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●伏見大手筋商店街界隈
貝女と言えば「桜」を思う人は旧い漢字に詳しいか。「二階の女が気にかかる」と中学の体育の先生が「櫻」の字を覚える際によく言った。いつも赤ら顔で、たぶん酒焼けであったと思う。その頃でも筆者はその先生がいかにもいい加減に見えたが、それでもそういう先生が混じっていることは好ましいと思っていた。



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理科の先生もパチンコ好きの変わった先生で、いつも汚れたよれよれの白衣を肌着の上に着ていた。これは家内から聞いたことだが、中学生の同級生にえらく真面目で、そのまま典型的な会社員になりそうな、それでいてみんなから嫌われている男いたが、成人してから会うと、長髪で髭を生やし、まるでロック大好き人間に風貌が変わっていたらしい。そこまで考えが変わるかと思ったそうだが、案外内面は変わっていないのではないか。ある日にはまたスーツに身を固めた銀行員となって姿を見せるかもしれない。それで思い出すのが佐村なんとかの贋作曲家だ。音楽家を詐称していた時の風貌は筆者には胡散臭さの塊に見えた。それが会見ではすっかり雰囲気が変わってみんなの前に登場したが、やはり胡散臭さはそのままで、人間は表側だけを変えても内面から出て来るものは変わらないと思った。それでも人は外見で判断されがちだ。見栄え重視で、着ているものや身につけているもので収入や社会的地位が値踏みされる。そんな話を保険屋から聞いたことがある。見た瞬間に相手の学歴や育ち、年収までほとんど確実に言い当てられると言った。そういう話をする時の保険屋は下司の塊で、どんないい服装をしていても馬鹿に見える。実際そうなのだが、本人は気づかないどころか、自分は平均より多い収入で、交際も広いと内心自惚れている。自分は何でも知っていると思っている顔をしているが、実際は何を知らないかを知らず、知識も関心もきわめて小さい。ま、そのことはどうでもよい。今日は「二階の女が気にかかる」の櫻の話だ。「今年の桜」と題して投稿したのはいつのことかと今調べると、2年前だ。同じ題名では紛らわしいし、今年は桜の写真をあちこちで撮っていない。それにもう新緑の季節であるから、今さら桜の写真を載せるのは気が引けるが、去年の桜から計画していたことを今年は実行したので、写真を載せないのはもったいない。それで予定では3回ほど投稿するつもりでいる。今日はその1回目だが、桜の写真は1枚のみで、投稿の題名は桜とは関係のないものにした。去年秋に伏見の大手筋商店街近くに伏見人形の飾り馬を探しに出かけて以来、何度かその界隈を訪れることになった。息子の転居のために足を運んだ。これからもたまには訪れるつもりでいるが、今日はその伏見で今月撮った写真を使う。まず最初の写真は以前にGOOGLE EARTHのストリート・ヴューの写真を載せた「ガンプラ」が並べられる飾り窓だ。これは伏見の京町筋のとある家で、写真を載せたのはいつかとこれも今調べると、右京区の西郵便局の隣りにある嵯峨芸大の展示館で開催されていた伏見人形を中心とした郷土玩具展を見た感想を書いた1月29日だ。「ガンプラ」に関心はないが、また同じ道を歩いたので、せっかくであるからと写真を撮った。びっしりと並べられているのはいいが、倒れているものがあり、全体にうっすらと埃が被ってもいる。プラスティックでも日焼けして劣化するから、大切にしたいのであれば飾りっ放しはよくない。それでも一旦飾ると、そのままにしてしまいがちであるのはよくわかる。筆者もそうだ。
●伏見大手筋商店街界隈_d0053294_1214868.jpg 「ガンプラ」の写真を伏見人形や郷土玩具の展覧会の感想の場に載せたのは、収集の趣味としては共通するからだ。郷土玩具の愛好家で「ガンプラ」も大好きという人はめったにいないと思うが、数を多く集めたくなるのは同じで、郷土玩具の方が高尚とは言い切れないだろう。どちらが格好いいか、また心和むかは人による。そして思いを同じくする人が集まる。先日大阪の心斎橋で開かれた郷土玩具の会に正式に出席し、年会費を支払った。2か月に一度会合があるようで、筆者は収集家というほどではないので、ただただ会員の郷土玩具に対する熱意の強度にたじろぐが、珍しい玩具を見たり、また話を聞いたりするのは楽しい。会員の中にブログを書いている女性がいて、その題名を教えてもらい、早速見ているが、郷土玩具のほかにスイーツにかなり興味がおありで、その写真や記事も多い。スイーツと郷土玩具が何か関係があるのかと言えば、ないこともなく、彼女はフェーヴというフランスの焼き菓子の中に収める小さな陶製の人形を集めている。それを手に入れるには菓子を買わねばならない。フェーヴは郷土玩具とは言えないかもしれないが、かわいらしい造形作品であるし、また収集熱を煽るから、世界中に集めている人がいる。どんなものでも収集の対象になるもので、筆者も子どもも頃から切手を初めとしてあれこれ収集して来たと言える。それでもどれも中途半端で、ひとつのことに精力を傾けることが出来ない。ところが世の中には執念を燃やして収集を続ける人がたくさんあって、ある分野では第一人者を誇ったりする。収集は基本的には時間と金が豊かにある人が優位で、それゆえ道楽と言われたりするが、まとまったコレクションが末永くどこかに保存でもされれば多くの人の楽しみに有益だ。だがそういう運名を辿る収集は珍しい方ではないか。先日書いた洲之内徹は没後に残された絵画が宮城県美術館が一括購入し、そのおかげで洲之内の生誕100年展が各地で開かれるから、コレクションはいい運命を得た。だが、洲之内はコレクションしている意識はさほどなかったかもしれない。確かに売るのを嫌がった絵が多いだろうが、売れずに残ったものの方が多いのではないか。画商であるから、収集ばかりでは食っては行けない。郷土玩具の収集家はどうだろう。たいていは別に仕事を持っていて、趣味で収集している。そして収集品は増える一方で、ある程度のところでそれを公表したくなるし、その一番の方法は作品集にまとめることだろう。そうなれば収集したものがいつか散逸したとしても自分がかつて集めて手元に置いたという証にはなる。筆者が収集しているものはささやかなものだが、作品集にまとめておきたい思いはある。写真中心ではなく、文章も添える。ただしそれは郷土玩具ではない。郷土玩具に対しては筆者は収集もいいが、自分で作りたい方だ。それには金よりも時間が必要だ。それに広い場所も欠かせない。隣家があるので場所はどうにかなるとして、問題は時間だ。
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 話を戻す。郷土玩具収集家がスイーツにも関心があるというところにつなげると、伏見の大手筋商店街と言えば筆者はその東端の出入り口を100メートルほど坂を上った南側にある和菓子店を思い出す。もう10年近く前になるが、その店で伏見人形をかたどったカステラを買った。その中に宝珠の形をしたものがあって、その写真を「おにおにっ記」に載せた。その店で伏見人形焼きのカステラを売るようになった経緯は知らない。そこでそういうものが売られていることは奥村寛純氏の著作で知った。同じようなカステラは各地にあって、味もわかっているが、伏見人形というのが面白い。大手筋商店街は確かに伏見にあるが、伏見人形はもっと北の深草の産で、深草焼きと称してもいいようなものだ。それが御香宮神社の前で伏見人形焼きカステラを販売するとは、何か理由があるはずだ。店の主が伏見人形を気に入って集めていたからではないかと思うが、伏見人形は誰が作ってもいいもので、形を真似ても文句を言われなかったのがよかった。ということは今でもどこかの菓子店が伏見人形にかこつけた商品を作ってもよく、またそうすべきではないか。さてそれがどういうスイーツになるかと考えると難しい。伏見稲荷大社参道には狐の面の形をした煎餅を売る店が何軒かある。人形焼きカステラも地味で、もっと若者が面白がるものを考え出さねばならない。伏見人形と同じほどの大きさでまた伏見人形をかたどったようなケーキなら喜ばれると思うが、価格は高くなるだろう。マカロンはどうだろう。そんな洒落たスイーツを売る店は伏見稲荷大社周辺や大手筋商店街では似合わないかもしれないが、あえてそれをやれば注目もされやすい。もっと安価で出来そうなものは広島のもみじ饅頭の伏見人形版だ。これなら種類はたくさん作られる。種類が多いことは収集家をくすぐる。もみじ饅頭はどれも同じ形で、あれを集めようと考える人はいない。伏見人形を題材にすれば20種ほどはすぐに型が思い浮かぶ。ただし、それらの金型を製造するのに大金が必要で、それで二の足を踏むだろう。型を作ったはいいが、肝心の菓子がさっぱり人気がないでは文句の持って行き場がない。そこでもっと手軽に出来るものはないかと考えると、手作りのパンはどうか。伏見人形はどれもふっくらとした形で、パンで再現しやすい。ただし、1個ずつ手で作るには手間がかかるうえ、よほど造形感覚に優れていないと、不細工な形になる。それでは伏見人形に申し訳ない。ともかく、せっかく京都の代表的郷土玩具として伏見人形があるからには、もっと工夫してほかの商品、特にスイーツで戦略を立てれば全国的に有名になるのは早いのではないか。筆者が菓子屋であれば何か作ってみたいが、食べるのが専門で、伏見人形焼きカステラもほとんどひとりですぐに平らげた。350円の袋を買ったが、30個は入っていない。写真は形がだぶらないように選り分けたもので、10年ほど前はもっと種類が多かったように記憶する。店のおばさんに「全種類が入ってますか」と訊いたところ、うなづいていたが、怪しいものだ。ともかく、目当ては中央に位置する宝珠型で、これは伏見人形でかつて作られたものだろうが、丹嘉にその型はない。となれば筆者が復元しようか。
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 4枚目の写真は大手筋商店街から徒歩1分とかからない両替通りにある店で、TVで知った。それで一度入ってみたいと思っていた。古い町家をレストランに改装し、経営は東北の大震災で被災した福島県の人たちがやっていると聞いた。1000円ほどでいわゆる京都でいうおばんざい料理が食べられる。田舎料理で、また量は多くないが、御飯はお変わりが出来る。大阪人の感覚で言えばメニューはやや高めだが、被災者の経営と思えば人助けしたくなる。ひとつ気になったのは、料理が出て来るのがとても遅いことと、レジがあまりにも手慣れておらず、こちらがしっかりしていなければ間違った料金を支払わされる。2,3日に一度はさまざまな会合が開かれていて、近くに住んでいれば人の輪が増えるだろう。ただし、筆者が興味を示す集まりはなく、今後人のつながりを増やす中でもっと多彩な催しなどをすべきではないか。それは店の主の人柄や興味の広がりが大きく関係することで、主が比較的若い女性であるだけに、女性が集まりやすい場となっているようであった。店の奥はすぐ向こうが京阪電車の線路で、電車が行き交う様子が見えていた。主と顔馴染みになれば楽しい店になるだろうが、それには地元に住まねばならない。主の顔は思い出せないが、愛想のよい、またきれいな女性であったと思う。行ったのは今月7日で、バスから見える西本願寺では白い象の張りぼてが設置され、翌日の花祭りの準備をしていた。桜がちょうど満開といった頃だが、大手筋商店街界隈では見かけた記憶がない。伏見人形焼きカステラを買った真向いの御香宮の塀からは桜ではなしに鮮やかな桃の花が聳えていて、その隣りには椿も咲いていたのに、桜はなかった。それでは今年の桜の第一弾の投稿にはならないので、最後に1枚桜の写真を載せておくが、これは前述した「ガンプラ」を並べる同じ京町筋、産婦人科であったろうか、郵便局の近くにある医院の玄関脇に置かれた大きな壺に桜がドーンと活けられていて、その豪華さに度胆を抜かれた。道行く人に見せるのに何と太っ腹であることか。おそらく京都市内で同様の規模で桜を生け花にして道沿いに置く家はないだろう。このような桜の大きな枝が花屋で売っているのかどうか。百貨店での生け花展ではもっと大きな木を持ち込んでいるので、望めばどのような太い桜でも切って来てもらえるのだろう。その費用は筆者には想像出来ない。「二階の女が気にかかる」ではないが、この豪華な桜の生け花をする家の奥さんはどのような風貌をしているのだろう。
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by uuuzen | 2014-04-24 23:59 | ●新・嵐山だより
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