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●飾り馬を求めて、その14
り箱と呼ぶのか、化粧箱と呼ぶのか、一般的な名前は知らないが、伏見人形を丹嘉で買うと蓋つきの紙箱に入れた状態で売ってくれる。中古を入手するとたいていこれがない。



●飾り馬を求めて、その14_d0053294_19295636.jpg

桐箱なら別だが、紙箱はよほどのことがあい限り捨ててしまう。それで後になって困ることがある。わが家では丈夫な缶類は保存することが多い。その中で一番気に入っているのが鳩サブレーの黄色い缶で、この古いものをネット・オークションで3,4種買ったこともある。前にも書いたことがあると思うが、昭和40年代頃か、鳩サブレーの黄色い缶で正方形のものが一時期販売されたことがある。それをネット・オークションで見つけたことがあった。3000円まで上がり、それ以上の額を入札するつもりがちょっとしたことで出来なかった。その後見かけないところを見ると、よほど珍しいものなのだろう。菓子缶はいわば消耗品で、9割以上は捨てられるだろう。紙箱となるともっとのはずだ。さて、飾り馬を16個作ったのはいいが、それを贈る際に箱がいる。適当なものが見つからず、自作することにした。厚紙とそれに貼る和紙が必要で、どちらも中京で手に入れた。厚紙は全紙サイズがほしかったが、すぐには手に入らない。それでA3サイズにしたが、最も合理的な寸法を割り出して設計図を描き、A3の厚紙を最大限に利用出来るようにした。つまり、無駄のないようにだ。和紙は機械漉きのものでA2サイズ程度のものが1枚200円弱で売られている。貼り合わせる糊は昔かった裏打ち用の正麩の粉末がある。それをビスケットの丸い缶に入れていた。ほとんど10年ぶりにその蓋を開けると、1匹黒い虫が入っていた。そうとう蓋はしっかりと密着していて、開けるのに強い力が必要であるから、どのようにして入り込んだのかわからない。たくさん虫の卵があるかもしれないが、そのまま大匙で3,4杯すくって水を加えて炊いた。粉末は真っ白であったはずなのに、10年も経てばさすが少し黄ばんでいた。水を加えるとかなり膨れ、結果的に必要な量の数倍も作ってしまった。正麩糊は10年、20年置いたものを表具屋は使うそうだ。表面に黴が生えて来るから、それを捨ててはま熱を加えてまた保存する。すると作ったばかりの頃の強過ぎる粘度は失われ、ほどよい密着性が得られるそうだ。古い店ほどそのような古い糊を持っているが、新しい店は作ったばかりの糊を使うから、10年、20年すると掛軸がおかしな具合になって来る。そのため、表具は安さだけでは依頼してはならないとされる。それはともかく、筆者が作る紙箱は人形を入れて送る時に必要なだけで、人形が家のどこかに飾られればもう捨てられてもかまわない。ほんの一瞬の見栄えに必要なだけだ。それでも材料費だけでも1個100では済まない。業者に頼むと500円以上する。飾り馬1個の土代が100円、素焼き代が200円からすれば何だか割に合わないような気分だが、人の手間賃は高くつく。いわゆる手作りの、しかも美術品と呼ばれるものは、材料費や外注費などの合計を20倍して売価に設定すればよいと昔聞いたことがある。
●飾り馬を求めて、その14_d0053294_19295978.jpg 飾り馬を作り始めた時、箱が必要なこともわかっていて、ネットで業者を何度も探した。ところが16個といった少数では1個当たりかなり高くつくか、引き受けてもらえない。それに自分が好みの和紙で貼ってくれるところがない。また、筆者の望む寸法は特殊で、注文の企画に入らないこともあった。結局早い段階で自分で作ることにし、材料を前にして1日で16個を作った。今日の3枚目の写真にその箱が写っている。なかなか本格的に出来て、丹嘉がどこかに作らせているものと見栄えは変わらない。この調子では箱屋にはすぐになれる気がした。自分で作りはしたが、工芸王国の京都であるから、中京にきっと紙箱専門の店があると思う。それについて書いておく。完成した飾り馬を伏見人形を昔扱っていたMさんに見せに行った。出来上がって間もない頃で、まだ紙箱を作っていなかった頃だ。そうそう、それ用の和紙を買った帰りに立ち寄った。Mさんには最初に飾り馬の在庫がないかと訊ねに行った。その結末を報告しておくのが義理と考えたのだ。もうかなり暗くなった夕暮れであった。筆者と同時に訪問客があった。初老の女性で、両手にたくさんの荷物を持っていた。ビニール袋なので中が見えた。筆者が作ろうとしていた紙箱で、全部で30庫ほどか。女性はMさんにそれを手わたし、代わりに伝票を受け取った。玄関先で筆者はその女性に訊ねた。「今の紙箱はどこかで作ってもらえるのですか」「ええ、そうですよ」 それ以上の話にはならなかった。その後Mさんと話し始め、その箱の中身が嵯峨面であることを知った。来年の干支の午をデザインしたものだ。全体に扁平で、型から抜くのはたやすいだろう。彩色もざくざくとしてあまり凝っていない。嵯峨面はそれなりに歴史があり、またよく知られているので、毎年ほしがる顧客があると見える。かなり高価なはずで、それは有名度による。いくら力作を作っても無名ではただ同然だ。それはともかく、Mさんに紙箱屋がどこにあるかを訊くと、知らないとのことで、製造業者はそれぞれそうした店を持っていて、他人に紹介したがらないのだろう。昨日はドイツ文化センターで見た映画の感想を書いたが、映画を見に行った13日の夜、その紙箱屋を見つけた。烏丸御池辺りからジグザグに道をたどって北東に向けて歩いたことは昨日書いた。初めて歩く道が何本かあった。その中で京都らしい木造の二階建ての家が2,3軒並んでいるところを見つけた。そのたたずまいに見惚れながら歩いていると、2階から直方体の行燈型の看板が飛び出していて、普通の民家と思っていたのがそうではないことに気づいた。何の店かと思いながら、10歩ほど後戻りし、家の前に立ってその明るく灯った看板の文字を見た。「○○紙箱店」とあった。「ああ、やはりこのような店で紙箱を作っている」と納得した。その場所を正確には覚えていないが、御池通りより北、烏丸通りより東、寺町通りより西の領域だ。飾り馬用の紙箱を自作し終わってから見つけたし、同じような紙箱が必要になった時、すぐに作ってしまうことは出来るので、その店を訪れることはもうないだろう。
●飾り馬を求めて、その14_d0053294_19303492.jpg 九州のFさんに8個を送った後、残りは今までお世話になりながらお返しが充分出来なかった人たちに1個ずつ発送した。今手元には3個ある。1個は手放さないから、2個だけ余分だ。年内にほしがる人を見つけられそうもないので、そのまま所有することになりそうだ。手作りの箱に入れると、重量は500グラムにほとんど近くなった。16個の重さがまちまちであることは前回にも書いたが、郵送するなら送料が安い方がよい。500グラムまでなら定形外郵便が一番安い。ところがそれではごく簡素な包装になる。そうしてひとつだけ送ったところ、割れずに届いたので安心した。残りは500円のレターパックに入れた。厚みがかなりあるので、封をするのが大変であったが、どうにか無理して封の糊を密着させることが出来た。レターパックも定形外も「割れ物」の表記シールは貼れないと郵便局員に断られた。それでともかく割れないことを願ったが、届いたものがどのようになっているかわからない。そのような心配をするのにはわけがある。21日の終い弘法の日、10月に「さが人形の家」で会った郷土玩具研究会の人たちと会うことにした。ほかの用事もあったので、ちょうどよかった。正午に大宮通り沿いの消防署前で集合で、その時間までに露店を一巡しておくつもりが、用事で時間を取られ、着いたのが正午5分前であった。たくさんの人が繰り出していて、境内は大混雑していたろう。会の人たちは全員で9名、筆者を加えた10名は集合場所から徒歩1,2分の仕出し屋に赴いた。筆者は予約していなかったので急きょ席を作ってもらった。10月に筆者を会員に紹介してくれたFさんがやって来るものとばかり思っていたのに、当日は欠席であった。Fさんにも飾り馬を10個探していることを9月に伝えていたので、自作したものを見せておくべきと考え、1個を箱に入れて持参していた。箱を開けて少しがっかりした。割れないようにとプチプチをたくさん敷き、それに包んでいたのがよくなかった。圧迫のし過ぎで、馬の鼻の一部の色が擦れてすっかり色がなくなっていた。また塗ればいいが、同じ色を作るのは骨が折れる。それに、筆者が箱にぎゅうぎゅう詰めして送ったものもみな同じように出っ張った部分が色落ちしているかもしれない。
●飾り馬を求めて、その14_d0053294_19305499.jpg 16個の重量を記した紙を見つけたので書いておく。素焼きする前とその後を計量した。素焼き以前の最大は520グラムで、最少が410グラムで、平均値は442グラムで、10キロの土で16.5個作り得ると考えると、それは約7.3キロで、27パーセントの重量が乾燥した水分という計算になる。最大と最少の重量差は100グラムほどで、これは肉厚の違いだが、いかに筆者が素人で、手慣れていないかを示している。軽いのが理想であるから、410グラムで作ると、10キロの土で18個は得られる。土代はしれたものだが、数百単位で作るとなると、わずかでも少なくて済むようにしなければならない。素焼きが終わった状態でどれほど軽くなるかを今回調べることが出来た。最大は480グラム、最少は375グラムで、平均426グラムで、16グラムの水分が飛んだ。これは充分乾燥させた状態の3.6パーセントで、よく乾かしたというべきだろう。さて、今日で「飾り馬を求めて」は最後だが、写真を説明しておこう。最初のものは自作品の裏側だ。伏見人形はこのように裏側を塗らない。Mさんに見せると、裏も塗ればよかったのにと言われた。そしてもうふた回りほど大きく作ると、高価で売れるとも意見されたが、出来栄えは上品で、京都らしいと思われたようだ。前述の郷土玩具の会の集まりで、Fさんはいなかったが筆者はみんなに飾り馬を見せた。好評で、来年の干支の羊からは会員に配布出来るように作ってはどうかとも言われた。今回は九州のFさんの急な頼みがあったので自作したが、そうでなければ面倒なことはしなかった。自作してわかったことは、1個数千円ではとても割に合わないことだ。1万円でも難しいかもしれない。だが、無名の筆者にそれほどの金額を支払ってくれる人はまずいない。せいぜい3000円が限度だろう。その値段では紙箱つきならば材料費や交通費などで消える。何度も書くように、郷土玩具が廃れて行くのはわかる。話を戻して、2枚目は馬の顔を見せるためのものだ。奥に見えるのは昔の丹嘉製で、赤い袴の金砂子がすっかり剥がれていたので、それを修復した。ただし、丹嘉の10倍ほど多く使用したので、当初の姿より豪華になったはずだ。4枚目手前の3つは丹嘉製で、中央が今年のものだ。これは流し込みで作られているのでとても軽い。売価は3250円だ。その上のものを筆者は参考にした。赤い袴の2段の金砂子は筆者が施した。全体に派手な色合いで、鞍背後の臀部覆いの黄緑色はどうにも気に入らない。筆者はその箇所を浅葱色とし、金泥と銀泥で宝珠を描いた。5枚目の写真は左手に起の蚕鈴を捉えた。筆者は自分のホームページのアイコンにこの土鈴の形を転用している。とても好きな土鈴で、今後もこれは収集し続けたい。右手は伏見人形の古い飾り馬だが、袴はつけていないタイプだ。一番上は菱平の品、黒の大小はニスを塗っているので明治末期のものか。大は菱平作と同じようにたてがみに藁束を差し込む穴が4か所空いている。それが長年の間に失われた。自分で作っていずれ嵌め込むつもりでいる。また、この黒の大小は折れた脚を修復した跡がある。それがあまりにもずさんで、一旦外してまた取りつけ直すつもりでいる。言うまでもないが、一番手前は自作の飾り馬だ。
●飾り馬を求めて、その14_d0053294_19313174.jpg

by uuuzen | 2013-12-23 19:31 | ●新・嵐山だより
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