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●彦根市内を歩く
がないと思われそうだが、高松城に行ったので、彦根城に初めて行くことにした。そして1月10日に家内と行って来た。ブルース・ビックフォードの作品『キャスル』つながりと言えるかもしれない。



●彦根市内を歩く_d0053294_035732.jpgそれに、彦根城は25年ほど前から気になっていた。真冬に車で濠の縁まで行ったことがあった。名古屋からの帰り、小学生の息子がたまたま知り合ったNさんが最寄の駅まで車で送ると言いながら、結局ドライヴをして彦根駅まで運んでもらった。駅前に行く前にまずは城の近くまでというので、言われるまま座席に座っていたが、名古屋から彦根までは国道を走らず、裏道をくねくねと走り抜けながら、民家の裏庭が目の前に見えるなど、なかなか楽しいドライヴであった。穏やかな天気であったのでなおさらだ。彦根城には入らず、駐車場に車を停めてほんの少しだけ歩いた。濠に小石を投げると、カランコロンと音を立てて表面を転がって行った。氷が張っていたのだ。それが四半世紀前のことで、それ以来何度も思い出しながら、いつでも行けると思って結局行かなかった。それがついに腹を決めた。おおげさな話だが、思い切ってよかった。人生は気になりながら長年そのままになっていることが誰でも山ほどある。それを少しでも減らすのはいいことだ。気がかりをなるべく少なくして生きるに限る。全くなくなってしまえば恍惚の人になりそうだが、全く気がかりがなくなることは恍惚の人にならない限り絶対にない。また、気がかりもさまざまで、筆者のように日帰り出来るところに行きたいというのは、他愛ない。それこそいつでも行ける。金や時間を使ってもどうにもならない気がかりが厄介だ。そういう気がかりも筆者は抱え込んでいるが、誰でもそれは同じだろう。それはたいてい人間が関係している。実は彦根城に行ったのは長年の気がかりを解消するためだが、その一方で最初に彦根城の前まで連れて行ってもらったNさんのことが気がかりで、たまに思い出す。Nさんはネットをしないはずで、ここで書いてもいいと思うが、プライヴァシーに関係することなので書かないでおくべきだ。Nさんのことは何年も前にブログに書いた。息子が小学2年か3年の頃、校庭から朝顔の種子を入れた袋を結んだ風船を飛ばした。クラス全員が先生の指導でそうしたのだ。風船は空高く昇って行き、見えなくなった。1か月ほどして、学校に息子宛てに手紙が届いた。風船を畑で見つけ、息子の手紙を読んだ人からだ。それがNさんで、そうして文通が始まった。Nさんは東北の久慈の人だ。筆者より数歳上で、集団就職で名古屋に来たのだ。家庭を持ち、子どももふたり出来た。少年野球の監督を務め、河川敷の畑も趣味で耕すという豆な人で、またとても心の優しい人であった。間もなく京都に奥さんと車で一緒に来られ、また息子が夏休みの時はNさんがテント持参でキャンプに連れて行ってくれるなど、3,4年交流が続いた。そして筆者も一度だけNさんの家を訪問し、泊まったことがある。その翌朝、車で彦根まで送ってくれたのだ。ところが、それから1,2年した頃か、Nさんに不幸が訪れた。Nさん自身が病気、あるいは怪我をしたのではないが、今までとは生活ががらりと変わってしまった。それでこちらも遠慮して連絡しなくなった。一度電話をしたことがあるが、Nさんは今までとは違って素っ気なかった。自分の境遇の変わり具合が信じられず、人間不信になったのだろう。こちらも言葉のかけようがなく、それっきりとなった。年賀状も途絶え、生きているのかどうかもわからない。おそらく住所はそのままのはずで、まだお元気だと想像するが、今年の小学は久しぶりに息子にNさんのことを話題に出し、一度連絡してみればと言った。だが、息子もNさんの事情を察し、そっとしておくのがよいと言った。Nさんは古い傷を思い出したくないだろう。あれほど親切で明るいNさんになぜ大きな不幸が訪れたのか。世の中は不公平に出来ている。だが、筆者が仮に今Nさんと話をしても何もしてあげられることがない。Nさんは自分のことは自分で抱えて行かねばならない。誰しもそうだ。気がかりが無数にある中、どうにかそれらと折り合いをつけて生きて行く。
●彦根市内を歩く_d0053294_041834.jpg

 さて、Nさんとの思い出の濠の写真は明日載せるとして、今日は彦根市内の写真だ。彦根は高松以上にひとが少なかった。無人の街かと思うほどで、ひこにゃんブームがあったのに、それが嘘のようだ。だが、どの地方都市も似たようなものだろう。人の多さに筆者が慣れっこになっているだけのことで、地方都市に住む人は人の少なさをあたりまえと思っている。そして、そういう人の方が日本には圧倒的に多い。筆者がおかしいのだ。人が少ないと車道に気を配ることが少なくて済み、気分は楽だ。筆者が梅津のスーパーに行く時は、その間ずっとバスや車に気をつけている。それは精神的にかなりのストレスになっているはずだ。高齢者がアクセルっとブレーキを踏み間違えて車が逆走し、それに轢かれて死んだというニュースは毎月のようにある。そうでなくてもスピードを上げた車が少しのハンドル操作ミスで反対側の歩道に突っ込み、人が死ぬというニュースもあって、車道際の歩道を歩くのは命がけの時代だ。便利な車だは、走る凶器であり、それが歩行者の脇すれすれを平気で走っているという状態は、1万年前の人間社会より各段に野蛮で、文明の進歩などと自惚れているが、かえって人間は頭がおかしくなり、危険に鈍感で、また獰猛になっている。ともかく、車で溢れ返る道路というのがごく少ないのが地方都市のよさだ。ただし、今では小売店が全滅同然で、地方都市ほど車社会になり、車なくして生活出来なくなっている。それもおかしな話で、便利さの追求の果てに不便でがんじがらめになっている。そう言えば彦根城にやって来る人は99パーセントが車のようだ。彦根城はJR彦根駅から徒歩10分程度の距離で、それほど近いので行くことを決めたと言ってよい。またそれほど近いのに、誰しも車でやって来る。もうそれがあたりまえの光景で、筆者のように車を持たない生活は変わり者と見られる。
●彦根市内を歩く_d0053294_043457.jpg

 今日の最初の写真は益から彦根城に向かう道で、街路樹に松が植えられていることに驚いた。高松ではオリーヴの木を街路樹にしていた。松とはえらく風格があるが、さすが彦根城につながるメインの道だ。写真の奥に突き当たりが見えるが、そこが城の区域だ。城下町ということでさすが落ち着いた雰囲気で、人がほとんど歩いていないのがかえっていいかもしれない。2枚目は石材屋で、同様の店が反対側の道路にもあった。また全部で4軒はあったのではないだろうか。それも城下町らしい。玄関前に石燈籠とひこにゃんの石像がある。石燈籠は彦根くらいの街であれば、家の庭に飾る人はまだまだ多いだろう。京都市内ではもうそのような家は珍しくなっている。雪見燈籠程度の小型であればそうでもないが、写真に見える背の高い春日型となると、庭の大きさもかなりのものでなければ映えない。それでたいていの庶民は死んだ後の墓石程度しか大きな石の塊に縁がないが、墓のない人も増加中のようで、石屋はますます商売が難しい。それでひこにゃんのようなキャラクターを彫って看板にする店が今は普通になっている。彦根なのでマスコットのひこにゃんはまだいいと思うが、キティちゃんやミッキーマウスといった、ぬいぐるみの石版を見ると、がっかりする。だが、そういうものでも売れるから造られる。つまり、売れれば勝ちで、売れればどんなものでも価値が出て、正当化される。そのため、売れない石の布袋さんといった古めかしいものは忘れ去られて行く。それはそれでいいのだろう。さて、3,4枚目の写真は彦根城の中を見た後、商店街に入って撮った。3枚目は信号の奥が城だ。同じ場所に立って反対方向を向いたのが4枚目で、1枚目の駅前の通りとは違って賑やかだ。ちょうど嵯峨の天龍寺前のような洒落た店が連なる雰囲気の道で、なかなか情緒がある。近年整備されたようで、建物の景観も守っているようだ。人もそれなりに目立ったが、それでも少ない。それでどの店も経営が成り立っているのかと思うが、筆者が心配することではない。江戸時代と道幅がどう違うのかだが、車道は拡幅したのだろうか。4枚目の立ち位置から2分ほど奥に歩くと、通りの向こう側に有名な寺がある。そこに入って写真を1枚撮ったのに写っていなかった。江戸時代は朝鮮通信士の行列がこの道を歩いて東海道を東へ行ったそうで、また一行はその大きな寺に泊まり、近所の料理屋が勝手門から料理を運んだそうだ。正門とは別にその門は今でもある。そんな古い昔の様子を想像すると、この付近はほとんどその頃のままのような気がして楽しかった。京都ではもうそんなところはない。寺と神社の境内以外は何もかもすっかり変わってしまい、しかも毎年変わり続けている。そんな街を誰が長らく覚えているだろうか。その点、彦根は風格があってなかなかよい。明日からしばらくは彦根城の写真を載せる。たくさん撮って来たので10日くらい続くかもしれない。
●彦根市内を歩く_d0053294_045870.jpg

by uuuzen | 2016-02-14 23:59 | ●新・嵐山だより
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