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●『JOE‘S CAMOUFLAGE』その1
腸」の訳語はいいとして、続く「bandit」をどう訳すのがしっくり来るか。「浣腸悪漢」では今の若い人にはピンと来ないだろう。「浣腸強盗」とすると、浣腸を盗むのかと紛らわしい。ザッパが来日公演で披露した「The Illinois Enema Bandit」の訳語の話だ。



これを正確に伝えるには「イリノイ州の浣腸を使って悪いことをする奴」となるが、これでは長過ぎる。筆者が『大ザッパ論』でそのような訳語にしたかは忘れた。たぶん「イリノイの浣腸悪漢」であったと思うが、もっといい表現がないものか。それはともかく、今日ザッパのカタログ・ナンバー98の新作がアメリカから届いた。注文したのは1月31日であった。1か月は待たされると思っていたのが12日で着いた。こんなことは初めてではないだろうか。アメリカの郵便事情が大分改善していると見える。いつものように今日を含めて3日連続でこの新譜の感想を書く。最近CDをまたやたら買うようになって、手元にはまだ聴いていない、またこれからもたぶん数年は聴かないものが何枚もあるが、ザッパは例外で、新譜が届いた日から即座にブログに感想を書く予定でいる。そう言いながら、これは数日前のことだが、まだ入手していなかったDVD『A TOKEN OF HIS EXTREME』が届いた。アマゾンに注文したもので、安い輸入盤にした。てっきりリージョン・フリーだと思っていたのが違った。それで地域番号とやらを設定変更すればパソコンで見られるが、そんな面倒なことをせずに済むのではないかと考えながらそのままになっている。わが家にはDVDを見る機器がパソコンを除いて5台あるが、どれもリージョン1は反応しない。せっかく買ったのに鑑賞不可能とは腹立たしいが、筆者が慌てたのがいけない。同DVDの主な内容はその昔海賊盤のビデオで見ることが出来たので、発売された当初は慌てて買う必要はないと考えた。それが買う気になったのは、1000円少々と安かったからだ。日本盤ならその倍以上はするが、同じ内容ならば安い方がいいと考えるのは人情だ。それがリージョン違いであるとは迂闊であった。そこで思ったのはCDに同じ仕組みが導入されなかったことだ。もしCDにもリージョンの種別があると、日本からBARFKO-SWILLを通じて買う人はいなくなり、日本盤が発売されるまで1,2か月待たねばならない。それがないだけでも幸運で、DVDのリージョン・コードについては諦めるか。それにしてもリージョン・フリーがあるのになぜそれで発売しなかったのだろう。BARFKOからはDVD『A TOKEN…』も購入出来るが、きっとリージョン1で日本では見られないだろう。
●『JOE‘S CAMOUFLAGE』その1_d0053294_2358659.jpg

 それはそうと、今日は最初に「イリノイの浣腸助平」について書いたのは、毎年2月になると1976年のザッパの来日公演を思い出すからだ。節分に京大西部講堂で演奏したので、極寒の頃になると筆者はその夜の「イリノイの浣腸助平」を思い浮かべる。それにしても「浣腸」を曲名に用いた音楽家はザッパだけではないだろうか。あるいは初めてではないか。話を戻す。BARKOに本作『ジョーのカモフラージュ』を注文した直後、もう1枚筆者が所有しないCDが発売されていることを知った。慌てて注文を取り消そうと思った。2枚一緒の方が送料が安いであろうからだ。だが注文はすぐに確定し、発送したとの知らせが10時間後に届いた。こうなれば改めてその1枚だけをいつ注文しても同じことで、現在まだそれをしていない。その理由はそのCDがDVD『A TOKEN…』から音を取り出したもので、DVDがあれば充分ではないかと思えるからだ。DVDを発売した後にそのCDも出すのは、ザッパの場合、『DUB ROOM SPECIAL』がある。このCDはBARFKOで買った。それが今ではアマゾンで中古なら1000円未満で売られている。それでCDの『A TOKEN…』も数年経てばそのくらいの安さになるはずで、それまで買わなくてもいいような気がしている。それにはもうひとつの理由がある。1974年にTVで放送された『A TOKEN…』の収録される演奏は、海賊盤のLPとなってその翌年には日本でも買うことが出来た。筆者はそれを持っている。音質は格段に向上はしているはずでも、演奏の9割はその海賊盤とおそらく同じだろう。ならばすぐに買う必要はない。それで一応カートに入れたまま画面を終了したところ、翌日メールが届き、1分で注文が完了するのですぐにカート画面を開いて購入ボタンを押せと督促があった。こっちの動きが向こうに筒抜けだ。アマゾンでも同様のことをしているし、最近はネット・オークションや楽天市場でクリックした商品が筆者のブログやヤフーのトップ画面に自動的に広告として表示される。遠隔操作によってパソコンでどのような画面を見ているかが相手にはわかる仕組みで、何となくこれは気持ち悪い。それはそうと、CD『A TOKEN…』の番号は97であろうか。『ROAD TAPES #2』が96であったからたぶんそうだろう。新譜発売の際はいつもザッパ・ファミリーから予約メールが届くのに、CD『A TOKEN…』についてはそれがなかった。あまり重視すべき内容ではないからだろう。BARFKOにかなり以前に注文しているのに届かない商品が別にある。『ROXY BY PROXY』で、これは1月下旬発送との知らせが以前あった。その後ヴァレンタイン・デーに変更になったと思うが、さらに遅れるかもしれない。
 さて、本作は「ジョーの○○ジュ」シリーズの5作目で、音質があまりよくない。元の音源がカセット・テープであったりするからで、そのことからもわかるように、リハーサルの様子を捉えたものが中心となっている。本作もそうで、リハーサルであるだけによりザッパを身近に感じることが出来るのはいいが、曲の完成度といったものは求められない。前にも書いたように、生前のザッパが発売したアルバムが油彩画の力作とすれば、このシリーズは鉛筆による素早いで素描だ。それはそれで味わいも価値もあるのであえて妻のゲイルは発売を続けているのだろう。だが売れ行きはどうか。筆者のような熱心なファンだけが買うように思うし、また生前のザッパが出したアルバムを隅から隅まで知っている人でなければ楽しみにくいところがある。その楽しみは「ミッシング・リング」を埋めてくれる素材という面が大きい。戦前のザッパのアルバムだけではどうしてもつながりが不明瞭なところがある。それがまたザッパの手法であったかもしれない。つまり、新鮮な驚きをファンに与えるには、新作ごとにがらりと雰囲気を変えればよいが、それには最新作と次作との間に実際は存在する連続性を失くすに限る。ザッパが意図的にそうしたとは言わないが、次作までの試行錯誤の期間の行動を見せないようにしていたようには見える。それは当時はインターネットがなく、近況を伝えたくても手段があまりなかったということも理由だが、アルバムごとに完成度を求めたザッパは試行錯誤の真っ最中にある演奏は披露しなかったと言ってよい。これは、素描という手の内を曝け出すことを嫌がり、緻密に描かれた油彩画だけを提示したいという思いだ。だが、どんな画家でも完成度の高い作品の前に素描や習作がある。ザッパも例に漏れない。そうした音源もザッパは遺した。それが遺族の手によってどうにかアルバムとして鑑賞出来る音質と曲配置にまとめられ続けている。その中でこの「ジョーの○○ジュ」のシリーズは「ミッシング・リング」の中でもさらに細かい部分を意図されていて、やはりザッパという円環をより完全なものとして見つめるのには欠かせない。それをゲイルはよく心得ていて、本作はツアー・バンドにはならなかったメンバーを集めての演奏でまとめられていて、しかもそのメンバーは本作のみで聴くことが出来る貴重なものだ。演奏年月日が記されていないのが残念だが、1975年で、本作のマスタリングは2010年となっているから、4年前に出来上がっていた。それを今頃に発売する理由はわからない。ともかく、ゲイルの手元には発売用にまとめた数枚以上の音源があるだろう。話を戻して、ザッパが本作のメンバーでツアーしなかった事実は、本作のメンバーの演奏は期待に添うものではなかったと否定的に見ることも出来るが、ツアー事情はそう簡単ではない。多過ぎるメンバーでは儲からないし、またツアーを嫌うメンバーもいる。その他さまざまな事情で本作のメンバーは本作すなわちリハーサル音源の形でしか伝わらない。どのような曲を演奏しているかは今日の2枚目の写真を参考にしてほしい。47分54秒で15曲、そのうち会話が4曲、そして生前のザッパが発売した曲が7曲となっている。この7曲はプロトタイプつまり最初のヴァージョンとは限らないが、7曲目の「イリノイの浣腸スケベ」はそうだ。
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by uuuzen | 2014-02-12 23:58 | ●新・嵐山だより(特別編)
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