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●彦根城にて、その8(ひこにゃん)
級の象徴と思うのは時代遅れで、今では人を和ませるキャラクターは、商売にも直結してどこでも求められる。



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ゆるキャラという言葉を筆者はあまり好まないが、まず「ゆるい」と「キャラクター」が筆者の語彙には含まれていない。仕方がないのでキャラクターの言葉は使うが、これを言い換えるにはどうすればいいだろうか。そんなことを考えたことはないが、今日は最初に「象徴」と書いたので、「シンボル」ではどうかと思うが、これは人間味が欠けるし、また物にも使う。ゆるキャラは擬人化された着ぐるみで、完全な物とは言えない。動物を引用することが多いが、そうでない場合も目立ち、地方都市の活性化のために案出されるから、その特産物がふさわしい。彦根の場合は、まずは彦根城ということで、兜を被った猫が考えられたが、猫というのは少々安易で、キティちゃんブームに便乗した感じがある。なぜ猫なのか、筆者は理由を知らないが、犬より好まれているということだろう。ゆるキャラは個性が大切で、猫のように群れない性格がいいと思われているのではないか。犬をつかったゆるキャラがあるのかどうか知らないが、「ゆるい」の言葉に似合うのは犬より猫だろう。もっとも、ひこにゃんはゆるキャラの言葉が考え出される以前にデザインされたはずで、猫がゆるいイメージというのではないだろう。ゆるキャラの言葉はまた、だぶりとした大きな着ぐるみの中に人が入っていることも思ってのことかもしれない。中は窮屈だと思うが、それなりにゆるさも必要だ。そしてその大きな図体は相撲取りのように、ゆるい印象がある。いや、このように表現すると御幣がある。相撲取りはゆるい印象があっても、実際はただ太っているだけではない。ゆるい体格と心では相撲は取れない。それはともかく、「ゆるい」は武士には全く似合わない言葉で、江戸時代の彦根城にひこにゃんが現われると、不届き者とばかりに刀で斬り棄てられたのではないか。武士も冗談を理解するが、それでも時と場合による。城郭内部にはふさわしくなく、そういうゆるキャラの出入りを武士が認めると、しめしがつかなくなる。そういう感覚は筆者の小中学生時代まではまだ日本に強くあった気がする。先生たちや学校の実体はともかく、建前という意識が強く、ゆるキャラは商店街の催しか、せいぜい縁日に向くものと思われたはずだ。もっと譲って学芸会も許せるかという感じで、まさかゆるキャラが大きな組織の象徴となるなど、誰も考えなかった。それがいつの頃からそうではなくなったかと言えば、高度成長が止まった70年代最初の頃ではないか。つまり、国が裕福になり、しかももうそれ以上の成長はないかもしれないという、一種の暗い思いを背景にして、せめてみんなを和ませるものがあっていいのではないかとみんなが思うようになって来た結果、やがてゆるキャラのブームにつながった気がする。これは裕福はいいが、それがいつまで続くかわからないという漠然として不安も一方にあるという状態で、ゆるキャラは手放しで歓迎出来ないようなものに筆者は思える。
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 それで、ゆるキャラがなかった高度成長時代がよかったかと言えば、上昇志向に伴う一種の規律、つまりがんばろうという思いが一方にある心の引き締めが誰にもそれなりにあって、ゆるいという息抜きの思いは当然求めらていたが、それはあくまで個人的なもので、みんなそれそれに好むところにしたがってそれをしていた。今はそれがゆるキャラとう、誰でもよく知る擬人化された、また笑いをどこか強制するキャラクターが多少担うことになり、しかもそれは公の場に存在感を示すようになった。繰り返すと、そういうものが求められるほど、豊かになり、また成長が望めないので、せめて常に笑いを誘うものを役所でもどこでも目立つところに押し上げておこうということだ。これは国民が求めているところが大で、そのことを江戸時代の藩や幕府が知れば、積極的にゆるキャラを認めるかもしれない。ゆるキャラによって、藩や幕府の政治が民衆からの批判を免れるのであれば、それに越したことはない。今の地方の自治体もそのように考えたかと言えば、本音は税収など、金に関することだろう。また役所が市民にサービスする機関であるという宣伝もある。警察が建物に「けいさつ」とわかりやすく平仮名で書くことがいつの間にはどこでもあたりまえになったが、そのこととゆるキャラの登場は大いに因果関係があるだろう。悪く言えば、今まで厳格さを旨として来た機関が、みな笑顔の仮面をつける必要を思って来たと言え、またそれは幼稚化と言い代えてもよい。あるいはまったく逆にしたたかさを増したとも言える。笑顔のサービスを提供している間は、怨まれることは減るはずで、それは税金でする業務にいい影響を与えるとの思いだ。批判交わしにゆるキャラはなかなか効果的だ。ゆるキャラはまず子どもが喜ぶが、そうなるとその子の親も喜ぶ。とてもうまい戦略ではないか。ともかく、日本は高度成長以降大きく変わった。それがいいのか悪いのかと言えば、両面がある。何事もそうで、見方で大きく変わる。ではひこにゃんはよかったのかと言えば、ゆるキャラのブームをその後に引き起こし、彦根城の有名度を増した。つまり、金がより回るようになった点で、当然よかったとの思いが彦根市にはあるだろう。ひこにゃんがいつまで有名で、また人から求め続けられるかだが、時代がまた大きく変われば人の思いが変わる。それまではゆるい惰性で使われ続ける。さて、今日の3枚の写真は彦根城博物館を見た後に撮った。最初の写真は向こうにその玄関が見えている。手前の地面上の生け花がなかなかよかったので、一緒に撮った。その撮影位置から右手を向いたのが2枚目だ。表御殿の一部の部屋に待機していたひこにゃんが登場する時間がちょうどやって来たので、それを見て帰ることにした。大勢の人で、みんなひこにゃんを楽しみにやって来たようだ。司会のマイクの声が響きわたり、奥からひこにゃんがゆっくりと歩いてやって来た。大きな体なので小走りも無理だ。白い体はすぐに汚れると思うし、また遠目に何となく薄汚れているように感じたが、何体もあって、適当に洗うなりしているのだろう。市の職員が交代で中に入って勤務しているのか、あるいは外注のアルバイトに任せているのか、その人件費から考えると、ひこにゃん効果は何百倍も大きいだろう。さすがひこにゃんは天守閣には入らないようで、そこは井伊家のA級の貫禄への遠慮、つまりせめてもの身のほどのわきまえということか。
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by uuuzen | 2016-02-27 23:59 | ●新・嵐山だより
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