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●がんもどき
●がんもどき_d0053294_23384679.jpg擬き」という漢字を宛てるようだが、どこが雁のようなのかわからない。筆者が「がんもどき」を知ったのは漫画であったと思う。大阪ではそう呼ばずに、「ひろうす」と言う。「がんもどき」の方がごつごつした感じで、岩のように見えるからかと思うが、岩のような食べ物は岩のように固い「岩おこし」にあって、大阪でも食べ物を岩と結びつける発想はある。



●がんもどき_d0053294_23395441.jpg

ただし、「がんもどき」が「岩もどき」というのは筆者の想像に過ぎず、筆者も本当のところは「雁もどき」と思っていた。それはさておき、家内が入院する前日、先月28日のことだが、病院でまたMRTの検査があって午後遅くに自転車で出かけた。その時、めったに寄らないスーパーに入った。300円で袋入りのおでんセットが売られていて、とても安かったので家内は買おうとしたが、筆者は食べないと言った。家内は自分が入院中に筆者が食事のおかずをどうするのかが心配で、そのような出来合いのおかずを買えばよいと思ったのだ。冷蔵庫の中には何かと食べ物があるので、2週間くらいはスーパーに行かなくても困らないつもりだ。それで300円のそのおでんセットはほしくなかった。ところが、家内は病院に着いてからもそのおでんの話をした。300円とはよほど安いからだ。こんにゃくにちくわ、大根にごぼ天、そしてがんもどきが入っていたと思う。出汁が染みこんだがんもどきはおいしい。それはわかっているが、出来合いのものはあまり買う気が起こらない。さて、その日の検査は30分ほどで終わり、翌日の朝に入院したが、手術は31日で、2日間はほとんど何もないのにベッドにいなければならない。体調を整えるためらしい。注射をしたり、レントゲンを撮ったり、それなにすべきことがあるが、手術を待つその2日間は嫌な待機時間のはずで、気が滅入るのではないだろうか。手術の前日は午後2時から執刀医から説明があって、筆者は自転車で1時間前に病院に着いた。そのように言われたからで、実際は2時ぎりぎりでもどうにか間に合った。だが、そういうように物事をぎりぎりに考えるのはよくない。筆者はその癖があって、ぎりぎりにならないと腰を上げない。1時間前に着いたことで、いつもの倍近い速度で走ったために高まった心臓の鼓動を鎮め、心を落ち着かせることが出来た。なぜいつもの倍近い速度で走ったかと言えば、それが今日書こうとしていることだ。先日触れたように、その日は嵐山を起点とする自転車道路を松尾橋まで走り、桂川左岸の2か所で護岸の復旧工事が行なわれていることを知った。その写真を撮るために一旦家に戻り、カメラを持って出かけ直したが、その自転車道路は90度曲がっている桂川の流れに沿っていて、いつもわが家から松尾橋に至る際に利用する物集女街道を行くよりかなり距離がある。倍はないが、それに近い。それで病院に行くのに時間が多く必要で、その分焦ったわけだ。ところで、対岸の護岸工事の撮影だけが目的ではなかった。自転車道路の際で若い男性がふたりがかりで背丈ほどの石燈籠を数十秒で組み立てたのを見て、その様子を写真に撮ろうと思って一旦わが家に帰ってカメラを手にした。つまり、医師の説明があるという重要な時刻を前にして、筆者は石燈籠の突如の出現を目の当たりにし、それをどうしても撮影しておきたかった。その石燈籠は数個に分解出来るもので、若者がパーツを軽々と持ち上げながら積み重ねていた。自転車道路の河川とは反対方向はかなり地面が下にある。つまり、自転車道路は土手のてっぺんにあり、その外側に車が走るさらに大きな土手がある。ふたつの土手に挟まれた間の土地は嵐山東公園で、野球のグラウンドもあったりする。
●がんもどき_d0053294_23392956.jpg

 石燈籠を据え置いた若者の動きはとても素早かった。発泡スチロール製だろう。贋石の燈籠だ。それが据えられた土手を下がった公園内部に大きな車が2台停まっていて、さまざまな大道具を運び出していた。石燈籠を見た時からTVドラマか映画の撮影だとわかったが、てきぱきと行動しているのは、地元住民がよく歩く場所であるし、また公園の利用許可の点からそう何時間も使えないのだろう。ともかく、贋石燈籠の設置を見てすぐに家に帰り、カメラを持って出直すと、贋石燈籠を組み上げたふたりは、今度はそのそばで凧揚げの練習をしていた。その写真は一昨日の最初に載せた。風はあまりなかったが、土手でまたさえぎるものがほとんど何もない場所なので、凧はすぐに舞い上がる。その様子を見てふたりは首尾よく物事が運んでいることを喜んでいた。石燈籠を含めた写真を3枚撮った後、振り返って少し彼らを見つめていると、奥の方から青磁色のタクシーが2台公園内に入って来た。それとは別にさらに大きな車がもう1台続いて来たが、撮影とはそれほどに大世帯を必要とするもののようだ。20名以上はいたと思うが、青磁色のタクシーで駆けつけたのは監督や俳優だろう。公園の地面から石燈籠はかなり見上げる形になる。自転車道路をキモノを着た男児が凧を揚げながら走る様子を低いところから撮影すれば、背景は空のみで、江戸時代と言ってもよい光景となる。それほどに京都でももはや時代劇を撮影するのに苦労するということだ。撮影の大道具には張りぼてがつき物だが、設置された石燈籠を間近で見ても本物そっくりなことに驚いた。一部石の剥がれがあって目を引いた。それは何遍も使用してそうなったのではなく、時代感を出すためにあえてそのように造ってある。その贋石燈籠を見て思い出したのは、駅前に出来るマンションの建設現場であった料亭の本物の石燈籠だ。去年7月24日に撮影したそれらの石燈籠の写真は今年の同月同日に投稿した「その338」に載せたが、1枚忘れていた。あるいは知っていながら段落数の関係で載せることを止めた。ともかく、それら石燈籠の没になりかけていた写真を今日載せるが、それはもちろん贋石燈籠と本物の燈籠を対比させるためだ。なぜそんなことをするかと言えば、家内の肺に出来た腫瘍だ。てっきり癌と思っていたが、贋癌であった。これを「がんがん」と読むほどに嬉しい衝撃であった。贋石燈籠を無事に撮影出来た後、全速力で病院に駆けつけ、その1時間後に医師から肺の4分の1を削除しますと言われ、家内も筆者も覚悟した。ところが贋癌であった。それを良性の腫瘍と言うのだろうが、それは全部摘出したので、本当はよくもない。癌と比べてましというだけのことだ。それにしても、現在の画像診断では腫瘍の存在はわかってもそれが癌か贋癌かはわからない。横腹を切り開き、実際に見つめ、そして一部の組織を切り取って調べないことには贋か本物かわからない。まるで贋石燈籠のようだ。
●がんもどき_d0053294_2340318.jpg それにしても手術前のMRT撮影の日にスーパーで「雁もどき」を目撃し、手術の前日に贋石燈籠見かけるとは、家内の肺の腫瘍が贋癌であることの予兆であったと思いたいほど、筆者は手術後に医師に呼ばれて説明を受けた時の喜ばしい「がんがん」とした衝撃は記憶にない。だが、このようにふざけるのはまだ早い。右肺の内部にも同じ大きさの腫瘍があるからだ。それは手術出来ないと聞いた。内部なので肺を切り開く必要があるが、それが出来ないというのだろか。左の腫瘍が癌ではなかったので、右もその可能性が大きいそうだが、絶対というわけではない。ともかく左を先に手術し、それから右は考えましょうという話であった。一旦退院した後、年内にもまた家内の病院生活が始まるかもしれない。それとは別に直腸の検査も受けるように8月の市民検診では結果告知が来た。肺か直腸のどちらを先に精密検査するかと考え、肺を優先したのであって、直腸検査は退院後すぐに受けるつもりでいる。まだまだ安心は出来ないが、ともかく心配した肺癌は贋癌であった。それを「癌もどき」と呼んでいいだろう。医師からは手術が終われば切り取った患部を見せると言われたが、医師としても拍子抜けしたのかどうか、4枚1組の写真を1枚見せられただけであった。その点だけは、発泡スチロール製すなわち贋石、ではなく贋医師と言ってよいが、片肺の4分の1という量に比べるとかなり少ない切り取りなので、そんなものを見せても「感動」がないと考えたのかもしれない。ところで、手術後に切り取った臓器を見せるのは、本当に手術をしましたよという証明のつもりだろうか。手術をしていないのに、したと言う悪徳医師がいた、あるいはいる可能性があるということなのだろう。では、贋癌の写真は贋ではないという証拠はあるのだろうか。ネット時代になって画像は真実を伝えないと思うことが常識になった。そうであるから、手術で切り取った部位を近親者に見せるのは騙され具合が減ってよい。それはさておき、撮影で使われる贋石燈籠は普段は倉庫の暗がりに収められている。一方の本物の石燈籠は雨ざらしだが、庭に設置される場合は人目につきやすい晴れの場所だ。贋も本物も役割がある。だが、腫瘍は贋も本物も避けたい。今日の最初の赤い薔薇の写真は今日の夕方に撮った。直径3センチほどの小さな花で、家内の肺から切り取った程度と同じではないだろうか。
●がんもどき_d0053294_23401838.jpg

by uuuzen | 2014-11-01 23:59 | ●新・嵐山だより
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