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●『あなたの女』
れようとする場面が続く復讐ドラマの代表で、この手のものが韓国ドラマのひとつの大きなジャンルとなっている。どれも同じような結末になるので、またかという気になるが、毎日見ているとそれなりに気になって楽しみとなる。



そして1時間ものとしての編集では全60話とか70話ほどの長丁場となるから、半ばまで見ればもう最後まで見てしまわないことには気が済まない。そして最終回は案外面白くなく、記憶にさして残らない。最もわくわくするのはちょうど半ば辺りだ。本作もそうだ。本作は後半に新たな登場人物がふたり加わって意外な方向にドラマが進む。それが最初から考えられた脚本であることは、最初に方に布石として登場する小道具やまた子役からわかる。だがあまりに長いドラマなので、半ばを過ぎると最初の方はあらたか忘れている。それで録画したものを確認すると、なるほどよく練られた脚本であると膝を打つことになる。本作で気になったのは、主人公の薄幸な女性ユジョンことウンスが幼い時に施設に母から預けられ、その時に母と分け合った星型ペンダントだ。そうしたちゃちな小道具を韓国ドラマはよく用いる。それほど指環やペンダントを好む民族だ。星型ペンダントは五角形の銀色の星が縦にジグザグにふたつに割れていて、それぞれに鎖がついている。ウンスの母はあまりの生活苦にそのペンダントの片方をまだ赤ん坊のわが娘に手わたし、自分ももう半分を所有して数年後に迎えに来た時の親子を示す徴とした。ところがいろいろあって母は迎えに来ず、ウンスは死んだことにされて名前が変えられ、別の施設に移されて育つ。そして手元には星型のペンダントがあり、それとぴたりと合う片割れを持つ女性を探すことになる。ドラマの半ばより少し前の回で、大人になったウンスはその片割れのペンダントが百貨店の売り場に落ちているのを見かける。それを落としたのは母親に違いないと思い、それを百貨店に預け、引き取りに来た人物があれば連絡がほしいと伝える。そして中年のサングラスをかけた女性が後日それを引き取りに来るが、わずかな差でウンスはその女性をつかまえることが出来ない。雑踏に紛れて去ってしまうその中年女性の顔は、ドラマ後半に登場するウンスの母とは顔が違う。そこで筆者は長い連続ドラマであるので、後半に登場する配役は前半では決まっていなかったのだなと思うことにした。ところが、視聴者のそういう思いを見越して、百貨店にペンダントを引き取りに来た女性は母の秘書であることが語られる。それで顔が違って当然ということで、細部がかなり雑に出来ている韓国ドラマの中で、本作は割合きめ細かく作られていることを思わせた。かなり雑というのは、時代考証のいい加減さだ。1960年代の韓国にはあり得なかった本の装丁や壁紙など、目について仕方がないものは多い。それはきっとドラマ制作に携わっている人たちが30代や40代で、60年代の韓国の貧しさがわからないからだ。それほど急激に韓国は経済成長を遂げ、60年代でも今と変わらぬさまざまなデザインがすでにあったと思い込んでいる。あるいは、60年代があまりに惨めな状態であったことを認めたくなく、またドラマに見える形で描きたくなく、背伸びをしたがっている。しかしそういった時代考証はドラマにとってはごく細部で、見てほしいのは人間の愛憎であるという監督の考えであろう。
 韓国ドラマの愛憎劇はあまりにもえげつないと言ってよいが、現実はどこの国でも同じだ。今日筆者は江戸時代の腐敗した武士や町民との関係についての史実について書かれた本を読んでいた。そこに描かれる内容は韓国ドラマ以上で、まさに現実は小説よりも奇であることを実感した。本作のような復讐劇があまりにも人間の暗部についてこれでもかとしつこく描いていることに辟易する人があろうが、人間はいつの時代も変わらない。そういう暗部に遭遇せずに人生を過ごす人がおそらく多いだけのことで、そういう人には信じ難いことが現実にはいくらでも起こり続けている。本作に話を戻すと、どの韓国ドラマでもそうだが、超金持ちと貧乏人のふたつの家族が登場する。金持ちは心がきれいであったから神様が褒美として金をたくさん儲けさせてくれたのではない。韓国ドラマはそう単純には物事を見ない。ドラマでなくてもそうだろう。金持ちは陰で悪いことをして来た、そしてとてもけちなので金が貯まっただけと世間は見るものだ。それは金持ちに対するやっかみゆえだが、そればかりとは限らない。実際に冷酷であってしかも金儲けに貪欲でない限り、莫大な金というものは貯まらない。本作ではそういう金持ちが登場する。昔は田舎で工場勤務していたのに、今ではソウルで食品会社と建設会社を持つ財閥になっている。つまり戦後の成り上がりだ。韓国の財閥はみなそうだ。戦後のどさくさにかなり際どいことをして財閥となるきっかけをつかんだ。際どいこととは政治家への賄賂や、また商売敵を蹴落とすための暴力などの悪事だ。それはもう決まってそうであると言ってよく、財閥をそのように叩けば埃がいくらでも出る存在として描くことで、大多数のドラマを楽しみにする庶民の溜飲を下げる。だが、そういう財閥も二代目となると、坊ちゃん、譲様育ちで、親世代の悪事を知らずに育っている場合が多い。そのように描くことで、財閥は代を重ねると名家として崇められる現実を視聴者と共有する。日本でも言われることだが、やくざも代を重ねると、それなりに名家の出といった雰囲気を醸し出す。武士もそうであって、最初の武士と、明治維新前の武士とでは随分風格に違いがある。それはともかく、本作のウンスと結ばれる男性の主役ジョンフンは、いかにも坊ちゃん育ちの青年で、悪事を働くということを知らない。そして薄幸のウンスを愛する。当然ジョンフンの両親はどこの馬の骨かわからないウンスを嫁にとは考えない。自分たちと同じような大金持ちの娘と見合い結婚してほしいのは当然で、それは日本でもどの国でも同じだ。金持ちになると、財産を少しでも減らすことに敏感になり、息子や娘の結婚は財産を増やす機会として利用したいと考える。ジョンフンが親の言いなりで、名家の娘と結婚すれば、本作はあり得ない。そこでジョンフンとウンスの純愛を描く。ウンスは妊娠し、ジョンフンがそのことを知らないままに、ジョンフンの父はウンスを息子から引き離そうと企てる。父にはかつて友人がいて、その友人が死んだためにジョンフンより少し年上の男ドンヨンと、その妹セヨンを引き取って育てた。その兄妹はジョンフンの父に恩義があるのだが、ドンヨンは自分の父が死んだのはジョンフンの父の悪だくみのせいであると信じ込んで育ち、いつか自分が会社のすべてを乗っ取ろうと考えている。ドンヨンとセヨンの恨みは誤解だが、ドラマの中でついにふたりはそれに気づくことはない。そしてジョンフンの父は会社を大きくする時にドンヨンの父といさかいを起こし、その醜い場面を幼いジョンフンは物陰で目撃し、そのことがトラウマとなって父を心底信じることが出来ず、会社はドンヨンに譲ってもいいと考えている。そのジョンフンの人のよさに乗じてドンヨンとセヨンは父の恨みを晴らすべく、悪事を重ねて行くが、それがいつ瓦解するのかが本作の見所で、ふたりの失脚に反比例してウンスはジョンフンの父とは比べものにならないほどの富豪である実の母と再会するなど、考えられる限りの幸福をつかんで行く。母に捨てられた形の薄幸の女性が財閥の御曹司と一旦別れながら、6年後に再開し、しかも母まで見つけるというシンデレラ・ストーリーで、またかと誰しも思うが、最終回まで悪役がじたばたして悪態をつくので、不幸であった主人公が幸福の絶頂に到達してもあたりまえと感じる。
 以上の説明の中で全く触れていないことがある。それはジョンフンの父が貧しい育ちのウンスを息子と別れさせるためにドンヨンに策を講じらせることから生じる縁だ。ジョンフンの父はウンスを殺せとは言っていないが、それに似た言葉をドンヨンに言う。「邪魔者は消せ」とは恐ろしい考えだが、ジョンフンの父はそのようにして商売を成功させ、誰もが羨む大金持ちになって来た。そしてその過程で悪事を働く連中をドンヨンやその部下に抱えることになった。早い話がやくざを抱えている。ウンスの始末を誰にさせるかとなった時、ドンヨンの部下の部下といったチンピラが動く。今はやくざから足を洗っているが、相変わらず金に困り、どうにかして生活を立て直したいと思っている仲間がいておかしくはなく、チンピラはそういうかつての仲間を金で動かし、ウンスに危害を与えようとする。そこに登場するのがジングという青年で、母と弟と田舎で暮らしている。弟は職がなく、自分も同じで、かつての仲間から一度だけでいいので仕事をしてくれと言われてその話に乗る。それは夜の闇の中、辺鄙なところに呼び出したウンスを車で跳ねて大けがを負わせることだ。ウンスは妊娠中で、そのまま行けばジョンフンの両親の反対はあるが、どうにか結婚まで漕ぎつけられたかもしれない。だが、ドンヨンの妹のセヨンはジョンフンと結婚することを幼い頃から夢想し、ドンヨンも妹がジョンフンと結婚すれば会社のすべて自分たちのものにするには好つごうと考えている。つまり、ジョンフン以外は誰もウンスの味方はおらず、ウンスは消される運命にあった。ウンスはジングの車に跳ねられた後、ジングは事の重大さに気づき、ウンスをかくまう。ウンスは記憶喪失となり、そのままジングと結婚した形で、ジングや母、弟と同居し、しかも妊娠していた子を出産し、そのまま6年を過ごす。ジングの母はジングがウンスを故意に跳ねたとは知らず、また生まれた息子は自分の孫と思い込んでいる。このまま田舎でウンスがジングの妻として生活したのであれば、本作はない。またウンスは記憶喪失になってからはジングからユジョンと呼ばれて夫婦の仲もよい。ジングはウンスを跳ねるという悪事を働いたが、ユジョンを妻として愛し、ささやかな家庭を楽しんでいる。貧しい生活であるので、携われる仕事と言えば、食べ物商売だ。ウンスはジョンフンの会社に勤務し、そこで弁当を企画するなど、食品関係のことに関しては才能を発揮する。記憶喪失になってもその才能はそのままで、ジング一家と弁当を作ってソウルの会社に売りに行くことにする。そこでひょんなことでジョンフンと出会うが、ジョンフンは6年前に死んだはずのウンスが目の前に現われ、どぎまぎし、ウンスはジョンフンのことがわからない。ウンスはジョンフンの会社に弁当を運びながら、なぜか自分は会社のトイレの場所を知っていることを不思議に思う。記憶はないが、体が覚えていたのだ。そのようにしてまたジョンフンやその両親、ドンヨンやセヨンの前に姿を現わしたウンスだが、当然また排斥されようとする。
 一番の悪役はセヨンだが、何を思ったのか、ドラマ中盤でウンスの息子ジュニを保育園から連れ出す。ちょっとした悪戯でウンスを慌てさせるつもりであったのが、目を離していた隙にジュニはひとりで場所を離れ、車に轢かれてしまう。慌てたセヨンはそれを目撃しながらその場を去り、ジュニはウンスの手元に戻るが、入院してしばらくは意識が戻らない。このセヨンによる誘拐の場面は不要と思うが、ウンスにとっては許すことが出来ない仕打ちで、結局セヨンはジュニを誘拐した罪で服役することになる。それが最終回とその一話前のことだ。服役で思い出したが、ウンスを演じるのは『福寿草』の主役を演じたイ・ユリで、彼女はそのドラマでは服役する場面があった。そこでは同房者にさんざんいじめられながら、テヤンという男の子を刑務所で出産し、荒くれた同房者がいつしか彼女の味方になるという物語であった。その同房者たちにいじめられる場面と同じことを、服役したセヨンも経験する。だが服役年数はわずか1年だ。出所したセヨンにジョンフンが援助の手を差し伸べるが、ゼロから始めたいと殊勝なことを言い、そしてかつてのウンスと同じように狭い部屋で弁当を作って売りに行く生活を始める。全くウンスと立場が逆転したセヨンだが、顔は晴れ晴れとして幸福そうだ。その点ではハッピーエンドだが、兄のドンヨンは最期までジョンフンやその父を怨み、自殺してしまう。またジョンフンの父も病から死ぬが、それは当然の筋書きだろう。よくないこともさんざんして来て財を蓄えたのであるから、最期は悔いて死ぬしか視聴者は納得しない。だがその父にもいいところと言える部分がある。かつて田舎の工場で働いていた時、同じ工員の女性と結婚したが、憧れていたのは工場で一番の美人であった。その美人がジングの母で、家政婦として家にやって来る。最初は夫婦とも彼女がかつての工場の同僚とは思わない。それほどに年月が経ち、容貌が変化したということだろう。同じように貧しかったのに、一方は社長夫人で贅沢三昧の生活、もう一方はその日暮らし同然の貧しさだ。だが、何日も経たない間にかつて仲がよかった同僚であることをお互い知る。そしてジョンフンの母も父もジングの母の生活ぶりに同情し、地価の高い江南に自社のフランチャイズの店舗を持たせる。それだけの人間性はあったのだ。またジョンフンの母はかつての田舎育ちが抜けず、家の中ではまるで田舎のおばさんのスタイルだ。そこにも成り上がり者の現実が描かれている。あるいはそれなりに正直者という設定だ。それは同居しているその母の妹からも言える。彼女は40近い年齢であるのに独身で、冴えない人生を送っているが、正義感が強く、やがてジングの弟と仲よくなる。うんと年齢が離れているし、女性は金持ち、男は無職であるから、双方の家族が親しくなることを警戒しているが、ふたりは協力してウンスのために行動し、セヨンとドンヨンの悪事を明らかにしようと活躍する。こうして書いていて切りがないが、セヨンについてもう少し書くと、彼女はジョンフンと結婚するために酒に酔った勢いでチンピラと一夜を共にして出来た子をジョンフンの子であると主張する。遺伝子検査まで偽造するのだが、悪知恵はそれに留まらない。妊娠したその子は流産してしまうが、セヨンにはもうひとりの子があったことが後半の後半でわかる。だが、その子はドンヨンがセヨンの将来を思って死んだことにして施設に預けていた。その同じ施設でウンスは育ち、しかもセヨンの子を憐れと思って大事に見守って来た。その子の父は有名なシェフ、そしてウンスの実の母の養子となってドラマ後半に登場する。セヨンはそのシェフとかつて恋愛関係にあったが、セヨンのねじ曲がった性格によって敵意を持ったまま別れた。だれ気味になる後半に入って登場するそのシェフとウンスの実の母親は本作を面白くしているが、韓国ドラマの複雑な絡みはどの回も飽きさせないという製作者たちの執念による。ウンスはセヨンに比べて美人度は劣るが、美人でない分、かえって印象に強い。それに演技もさすがにうまい。ジングの母やジョンフンの両親は他のドラマでも馴染みの名脇役で、彼らの出演によってドラマに風格が具わっている。ジング役のイム・ホは時代劇によく起用されるが、現代劇でもさすがに個性ある演技をする。
by uuuzen | 2014-10-03 23:59 | ●鑑賞した韓国ドラマ、映画
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