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●和歌山県立近代美術館で昼食
められて訪れることがほとんどない筆者で、特に外食する時はそうだ。腹がふくれれば何でもいいと思っている筆者であるから、出かけた時に何を食べるかで悩むことがあまりない。



●和歌山県立近代美術館で昼食_d0053294_11392725.jpg
値段が安いものと決まっていて、家内はそのことに辟易しているが、だいたいいつも食べる店は決まっている。今思い出した。前にも書いたことがあるが、筆者が大阪で設計会社に勤務していた昔、昼は麻10時頃に総務の女性が弁当の注文を訊きに来た。外に食べに行くこともあったが、たいていは会社の中でその弁当を食べた。御飯とおかずが同じ形の海老茶色の長方形のプラスティック容器に入っていた。それを弁当屋が12時直前に運んで来る。毎日似たおかずで、2,3か月もすると飽きて来る。そんなある日、その弁当屋が特製弁当が注文出来ると言い始めた。半円形の黒のプラスティック容器に御飯とおかずが一緒に入っていて、海老茶色の長方形にたっぷり入っていた御飯は7割ほどに減り、その代わりにおかずが倍とは言わないが、かなり豪華だ。価格は海老茶弁当の1.5倍ほどで、筆者はおそらく会社では最初にそれを注文した。そのためかなりその行動は目立った。さすが高い値段だけあって、おいしかった。すると1,2か月経つと筆者に同調する人が増え、海老茶弁当と同じくらいの数が届くようになった。弁当屋に筆者は大いに貢献したことになる。半年後は海老茶弁当の方が少なくなった。それと同時に、特製弁当は質が落ち始め、また筆者は飽きて来た。物価がさほど上昇したのでもないのに、特製弁当がよく売れるとなると、弁当屋はそれに力を入れ、そして質を落とし始めた。よくあることだ。それで筆者はまた海老茶弁当を注文するようになったが、特製弁当とほとんど中身が変わらない。このことで学んだのは、特製メニューは店にとって儲けが多く、消費者は内容に比べて高い値段を支払う。特製というイメージに高い値段を支払ってもいいと錯覚するのだ。それで筆者は外食する時に、そういった1品か2品多いだけで200円や300円ほど高いメニューを注文しない。家内もかなりそういう店のからくりはわかって来ているが、それでも店の前に立って細工物のメニューを見ると、最も安いものではなく、上の下程度のものを注文したがる。惨めな思いをするのがいやなのだ。たかが大衆向きの店で惨めもへったくれもないと筆者は思うが、外食した時にはそれなりに見栄を張りたい気分はわからないでもない。だが、家内は酒が飲めないので、外食とはいえ、酒飲みが喜ぶような店には入らない。そのため、夫婦で食べても料金は知れているが、筆者は最近はあまり外食を歓迎しない。それよりかは、スーパーでいろいろ買い込んで家でゆっくりした方がいい。だがそれは家内が調理などをする必要があるから、家内はいやがる。それでも店の前に立ってウィンドウのメニューを見ると、もうどこもみな同じに見え、食べる気力を失う。ひとり1万円ほど出すならば非日常的な雰囲気で食べられるだろうが、そういう経済的余裕はない。庶民はせいぜい1000円台の昼食が常識ではないだろうか。その値段では最初からどの程度のものが出て来るかはわかっている。さて、和歌山に行く前にネットで名物を調べると、ラーメンとあった。筆者はラーメンはあまり好まない。それで和歌山で有名な店を探すことがなかく、どこで何を食べるかは行き当たりばったりでいいと考えた。南海和歌山駅から初めてバスに乗った。あれよあれよと思っている間にJRの和歌山駅前に着いた。そこは初めて見る。従姉の息子ふたりはその駅に近いところで住んでいた。長年JR和歌山駅がどういうところかと思っていたが、訪れても別段感激はない。昼食には1時間ほど早く、同駅周辺をうろつくこともなく、すぐにまたバスに乗って和歌山城のすぐ近くで下りた。南海和歌山駅からJR和歌山駅に向かう途中の道筋は初めて見たが、和歌山市で最も大きな繁華街を通り抜けた。キャバレーらしき派手な建物やパチンコ屋が目に入ったが、全体の雰囲気は昭和40年代だ。和歌山はその頃からさして変わっていないのではないか。商店街が2,3本車窓から見えたが、どこもシャッター通りとなって閑散としていた。いつ頃からそうなったのか知らないが、シャッターを閉めた店が並ぶ光景はさびしい。
●和歌山県立近代美術館で昼食_d0053294_233738100.jpg
 そのような状態であるからどこで昼を食べるかはかなりの問題と思った。前回家内と和歌山を訪れたのは10数年前で、何の展覧会を見たのか忘れたが、美術館の中のレストランでコーヒーを飲んだことはよく覚えている。窓から和歌山城が見え、その眺めがとてもよかった。コーヒーもおいしかったし、店の雰囲気もよかった。訪れた時間が午後4時近く、コーヒーを飲み終えた時は閉館間近であった。展覧会を見た後和歌山城を見物し、そしてそのレストランに戻って来たのだと思う。ではその日の昼はどこで食べたかだが、記憶にない。ともかく、そのレストランを今回行く前に思い出し、また入ろうと決めていた。10数年の間に経営者や屋号は変わったかもしれないが、同じ場所で営業していた。美術館がなくならない限り、その店も営業するだろう。そしてそういう店は和歌山県の公共入札で出店の権利を得ているはずで、商店街などで店をかまえるよりかは場所代は高くないだろう。そのためかどうか、美術館の内部のレストランはどこも割安のメニューとなっている。家内と展覧会を見た後、自然とそのレストランの前に出て来た。その時に撮った写真が今日の最初で、逆光なので拡大してもあまり雰囲気はわからないと思うが、左手に1階へ下りる階段が写っている。左端にはメニューを見つめる家内の姿も見える。壁の赤がなかなか洒落ているが、設計者の黒川紀章の考えだろう。この階段を使わずとも、写真の立ち位置のすぐ背後に透明エレベーターがあって、たいていの人はそれを使って2階に上る。またレストランに入るには館内のそのエレベーターや階段を使わずに、写真で言えばガラスの向こうのガラスに取りつけられた扉から出入り出来る。その扉は建物のテラス、そして建物の外に設置されたレストラン専用と言ってよい階段とつながっている。つまり、美術館を利用しなくても、歩道から直接入ることが出来る。これは人口が少ない和歌山であるから、普通の店と同じように客が利用出来るようにと考えられた。そういう客がどれほどいるのかどうかだが、近所には同じように見晴らしがよくて割安感のあるレストランはおそらくないだろう。そのため、案外このレストランを利用する一般客は多いと思う。筆者らが食べている時にもそういう客が入って来た。さて、展覧会を見終えた後、昼食には最適な時間であった。館内のレストランの前でメニューを見ると、ランチが1200円ほどであったか、内容を考えればとても安い。お奨めの店といったところで、サラダにスープ、それにメインの料理の後にコーヒーやデザートもついている。量は少なめだが、次々と出て来るので家内は驚き、そして喜んだ。同じものを京都で供すれば2000円はするかなどと話し合いながら、筆者は自分が庶民の代表であることを感じていた。そのレストランでの最高価格の料理はステーキで、それでも3000円はしなかったはずで、儲けがあるのかと心配になった。何よりの御馳走は窓からの眺めで、和歌山城がよく見えることだ。それだけでもこのレストランに入る価値がある。筆者らがいる間、10人ほどが次々に入って来た。それでも満席になることは稀ではないか。そのことはこの美術館にも言える。豪華で立派な建物で、和歌山からすれば破格の工事費がかかったであろう。バブル期に企画され、90年代半ばに出来た。いい時期に造ったものだ。今ではとうてい無理だろう。大阪がいい例だ。県立美術館は最初は和歌山城内にあった。60年代のことで、和歌山城周辺は県立美術館を除き、当時の雰囲気が保たれているだろう。立派な建物が出来て多くの来館者があればいいが、地方美術館はどこも似たようなものだろう。経済が疲弊すると真っ先に削られるのは文化に供する費用で、まさか和歌山県立美術館がお荷物になって人件費が賄えないということにはならないと思いたいが、自然災害と同じのようなもので、どうなるか先のことはわからない。美術館の奥に博物館が隣接している。食事の後その売店に行って、目当てであった野呂介石展の図録を買った。店員は若い女性で、手持ち無沙汰のようにしていたから、筆者が図録を買ったので少しは仕事が出来た。和歌山は日本の文人画家に関心のある人は訪れてみるべきだ。祇園南海や桑山玉洲の絵をより味わいたいのであれば、和歌山の光を浴びてみるのがよい。和歌山市内には名古屋のように大きなバス道が縦横に走っているが、もちろん江戸時代はどこも細い道であった。そういう時代のことを想像しながら歩くと、城の存在感がまた違う。それはさておき、2枚目の写真の右端中央がレストランで、その奥に博物館があって美術館とは地下でつながっている。今度訪れる時は博物館にも入ってみよう。
by uuuzen | 2014-10-02 23:41 | ●新・嵐山だより
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