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●梅雨明けの白花、その10
別するのに必要なものが揃っているかどうか。花の写真を見てその名前を教えてもらうとして、その花の特徴が全部きれいに写っているかどうかが問題になる場合があるだろう。園芸種となると花や葉のわずかな形や色の違いで別の名前がついていたりする。



●梅雨明けの白花、その10_d0053294_032362.jpg筆者は花の撮影ではなるべく同定がしやすいように、また可能な限りきれに見えるように心がけているが、そんなことを考えない人もある。たとえば、花だけを撮影し、葉や茎に注目しない。花だけで名前が同定可能かどうか。たぶんそうではないだろう。花の形は同じでも、葉が違う場合はあるだろう。専門家に同定を依頼するとして、花だけ大きく撮影するのは不親切であるはずだ。そのために、写真がなかった頃、花を記録するのに花弁だけではなく、葉や茎、根、実など、特徴を示すものを全部1枚の紙に描いた。それは写真より親切で、また詳しい。写真は本当は図鑑に向いていない。美しさを鑑賞することにもっぱら目的があり、花の名前の同定にはよほどその植物のあらゆる特徴がわかるように撮影角度や光を工夫する必要がある。植物の同定は科学的な行為で、それには対象となる植物の特徴をよく知っている必要があるし、また写真からその植物の名前を特定するには、写真にその植物が持つ特徴がよく写っていなければならない。この同定は断定することであって、真実を示す行為だ。ところで、それに関して今日のTVで興味深い場面に遭遇した。筆者はめったに見ないが、家内がたまたま見ていたのに釣られた。有名な政治評論家の女性Sが出ていて、「本当に韓国や中国の政治家は質が悪いです」と何度か繰り返し、その理由を語った。「質が悪いと思います」ではなく、「悪い」という断定はいかがなものか。それに「一部の」とは言わずに、まるで「全員」がそうであるかのような表現だ。言葉で飯を食っている人間としては失格以前の行為だ。だが、日本の政治家には同じようにあまり考えもせずに口を滑らしてしまう者が少なくない。政治家や評論家は言葉が武器で、それをどう操るかがすべてだ。それほど大事なものであるのに、その影響をあまりに考えない。あるいはあえて挑発するために語っているのかもしれない。とすれば、Sは性質が悪くて下品だが、同類の人間から賛辞を得たいためにあえてそのような態度を取っているのだとすれば、そもそも討論の場に出て来るのにふさわしくない。で、そういう彼女の側に立つ発言者をたくさん集める同番組であるから筆者はアホらしくて見ないが、民放だけではなく、NHKもSを呼んで発言させる。家内はSの発言の直後、「それを言えば日本の政治家はどうなの?」と呟いた。そのとおりで、いくら嫌いな国であっても、そこの政治家を十把一絡げに否定すると、頭の程度が知られる。Sはたとえば韓国のほとんどの政治家を知っているのだろうか。ひとりやふたりのしかもわずかな行為を見て、それを全体に押し広げてしまっては、Sの意見が新聞やTV、ネットでかなり大きな影響力を持っているだけに、容易にその言葉に影響を受けやすい人を増やしてしまう。Sの発言はいつもそのように思慮が浅い。そういう程度の低い、科学的な考えからほど遠い評論家の人気が異様に高いところに、現在の日本の右傾化がわかる。Sは一見愛国主義者だが、正常な判断が出来ない、あるいは出来ても言わない人であるからには、その言説は筆者には取るに足らないものに思える。
●梅雨明けの白花、その10_d0053294_033317.jpg

 白い花を見て、それを黒や赤と言う人はいない。ほんのわずかに紫がかっている場合があっても、全体に白が勝っていれば白い花と言える。Sが韓国の政治家の質が悪いと言う時、それは白い花を誰が見ても白と感じることと同じであろうか。白い花はたくさん種類がある。今日の最初に掲げるハイビスカスは普通は赤だが、写真のように真っ白の品種もある。ハイビスカスですらそうとすれば、人間はもっとではないか。多様なことにかけては植物に劣らない。それを無視して、「韓国の政治家は質が悪い」と断定すれば、きっと韓国からも同じだけのことを言われる。Sの発言が支離滅裂なところは、そのように発言する尻から「韓国とは仲よくしなければならない」と言うことだ。これは相手国に喧嘩を売りながら、気持ちの優しさも滲ませる態度で、結局は「質の悪い政治家の国とは仲よくしたくない」と言っているように思われる。Sは日本の政治家は韓国よりそうとう質がよいと考えているのだろうが、それをどこで比較出来るか。これは何年か前に書いたが、昔京都三条河原町の朝日会館で耳にしたことがある。60代とおぼしき3,4人の男女が留学生受け入れについて話をしていた。ある男性が「欧米人はいいが、カンボジアやヴェトナムといった東南アジア人は質が悪いのでご免だ」と発言し、他の人はそれに同意し、話に花が咲いていた。定年退職して悠々自適の生活を送っている人たちだろう。暇と金があるからそういった場所にやって来て習い事をしたり、講演を聞いたりしている。そのようにして趣味を楽しみ、自分を高めたいのはわかるが、人種差別を悪いこととは思っていない。そして、欧米人には媚びへつらい、貧しいアジア人には会いたくもない。このような人たちは今も同じ割合を占めるか、もっと増えているかもしれない。筆者はたとえば白い花が好きであるとして、木に咲く大きな花がどちらかと言えば好みだが、小さな花の梅もよい。それに木に咲かず、まるで雑草のように咲く小さな、名前がわからない、わかってもすぐに忘れるような花もいいと思う。そして、今日はつくづく思ったが、赤や紫など、どの色の花もよい。人間も同じではないか。昨夜家内と阪急電車に乗っての帰り、斜め向かいの座席に40代半ばのかなり痩せた男性が眠りながら座っていた。清潔そうな身なりだが、金持ちではないようだ。彼女もいないように見える。その男性の姿を見ながら、筆者は「彼にいいことがありますように」と祈りたい気分になった。何となく楽しい人のようであるからというのが理由ではない。むしろ筆者は苦手なタイプだ。それにもかかわらず、いやであるからこそ、そんな優しい気持ちになったのかもしれない。Sが「韓国の政治家には時として質が悪いと思える人がありますが、それを言えば日本も同じです」とでも言えばよかったのだが、Sにはそんな優しさがない。人の痛みがわからず、傲慢で偏狭と思われても仕方がない。
●梅雨明けの白花、その10_d0053294_0332117.jpg

 ここしばらくこのカテゴリーに載せている白い花は、2年前に「その12」まで続けた梅雨時の白い花とだぶらないように選んでいるが、たとえば白い朝顔と百合は全く違う「属」であるのでいいとして、同じ「科」や「目」となると花の形は似て来るし、八重と一重では「目」は同じではないだろうか。そのため、なるべくそれぞれに縁遠い花を選びたいが、筆者の行動範囲は狭く、前に書いたようにわざわざ白い花を求めて植物園に出かけるといったわざとらしいことはしない。あくまで日常生活の中でたまたま遭遇し、その時にカメラを持っているという条件だ。そのため、偏った選択になる。それは悪いことではない。それが表現というもので、それが誰かに先入観を植えつけるものでもない。Sは「韓国の政治家は質が悪い」という言葉によって自己表現をしていることになるが、それは彼女の行動範囲があまりに狭く、政治を語るにふさわしくないことを如実に示している。それに「質が悪い」ということを何をもってして決めつけているかだが、どの国の政治家も愛国を思うのであれば、利害が対立することの多い国からは煙たがられるのはやむを得ない。となると、Sの発言は全く鏡の反射と同じようになって彼女や日本に降りかかって来ることを知らねばならない。そんな低次元の水かけ論でお互いの国にいいことがあるだろうか。Sが韓国と仲よくすべきと本当に思っているのであれば、科学的からは縁遠い「質が悪い」の断定はすべきでない。しょせん視聴率を稼ぐための番組という見方もあるが、そういう場であるだけに先日から書いている「B層」は感化されやすい。質の悪い評論家から洗脳されていいことがあるか。植物の同定は簡単な場合もあるし、難しい場合もある。誰が見てもヒマワリはヒマワリだ。だが、園芸種もたくさん出回るようになって、背丈が30センチほどのヒマワリもある。それはそれなりの長い学名がついているだろう。同定はそこまで本当はすべきで、それが科学だ。Sは韓国の政治家について「質が悪い」という同定を下した。それはどういう特性を見てのことか。そして、同じことは日本やそのほかの国の政治家にはないのか。筆者は昔から政治家全般が大嫌いで、口先だけで偉ぶって生きる人種に見えている。だが、国を担うとは、そういうことでもある。自国の利益を優先するには、そういう単純な人間の方がよい。もっと言えば、野蛮を平気でやるタイプだ。今日の2、3枚目の花は名前がわからない。2枚目はたぶん「ミムラス」と思う。3枚目は「レトニア」の八重咲きの品種か。同定の難しさを実感する。ましてや人間では……。誰でも誤解されるのはいやであるし、誤解したくもない。誤解を招かないように言葉には気をつけたいが、ネットではSが発するような単純で残酷な表現を大量に目にする。
by uuuzen | 2013-08-18 23:59 | ●新・嵐山だより
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