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●梅田スカイビル、その2
貿易センタービルと聞くとマンハッタンにあったツイン・タワー・ビルを思い出すが、それがテロで倒壊させられたのが2001年9月であった。梅田スカイビルの展望台には完成して間もない頃に息子を連れて行ったが、小学生の何年生か覚えていない。



●梅田スカイビル、その2_d0053294_16271.jpgそれで適当に四半世紀ほど前と先日何度か書いた。先ほどネット検索すると、1993年3月の竣工で、21年前であることがわかった。このスカイビルがニューヨークの貿易センタービルを多少真似て設計したような気もするが、ふたつの搭を結ぶ空中庭園を造ったところがミソで、それが遠目にもよくわかるデザインになっている。ただし、高さは比べものにならないほどで、貿易センタービルは528メートルの高さがある。スカイビルのちょうど3倍で、途轍もない。阪急電車で京都から大阪に向かう時、淀川をわたる時に右手にスカイビルが見える。巨大で背がとても高く見えるが、その3倍の高さは想像を絶する。いかにマンハッタンに摩天楼がたくさんあるかがわかる。スカイビルが500メートル以上あるとして、同じ規模の建物が周囲に林立していれば、スカイビルの高さをさほどとも思わないだろう。スカイビル周辺にはまだまだ多くの、また貿易センタービル並みに高さのあるビルが今後建つかもしれない。あべのハルカスを思えばその想像は当たるだろう。だが、ハルカスでも300メートルであり、貿易センタービルがいかに高かったかを今さらに思う。またそれほどに高かったので、テロリストの標的にされたのかもしれない。ジェット機が突っ込まなければ今もそのまま建っていたはずだが、老朽化からいずれ建物は取り壊さねばならない。一昨日は横浜だったか、高層マンションの基礎を固める杭が強固な地盤に届いていないことがわかって、わずかだが建物に歪みが生じている映像が報じられた。地中の強固な地盤は平らに広がっているのではなく、凸凹しているから、建築前の調査で漏れが生じたのが原因だ。地中のことであるから、ボーリングするにも手探りの状態で、平均的な深さよりも下がっている場所が発見されなかったのだろう。マンハッタン島は強固な岩盤であると何かで読んだが、日本はもともと固い岩をあまり産出しない土地で、今日のTVでは京都は全体に地盤が軟弱で、地震の際に横揺れが長く続くと言っていた。そんなことを思えばハルカスの300メートルは異例で、それで大丈夫なのかと心配してしまう。ついでに思うのは日本の憲法の解釈問題だ。外国の戦いに自衛隊を派遣すると恨みを招かねない。そして超高層ビルとはいえ300メートルまでなので、貿易センタービルの事件のようにはならないとしても、今まで経験したことのないテロに曝されるのではないだろうか。自衛隊が外国で戦うことが出来るようになるメリットはたとえば経済的に大きいのかもしれないが、一方でどんなことが起こり得るのかという想像力を働かせる必要がある。危機意識と言ってもよい。それがたぶんに欠如していることは3年前の福島原発の事故から明らかで、とんでもない被害を受けてから思い知ることのないようにすべきだ。だが、「喉元過ぎれば…」の譬えがあるように、世代が変わると戦争の悲惨さもすぐに忘れられる。長崎の原爆を語り継ぐ老人が中学に死に損ないのくそ爺と罵声を浴びせかけられたニュースが先日あった。戦争が始まればそういう若者が真っ先に戦地で死ぬが、それで懲りればいいのに、また世代がいくつか交代すると元の木阿弥で、歴史に学ぶということがない。つまり、猿の時代から少しも進化などしていない。むしろ殺し合いをしない猿の方が賢い。
●梅田スカイビル、その2_d0053294_164366.jpg 先日の「あきらめワルツ」さんからのメールにスカイビルを「砂上の楼閣」にたとえていた。アメリカの貿易センタービルがあのように倒壊したことを思えば超高層ビルが永遠のものでないことがわかる。高い建物ほど危うい意識が人々に巣食う。そのスリル感ゆえに屋上を開放してみんなに楽しんでもらおうとする。これが地底500メートルであればどうだろう。そんなに深く潜って炭鉱夫の恐怖を味わってどうするのかと思われ、人気スポットにはならない。炭鉱夫より鳶職人の方が格好よく見えて、女に持てるかもしれない。そして高い所に上って仕事をする鳶職人が持てることに嫉妬して「煙と○○は高い所に上る」と言われるようになったのではないかと思ったりもする。筆者は高い所に上るのが好きというほどでもないが、スカイビルもハルカスも出来てすぐに展望台に上っているので、「煙と○○は高い所に上る」の○○に相当する部分がかなりあるのだろう。それはさておき、スカイビルを21年ぶりに再訪したのはハルカスがどのように見えるか知りたかったことも理由のひとつだ。そのことを先に書けば、展望台を一周してもハルカスらしき超高層が見えない。それで左手に立っていた警備員に訊ねた。50歳くらいの男性でとても気さくで、すぐに教えてくれた。今日はパノラマ写真を2枚載せるが、淀川が見えるものは北を向いて撮った。ビルだらけの写真はその正反対で南向きで難波、天王寺方面だ。その南向きをまず説明すると、ハルカスはわかりにくいが、左端に丸い屋根が3つ見える高層ビルの左手奥に小さく見えている。その様子があまりに意外でしばし警備員と話した。300メートルの高さであるから、梅田のビル群を図抜けて聳えていると思っていたが、天王寺まで数キロある。そのため、さほどの高層ビルとは見えない。むしろ手前にある梅田のビルの方が高く見えている。あたりまえと言えばそうなのだが、拍子抜けした。これはハルカスからスカイビルを見ても同じようなもので、いくら背が高くても遠く離れるとそれがわからない。それに、スカイビルもハルカスも実際に上ってみると床面積はさほど広いとは思えない。背が高いだけで、遠目にはマッチ棒のようなものだ。そのことはいかに人間が自然を凌駕しようとしても、しょせん小さなものしか建てられないことを意味している。威容を感じるよりもむしろささやかさだ。ハルカスに上った時にそう思ったが、スカイビルでも同じであった。その意味で「あきらめワルツ」さんの言うように、砂上の楼閣のようなものだ。であるからなおさら展望台には一度は上っておくべきだろう。また、スカイビルがイギリスの建築雑誌で世界の20の建物のひとつに選ばれたのは、高さではなく、展望台からの眺めだ。高さを競うならスカイビルは超高層とはいえ、世界にはもっと高いビルがいくらでもあるだろう。眺望はどの超高層でも得られるが、スカイビルに人気があるのは筆者の考えるところ、おそらく北側の風景だ。梅田側はビルばかりで面白くない。それとは反対に北側は視界を遮るビルがない。悠々と流れる淀川が眼下に広がり、思わず京都はどこかと目を凝らす。またこれは展望台を下りて40階で知ったが、淀川の彼方に沈む夕日が名物になっているようだ。ハルカスからも夕日は見えるが、近くに大きな川がないので、水面の夕日の反射が見えない。やはり眺望に関してはスカイビルの方が格上で、視界の横幅いっぱいに流れる淀川を改めて見つめて大阪らしさを感じることが出来る。
●梅田スカイビル、その2_d0053294_11270180.jpg
 警備員に訊いたのはハルカスと大阪城で、後者は全体がよく見える。これは南向きのパノラマ写真の左端からもっと左手で、それを収めるには写真を3枚つなぎにしなければならない。そのように撮ってもよかったが、警備員が立っている出入り口の構造物が入ったと思う。それはパノラマ写真の面白さを減じる。京都はどの辺りかと探しながら、淀川の上流すなわちパノラマ写真で言えば右端の奥を眺めた。筆者の視力がよくないことと天気がさほどよくないこともあって、川向こうはさっぱり様子がわからない。昔は展望台には100円で3分ほど覗ける望遠鏡があったものだが、今はさっぱり見かけない。かといって個人で望遠鏡を持って歩いている人もいない。望遠鏡が嫌われる時代になって来たのだろうか。高層ビルが珍しくなくなって、望遠鏡で他のビルの一室を覗き込むということが起こって来たからではないか。高層ビルの一室で情事にふけったり、また彼女を素っ裸にして窓際に立たせたりする人はいるであろうし、そういう人たちは他人に見られることは平気だろう。それに望遠鏡は部屋の内部の細部まで見えることはないから、展望台に望遠鏡を設置しても困る人はさほどいないように思うが、覗くという行為がケータイ電話を使っての覗き撮影を連想させ、傍から見てあまりいい光景でないと思われるようになったのだろう。これが山の頂であれば話はまた別だ。人が密集する都会であるから具合が悪い。それはさておき、スカイビルの屋上には夜にならねば楽しめない仕掛けがあることを今知った。入場の際にもらう小型の4つ折り説明書だ。それによれば今日の2枚のパノラマ写真を撮った屋上の回廊部分は足元が夜には天の川のように光る。これは昼間に吸収した紫外線で発光するもので、夕暮れになると光る。また「ルミ・デッキ」と呼ばれる区画もある。ここは夜の10時まで利用出来るとあって、床が光るガラスになっている。中央にふたり用のベンチがあって、そこに恋人同士が手をつないで座ってベンチ左右のドームに手を触れると、床はハート型やそのほか、LOVE度を示すように光る。昼間でも利用出来るが、床の光は見えないのではないか。このふたつの仕掛けには全く気づかなかった。夕日の眺望が素晴らしいとのことで、今度は夕暮れに訪れねばならない。大人は700円で、これは大阪ではぎりぎりの金額ではないか。ハルカスはその倍ほどで、ハルカスより背の高い東京のスカイツリーは2500円少々で、それを思えば安い。それにしてもいかに超高層でも2500円を超えると大阪人は二の足を踏むだろう。スカイツリーの展望台の人気が下火になれば自ずと入場料を下げると思うが、もうそうなりつつあるのではないだろうか。NHKなどでスカイツリーからの眺望を見ると、雲が眼下を覆って何も見えない場合があるそうで、それでは全く「煙と○○は高いのが好き」であって、金を払って少しも面白くない経験をさせられる。
●梅田スカイビル、その2_d0053294_11272948.jpg
 さて、エレベーターで一気に35階へ上ると、長いエスカレーターで今度は39階に行く。これは地上から見える屋上庭園の円内部の2本の上り用と下り用の長いエスカレーターだ。39階に着くと、愛想のよい若い女性がふたり並ぶ小さなカウンターがある。そこで展望券を買い、すぐ右手の短いエスカレーターに乗り、40階からは今度は階段を使って展望台に出る。これは円の周囲の回廊を歩くだけで見るのは眼下の眺望のみだが、40階はいろいろと時間を潰せる展示などがあり、39階はお土産コーナーとレストランだ。今日の最初の写真は展望券を買うカウンターから5メートルほど右手の円形の窓だ。背後は40階に上るエスカレーターで、筆者はそれに乗ってこの窓に気づいた。帰りに撮影すればいいと思ったところ、仕切りがあってその窓の前に立つにはまた展望券を買う必要があった。それでカウンターの前に行って券を売る女性に写真を撮らせてもらってもいいかと訊き、了解を得たので撮った。同じ円形窓は確かふたつ左右に並んでいて、どちらも撮ったが、今日のはふたつ目で、中央に縦棒が入った。最初に撮ったものは棒はなかったが、円内の景色があまりよくない。それで右に移動したのに、今度は縦棒が入った。先日書いたように、円に縦棒は晴れの記号で、そう思えば気が済む。ともかく、いかにも大阪人らしい愛想のよい女性であったのでこの円形窓の写真を撮ることが出来た。そんなちょっとしたことで終日気分はいいものだ。今日の2枚目の写真は今はないニューヨークの貿易センタービルだ。40階は「寛ぎとカフェ」のフロアとなっていて、円の穴に沿ってほぼ壁前面に世界中の有名な塔の説明パネルが並んでいる。その中の1枚にこの貿易センタービルがあった。忌まわしい事件があったので撤去するか、あるいは今は存在しないことを明記してもよいと思うが、スカイビルがオープンした頃のままにされているのだろう。世界の有名な塔だけでは壁があまるので、空想の搭やまたスカイビルの屋上庭園に因んだ世界の屋上庭園などの説明パネルもあった。順に見たが、何しろ枚数が多い。ということは40階でそれなりに時間が潰せる。形の変わったソファや椅子があちこちにあり、ガラス越しではあるが屋上と同じように眼下の景色を楽しめるカウンターも取りつけられている。カウンターは北側だけのようで、やはり淀川の眺めが売りになっていることがわかる。今日の最後の写真は左右2枚つないだもので、39階から撮った。2本の長いエスカレーターはシースルーで、外の景色が見える。「○は○か」のシリーズに使うつもりであったが、それを言えば最初の写真もそうだ。39階までは無料であるから、お土産を買いたい場合は後日訪れてもよい。スカイビルの本体は東芝系の会社が入っているようで、彼ら会社員は別のエレベーターを利用する。そのため、観光で訪れる人とは出会わない。
●梅田スカイビル、その2_d0053294_113954.jpg

by uuuzen | 2014-06-12 23:59 | ●新・嵐山だより
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