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●松山にて、その5、路面電車
務だと言われるとやる気を失うから進んでしてもらうように仕向けるのがよいが、それには依頼する方が相手の気持ちを解きほぐす必要がある。旅慣れていない筆者と家内なので、松山市に行きたいと言い出した時、家内は取り合わなかった。



●松山にて、その5、路面電車_d0053294_0474422.jpgどうせ自分の好きなところばかり行って振り回されるし、歩き疲れるだけと思っているからだ。おまけに旅費は家内持ちで、よほど筆者は気を使うか、何か特別のサービスをしなければならない。ところが筆者はいつも自分勝手で、後ろを着いて来ればよいという考えだ。ともかく、ホテルを2名で予約すると、家内は断念した。それで松山市のあちこちをうろついていると、それなりに楽しいのか、顔をほころばせながらまたどこかへ旅行しようと言った。これは何事も気分の問題ということだ。金がないならないでそれなりの楽しみ方があるし、自分を惨めとは思わないことだ。さて、松山市の思い出の投稿回数は撮って来た写真に負っている。先ほどまた今日の分を加工したが、後2,3回は続けられる。それで今日は市内を走っている路面電車について書く。松山市に行った時にこれに乗ろうと決めていた。先日触れた『芸術新潮』の1994年11月号の洲之内徹特集に1ページ大で市内を走る様子を捉えた写真が載っている。背後の山のてっぺんに城があり、手前に路面電車が走る光景は京阪神では見られない。大阪、京都、神戸の市電に乗った記憶がある筆者としては、まだ路面電車が存在する街は驚きだ。広島や岡山も健在だが、なぜ廃線にならないかと言えば、採算が取れるからだ。それは利用客が多いからで、車社会になったというのに都市によって交通混雑には違いがある。あたりまえと言えばそうだが、広島や岡山は地方都市とはいえ、それなりに大きな街だ。京都は市電を復活すればいいと思うが、まあ無理だろう。昨日自治連合会の副会長宅に雑談しに行った時、4月から京都市バスの1日乗車券が嵐山も使用範囲に入って便利になったことを話題にした。すると、副会長曰く、10年ほど前から交通局にそうするように意見して来たという。また4月からの開始も1年ほど前にわかっていたらしい。副会長は交通局に対し、観光シーズンに嵐山にやって来る車に一台当たり100円の税金を徴収すればいいとも言っているらしい。それで道路や橋の修理費の足しに出来るとの考えだ。車に乗っている人にすれば100円程度は安いだろう。どのようにしてどこで徴収するか、また観光客と地元住民の違いをどう判別するかといった問題があるが、役所にやる気があればどうにかなる。副会長の思惑は、100円でも支払うとなると、京都に入って来る車が減るかもしれないということが含まれている。1日乗車券で嵐山も範囲に含めるのがよいと意見した理由には、松尾橋を越えると140円ほどを別に支払う必要があり、観光客はてっきり1日乗車券で嵐山まで行けると思っているから、下車の際に手間取ることが多く、バス停でバスが立ち往生し、後方に車の列が出来るというのも含まれる。そうでなくても市バスは時間どおりにやって来ない。それで10年越しかもっと経ってようやく1日乗車券の使用範囲に嵐山が含まれた。
●松山にて、その5、路面電車_d0053294_0473861.jpg

 市電がある頃は嵐山にやって来る観光客は今ほど多くなかった。たいていは京福電鉄すなわち嵐電を利用し、阪急を使う人はその数分の1ではなかったか。今でもそれはあまり変わらないと思うが、市バスと京都バスを利用する人も多い。市電は嵐山を走らなかったから、いつか路面電車が京都に復活しても嵐山はバスが走り続けると思うが、固定観念を捨てて、市電がなかった嵐山に走らせるのはどうか。そしてバスをなくし、車も乗りいれないようにする。路面電車のルートは阪急桂駅から苔寺、そして北上して松尾大社、そこから阪急嵐山までつなげ、渡月橋を越えて清涼寺、大覚寺までつなげる。充分採算が取れるのではないか。市バスより少し小型にすればわが自治会内の狭い道路も走れる。少なくても今のバスよりは歩行者にも危険ではない。それはさておき、松山市は道路が京都市内よりかなりゆったりとしていた。そのうえ、車の量は京都より圧倒的に少ない。そのことによって路面電車を撤廃する必要がないのだろう。京都は道が狭いうえ、車が多過ぎる。他府県からの車も多いが、市民の車もそれに劣らないのではないか。この異常さに市民は慣れ切ってしまい、路面電車の復活など思いもよらない。道路を拡張することはもう不可能としても、市電が走っていたことがある事実を忘れてはならず、現状の街並みで車の渋滞を緩和する方法はあるように思う。ともかく、松山市を歩いていて気分がよかったのは、道路幅が広くて車が少ないというのんびり感だ。それを洲之内は嫌悪したのかもしれない。東京暮らしが長くなるとそうだろう。洲之内はたまに松山に戻ると、どっぷりと街の雰囲気に染まってしまい、何もやる気がしなくなったと書いている。だが、それはそれで街の個性であり、松山が東京と肩を並べようとする必要はない。さて、筆者は松山の路面電車をてっきり市営と思っていたが、伊予電鉄とのことだ。料金は区間制ではなく、どこまで乗っても150円で、1日乗車券は400円だ。これは安い。それでも経営が成り立っているのは見事で、今後も存続してほしい。筆者らは1日乗車券を買わず、2日で計4回乗った。京都のかつての市電より少し車内は小さいように思うが、実際は同じかもしれない。京都の市電がどこかの街に買い取られて第2の人生を歩んでいるという記事を昔目にしたことがある。それでももう40年ほど経つので車両は寿命が来ているだろう。
●松山にて、その5、路面電車_d0053294_0481430.jpg

 松山の路面電車は後ろから乗って前で降りるワンマンカーだが、京都市電との違いが目についた。車内最後尾の角はひとりだけ座れる一段高くなった座席であった。また運転手の背後に、京都市バスの整理券発行機ほどの大きさの投句箱が設置されている。これは観光客に向けてのものだろうか。同様のものは道後温泉本館の券売所脇にもあって、その写真は「その2」に載せた。投句箱はもちろん正岡子規の故郷であるからだが、俳句をひねって紙に書き留め、その用紙を箱に入れて帰る観光客がどのくらいいるだろう。それより筆者が気になったのは、投句がいつどこで誰に評価され、公表されるかだ。用紙にそういうことが書かれていたのかもしれないが、用紙を1枚取って来ることをしなかった。それほど俳句を作る気分の余裕がなかった。代わりにと言えばよいか、写生を3枚したので、それで時間をそこそこ取ってしまった。俳句で思い出した。昨夜NHK-TVで福島の原発区域で満開になっている桜を遠目に見た地元住民が一句披露していた。それがあまりに平凡で、苦笑させられた。それは原発被害者の悲しみを踏みにじる行為かもしれないが、下手は下手としか批評するしかない。で、筆者はうまい俳句を作ることが出来るのかと言われそうだが、才能がないこともあり、松山市にいる間に俳句をひねってみようという気が一切湧かなかった。それで長々とこういう旅行記を書いている始末で、この長文を蒸溜すると、俳句になるかと言えばそうではないだろう。それでは癪なので、任務とばかりに今無理やり頭を絞ると、「道後では鷺と宝珠の湯あみかな」、「松山の広き路面に電車乗る」、「句碑見かけ子規に思いを馳せる句を」と立て続けに3句浮かんだ。こんなことなら、道後温泉本館か路面電車内で投句してもよかったか。ということで、今日の写真を説明しておくと、最初は前述した『芸術新潮』の1ページ。これと同じ場所で同じ角度で撮影するつもりで同誌を持参したが、探す時間がなく、場所はわからなかった。地図を見るとおおよそどこかわかるし、またGOOGLE EARTHのストリート・ヴューで探すことも難しくはないだろう。2枚目は路面電車の最終停留所で道後温泉駅だ。この写真の向かい側の光景が昨日載せた最後のパノラマと思えばよい。このレトロ気分満載の駅はなかなかよい。今後もこのまま残してほしい。この駅からは1時間に3,4本の電車が出発する。運転手はみな若く、また親切であった。そう言えば近年の京都市バスの運転手もそうなった。昔は荒っぽい運転手が目立ったが、抗議の電話などがよくあったに違いない。2枚目の写真左下隅に家内の帽子頭が写っている。3枚目にも右下隅に横顔が見えているが、加工の際に後方半分を削った。4枚目は街角で見かけた子規の句碑で、「杉谷や有明映る梅の花」と彫られている。有明は有明海のことだろうか。子規がいつどこで詠んだか筆者は知らない。この句は絵画的で、画面下に濃い緑色のV字型の杉の谷があり、Vの切れ込みに有明の海が覗く。その上すなわち画面の上4分の2程度は空で、杉谷に梅花の白やピンク色が混じっている。それは山に登らないことには見えない風景で、子規は九州を旅したことがあるのだろう。
●松山にて、その5、路面電車_d0053294_0481596.jpg

by uuuzen | 2014-04-12 23:59 | ●新・嵐山だより
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