●飾り馬を求めて、その3
は最大1kg用しかない。体重計が昔あったが、壊れてしまった。先日保健所で個人相談を受けた時、来年4月までに5kg痩せるように言われたことは先日書いた。毎月1kgずつ痩せるとよい。



そのことを少しは気にして生活しているが、体重計がないことにはどれだけ痩せたかわからない。保健所で測ったが、デジタル式であった。体温計もデジタルになっているが、筆者はアナログがよい。それで体重計もアナログのものを買うつもりだ。デジタルは何となく不正確な気がする。どういうメカニズムになっているのか知らないが、アナログと同じように重さにしたがって何かが伸び、その数値をデジタルで表示するだけで、結局はアナログと基本は同じではないだろうか。つまり、デジタルの秤はアナログで得た数値をデジタルで表示する分、本来は不要な手間をかけているのだろう。 ならば仕組みが単純な方のアナログの方がいいではないか。壊れても自分で修理出来そうな気もする。それはさておき、伏見人形は基本は2枚型に土を込めて取り出し、それを貼り合わせて素焼きするから、「型」を基本にした製作方法だ。だが、2枚型を得るための原型は彫刻と同じで、一点製作で、浮世絵で言えば版を作るための原画に相当する。3Dプリンタなるものが発明され、伏見人形の原型あるいは商品としての人形そのものもそうした最新の機器を使って製造するようになるかもしれない。時代はアナログからデジタルへと進んで、もはや後戻りしないような気配だが、アナログ人間の筆者は手を汚しながらアナログの製作に時間を忘れる。そう、それが言いたかった。ここ数日、近年では珍しいほど人形作りの作業に没頭している。その理由をいずれ書く。2枚型で抜いたものを貼り合わせるだけで同じ形の「飾り馬」が次々とコピー出来る理屈だが、何分初めての経験であり、予想がつかないことが次々に生じる。それでも計画したとおりに進んではいる。何事も理屈がわかれば作業は出来る。休憩することを忘れるほど作業に没頭しているので、たぶん数日で1kgは痩せたに違いない。この調子で4月まで過ごせば、自然に5kgは減ると思う。この調子というのは、睡眠不足だ。4時間くらいしか寝ていない。
 「飾り馬を求めて」は最初「飾り馬を探して」にしようかと一瞬思った。自分で作ることを報告もするのであるから、「探して」ではまずい。そこで「求めて」にした。このシリーズは何回続くかわからないが、話を順番に、つまり時系列にしたがって書くとは限らない。今日は製作のことではなく、「探して」に属することを書く。伏見人形を販売している店を筆者は少しは知っている。丹嘉は製造販売をしているが、販売だけの店もある。9月10日は若冲忌であったが、石峰寺に立ち寄る時間を惜しんで「飾り馬」を探し歩いた。当日は家内は仕事は午後1時頃までで、京阪の伏見稲荷駅で待ち合わせした。その前に筆者は丹嘉に立ち寄り、また伏見稲荷門前の高畠商店にも行った。前者ではなぜ今年は予約がすぐにいっぱいになったかなどの理由を訊ねた。ま、今日はその話をしないでおこう。高畠商店は少しだが、同商店オリジナルの伏見人形を製造販売している。もう7,8年になるだろうか。その店の主と多少話をしたことがある。主は窯があるので、もし伏見人形を作りたいのであれば、自分のところに来てほしいと言った。あまりここでは書けないような話もしたが、結局のところそれは、丹嘉が所有する伏見人形の型は登録商標を取っているものではないので、誰がどう模倣して作ってもかまわないものだということに尽きる。丹嘉は型を大量に所有する。それはみな始めから丹嘉にあったものではない。廃業した店から譲る受けたものも混じる。伏見人形を製造販売する店は本町通りにたくさんあった。それらの店はみなオリジナルの型を使用し、似た型を他店が使うことを許さなかったかと言えばそうではない。似た人形を複数の店が作ることは多かったに違いない。それは古道具店で出て来る伏見人形を見るとわかる。江戸時代は著作権はなかったも同然で、ましてや大量に売れ、消耗品であった伏見人形は、複数の店は同じような型を使って大量生産せねば需要に追いつけなかった。また、型は同じでも彩色でがらりと雰囲気が変わるから、店の特徴は主に配色の違いで出たのではないか。ともかく、丹嘉の製品を模倣して作っても罪にはならない。それは、丹嘉の商品の価格が近年は高くなったとはいえ、まだかなり割安感があって、模倣しても同じような価格で作ることは難しいはずで、つまりは商売になりにくいからだ。昨日四条通りの有名な人形店の田中弥のウィンドウを覗いた。来年の干支の小さな土人形などが20種近く売られていた。幅6,7センチの小型のものでも1万円近いものがある。手作りではその価格になるのだ。そう考えると、丹嘉の長さ17,8センチのものが3000円台とは破格の安さだ。
d0053294_2482879.jpg 高畠商店は休業日で閉まっていた。どうせ「飾り馬」はないだろう。だが、久しぶりに店主を話すのもよかった。ちょっと残念な気持ちになりながら、家内と落ち合い、伏見桃山駅に行った。大手筋商店街を抜けたところを左折すればそこは龍馬通りにつながる。最初はアーケードがあり、昼間でも薄暗い商店街だが、これは納屋町商店街で、それを抜けるとアーケードのない、また道幅が同じように狭い龍馬通りになる。その終点を右折して50メートルほど行くと、龍馬で有名な寺田屋がある。それはいいとして、龍馬通りの終点の右手角に小さなタバコ屋がある。いや、タバコは売っていたろうか。何を販売しているのかよくわかない店で、喫茶店のようでもある。そこに年配の婦人が店番をしていて、伏見人形をわずかに並べるガラス・ケースも置いてある。その店で伏見人形が売られていることを知ったのは10年ほど前だ。丹嘉と菱平の商品を置いていた。菱平は、数年前まで上田という名字の老いた女性が人形を作っていて、筆者は電話で一度だけ話をしたことがある。それも10年ほど前になる。彼女がなくなって、ついに製造元は丹嘉のみとなった。と決めつけるのは早計で、そのことを高畠商店の主は筆者に語ったものだ。主が大きな窯を用意し、自分で伏見人形を作り始めたのは、ひとつには伏見人形に対する愛情からで、もうひとつは丹嘉の独占が気に食わなかったからではないか。そのような話しぶりであった。店の向かいに伏見人形を飾る展示用の館を建てるなど、高畠商店が伏見人形を作り始めた時はそれなりに勢いがあった。ところでその展示の館には一度入ったことがあるが、現在どうなっているのだろう。主は自分が作ったものを筆者に嬉しそうに見せながら、これからの伏見人形は古い型を相変わらず使い続けるのではなく、現在の子どもにも喜んでもらえるような、いわゆる「キャラクター」的な味わいのものを作るべきと語り、そうした試みの作も2,3あった。
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 龍馬通りの終点に伏見人形をわずかでも売る店があることを知る人はどれほどいるだろう。藁をつかむ思いで「飾り馬」を探してその店に行った。幸い、店主はいた。ガラス・ケースの中は菱平と丹嘉のものが少しと後は高畠商店の商品であった。その写真を載せておく。2枚目の写真はその店の前から寺田屋を見た様子だ。店主は昔と変わらぬ元気さであった。15分ほど話した。丹嘉の商品も以前は仕入れていたが、今は高畠商店のものがほとんどだと言う。その理由を訊くのを忘れたが、売れ行きの悪い商品で、仕入れに行くのもめったにない様子だ。以前と違って外からは見えない場所にケースが置かれているので、その理由を質問すると、陽当たりに置くと褪色するから、置き場所を変えたとのことだ。それほど売れないようだ。話は高畠の店主のことになった。親しいようだ。「2,3年前に暑い年がありましてやろ。その夏に亡くならはりましたんや」 意外なことを聞いた。「では、どなたが人形を作られているのですか」「息子はんでっしゃろ」 ケース内部の商品はたぶん息子さんの作ではない。丹嘉のものに比べると稚拙さが目立つが、菱平のものに似た素朴な味わいがある。まだ菱平のものは手慣れが感じられ、高畠のものは真面目な素人が作ったという雰囲気がある。丹嘉で見られるような「饅頭食い」は売れ筋なので高畠は人形作りを始めた頃に手がけた。ケースの上から2段目に並ぶ干支の顔をした紋付袴の立像は高畠のオリジナルだ。厳密に言えば丹嘉の商品に着想を得ているし、どんな動物にも紋付袴を着せる理由がわからない。全部ではないが、伏見人形は意味を持っている。そのため、形や持ち物、格好など、勝手に変えては意味をなくすものがある。その意味は、高畠商店の主に言わせれば、もはや理解出来ない人が多く、そのためにも今の人が見て即座に面白い、あるいはかわいらしいと思えるような形を生み出す必要がある。これは難しいところだ。九谷焼きで小さなウルトラマンを作ることが行なわれている。形はウルトラマンやその物語に登場する怪獣だが、色合いや文様は古くからの九谷焼きそのものという商品だ。これは九谷焼きを若者に知ってもらい、また買ってもらうにはいいアイデアだろう。一方でそれを邪道と見る人もあるかもしれないが、伝統産業の置かれている苦しい現状をよく示している。高畠商店の主が思っていたことは、新しい伏見人形だ。これは言うは易しいが、実行は難しい。素焼きに彩色することだけが伏見人形の特徴ではない。伏見人形は、形はもう新しいものを生み得ない。あるいは伏見人形ならではの2.3等身でウルトラマンを作るのはどうか。そんな苦し紛れのことを思いつかねばならないほどに丹嘉は困っていない。それなりの愛好者が日本中にいる。そのために予約がすぐに満杯になる。
by uuuzen | 2013-11-04 23:59 | ●新・嵐山だより


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