう無理だ。昨夜もほとんど諦めていたが、その思いがまた増す。だが、粘るだけ粘ってみよう。そこで最後に思いついたのは、筆者のパソコンの具合だ。まず、アレックスの今回のザッパ・プロジェクトの画面は、すべてが表示されるのに1分ほどかかる。とても重いのだ。それが原因、つまり筆者のパソコンの能力が悪いかもしれない。梅津の従姉の息子の家に行けば筆者より新しいパソコンだが、仕事に出ていないであろうし、いても間に合わない。そこで隣りの家に電話した。幸いなことにまだ在宅で、家を片づけるので5分後に来てほしいとのこと。隣家のパソコンを見るのは初めてで、WIN10が入っている最新のものだ。早速ログインしたはいいが、画面の見え方が全く違って手間取る。どうにか300ドルのコースをクリックして「CONTINUE」のボタンをクリックすると、それ以上進まない。これを10回ほどやった。まさか。筆者のWIN VISTAよりまだおかしい。カード入力画面が出ないのだ。時計を見るともう残り30分ほどだ。それに、300ドル・コースは残り3名ではないか。昨夜は50人近く、3時間前は20人分は近く残っていたのに、締め切り間際に殺到したようだ。
さて、どうしたものか。様式がまるで違うキックスターターの画面だが、とにかく必要な情報は全部画面上にはあるようだ。そこでつぶさに見て行くと、300ドル・コースの申し込み欄があった。そこをクリックすると、ようやくカード情報の入力画面が出て来た。そして入力して「CONTINUE」をクリックすると、何ということか、昨夜から50回以上見た、今日の最初の画面が出るではないか。これでわかったのは、日本からは申し込めないということだ。筆者の傍らで慌ただしく隣家の主は出かける用意をしている。それにもう残り30分を切っている。おまけに、300ドル・コースは「ALL GONE」の表示が出ている。手遅れだ。350ドル・コースはまだ余裕がある。それでも仕方がない。こんなことなら数日前から試しておけばよかった。筆者はいつでも何でもぎりぎり間際になってから腰を上げる。ま、今回は出来る限り手を尽くしたので、もう仕方がない。それでパソコンを切ろうと思った時、ひとつのアイコンに目が行った。インターネット・エクスプローラーでこれまで試して来たが、グーグルのクロームではどうか。そう思ってそれを立ち上げ、てきぱきと目指す画面を出すと、筆者のパソコンと同じ見やすい画面が出て来た。そして300ドル・コースを見ると残り1名となっているではないか。すかさずそのコースをクリックしてカード情報を入れ、「CONTINUE」をクリックすると、1,2秒待って画面が変わり、受けつけ成功となった。すぐに帰宅して画面をキャプチャーしたのが、今日の4枚目で、残り19分となっている。20数分前に筆者は最後の300ドル支援者となったが、それはそれでザッパのドキュメンタリー映像作品のクレジットに筆者の名前は最後に出ると思われるから、かえってよかったかもしれない。筆者の後に40数人が参加し、合計金額は1126036ドルとなった。これは予想外に多かったであろう。ドゥイージルやムーンはここまで盛り上がるとは思わなかったようだ。それは、母ゲイルが『ROXY BY PROXY』でひとり10万円を1000人から集めようとして頓挫した経験を知っているからだろう。その点、アレックスはキックスターターを利用し、また支援者への見返りを盛りだくさんにしたお陰で、終盤に至って支援は急増した。それにしても、なぜIEでは駄目でクロームならすんなり承認されたのだろう。また、筆者はペイパルを便利に使っているが、そのヨーロッパでは人気のある支払い方法はキックスターターでは使えない。日本のザッパ・ファンは今回の企画にどれだけ賛同したのか知らないが、筆者のように慌てた人はかなりいたのではないか。ともかく、9月には何か発送が始まるようで、秋にまたこの件で何か書くことが出来る。ザッパ本を書いた筆者が参加しないわけには行かないが、半分以上はブログのネタのためと言ってよく、アレックスからの支援の見返り品はほとんど関心がない。ということで昨夜から今朝は緊張したが、またレゲエでも聴いてだらける。