●ゑべっさん、えべっさん
いの帽子というほどでもないが、たまたま家内も去年沢辺さんに作ってもらった帽子を被っていた。筆者のは形が違うものの、同じ黒色なので、その点でもお揃いだ。



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毎年1月のゑべっさんに出かけるようになって、7,8年になるだろうか。今年は初日の8日に行った。その日は府立図書館で調べものがあって出かけ、家内が京阪の祇園四条駅に着く頃を見計らって同館を後にした。無理してそうしたのではない。ちょうど間に合いそうな時間に、調べものの区切りがついた。徒歩ならば岡崎からは20数分はかかる。図書館を出て向い側の市立美術館の前のバス停を見ると、5番の京都駅行きのバスが着いたばかりであった。それに乗ると間に合う。急いで幅広の道をわたり、バス停に向かって走ると、10数メートルのところでバスは出てしまった。運転手にはバック・ミラーで見えているはずで、ほんの数秒待ってくれればいいものを、根性の悪い運転手がよくいる。その反対にとても親切な人もいるから、平均すればいいとも悪いとも言えない。バスが出た後、さて四条京阪まで歩いたものかと迷っていると、すぐにまたやって来た。それはルートが違って、祇園で降りて四条通りを西にバス停ひとつ歩かねばならない。5番は河原町通りを南下して四条河原町に行くので、かえって遅いかもしれず、先のバスの乗れなかったことがよかったと思い直した。案の定、筆者の乗ったバスは東山三条でその5番を追い越した。そうそう、時計を持って出るのを忘れたので、バスが信号で引っかかるといらいらする。せっかく家内が帰宅する電車を待ち伏せし、駅で姿を見つけようと思っているのに、ほとんどぎりぎりの時刻のはずで、信号待ちひとつで家内は筆者の到着より先に四条大橋をわたって阪急電車に乗り継いでしまう。こういう時、やはりケータイ電話が便利だ。時計代わりにもなるし、カメラの役割もする。だがそんなことは思わない。会えればよいし、会えなければそれもいい。同じように仕事帰りの家内を駅で待ったことが今までに数回ある。記憶では運よく会えたためしがない。それは時間がずれたのではなく、家内は改札を出た後、どの階段を利用して地上に出るか、また四条大橋の南か北のどちらを歩くかがわからず、擦れ違ってしまったのだ。ある日は、30分ほど待った。帰宅してそのことを言うと、勤務先に電話してくれれば待ち合わせ出来たのにと言う。それはわかっているし、そうする場合がほとんどだが、たまたま筆者の予定が早く終わり、帰りの電車をつかまえられそうな時がある。8日もそうであった。家を出る時は家内を待ち伏せしようなどとは思っていなかった。
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 バスが祇園に着き、東大路通りを西にわたったバス停でバスを待つと、なかなか来ない。これでは遅れる。歩いた方が早い。そう考えて急ぎ足で四条大橋に着き、家内を待った。5分ほど待って、時刻が気になった。地下に降りると改札口の時計が4時20分を示している。4時に職場を出る日であるから、何事もなければもう着くはずだ。予想どおり、2,3分すると乗客がぞろぞろと出て来て、その中に家内の姿があった。ひょいと家内の前に躍り出ると、家内は目をぱちくりして驚いた。「ゑべっさんに行こう」 四条通りの南側を並んで歩き、大和大路通りに向かった。すぐだ。50メートルもない。それを右に折れる。つまり南下して300メートルほどで恵比寿神社が右手に見える。狭い道で、両側に露店が並ぶのでなおさら狭くなるが、それがよい。1年のうち、露店が出るのはゑべっさんの数日間だ。8日から始まって残り福の12日までで、筆者は毎年10日かその前後の日に行く。8日の、まだ日が沈まない頃は初めてだ。そのためか、露店はまだどこも閉まっている。これは警察から達しがあるのだろう。沢辺さんのガレージが開いているかと思ったが、露店がまだ営業しておらず、人通りもごく少ないとなれば、寒さもあってガレージ・セールをする気力が出ない。家内ともども沢辺さんの手作りの帽子を被っているというのに、ちょっと残念。また、人通りの少ないゑべっさんはわびしい。押すな押すなの人の出があって、商売繁盛のムードは高まる。3年ほど前は人の波が止まったままという大混雑に遭遇した。同じ混み具合は神戸のルミナリエで体験したことがあるが、寒くてもおしくら饅頭状態になって何となく心は温かい。それが人影まばらでは、巫女さんらにも目立って仕方がない。笹を持って舞っている巫女さんは例年どおりでも、笹や飾り物、くじの売り子となっている巫女さんらはいかにも手持ち無沙汰で、白い着物が寒々しい。筆者は笹を買ったことがない。それを飾る場所もないし、また商売をしている自覚がそもそもない。万年無職のような人生を送って来て、ゑべっさんや大黒さんには無縁だ。にもかかわらず、彼らの姿は好きだ。そして、信じてもいないのに、神社にお参りする。今年は正月に八坂神社に参った。おみくじは今までのように金属の六角形の筒を振って番号を記した棒を1本取り出し、その番号に応じたくじを巫女さんから受け取るという方法ではなく、小さな紙箱に雑然と入っているくじの包をひとつ選んで200円をわたした。筆者が引くと「吉」と出た。毎年似たようなものだ。ゑべっさんでは家内に引かせた。凶が出るといやだと言うが、無理に引かせた。「吉」が出た。それをすぐ脇にある紐にくくりつけた。「吉」はもちろん悪くないが、「我慢して待てばそれなりにいいことがある」といった程度の意味だ。筆者はずっと我慢してもう10年も過ごして来た。いつになれば埒が明くのかわかない状態で、くじの「吉」に嬉しさもその反対の情も湧かない。家内から聞いたが、同じ職場の婦人は御主人ともに「凶」が出た。「凶」のくじは100本に数本程度しか混ざっていないと思うが、それが夫婦揃ってとなると、きわめて珍しい。正月早々縁起でもないという気分だろう。それで別の神社で引き直したそうだ。それではくじ引きする意味はない。「凶」と出れば、例年以上に日々注意を怠らなければいいのであって、考え込まない方がよい。筆者は「凶」を引いたことがない。また「大吉」もない。平凡な人生を象徴しているようだ。
d0053294_2350943.jpg 「凶」が出た同僚から家内が耳にした別の話がある。それは、筆者らが毎年通う恵比寿神社の鳥居のてっぺんに、笊入りゑべっさんの顔があって、賽銭をその笊に投げ入れてうまく入ればいいことがあると言われているとのことだ。さてそんなものがあったかさっぱり記憶にない。毎年行きながら、ろくに境内を見ていないことは去年夏に「5円のえびす」と題して書いた。まだ知らないものがあったとは、これはぜひ確認しなければならない。まず最初に大和大路通りに面した鳥居を見上げて写真を撮った。同じ角度の写真は何年か前に載せたことがある。そうそう、これと全く同じ角度の同じ神社の鳥居を撮影した写真が、一昨日のブログジャンルの「クリエイター」部門で第1位となっていた。筆者が同じ日に投稿していても、第1位にはならなかったはずで、その差は何に由来するのかと思った。また、おそらく同じ時間帯に同神社に出かけた人が同じexciteブログに投稿していることが面白い。とはいえ、その人は筆者がこうして2日遅れでほとんど同じ写真を投稿することを知らない。10数位では誰も注目しない。目立つのは一番だけだ。さて、二番目の鳥居を見上げると、確かに青銅色のゑべっさんの顔が金網の笊に収まって飾られていた。ところが、覆いがかけられている。これは普段の人の少ない時はいいが、十日戎の期間中は笊に入らない賽銭が頭上から落ちて凶器となりかねないからだろう。ともかく、初めて確認した記念にその写真を二番目に載せておく。帰りは花見小路通りまで歩き、そこから四条通りの北側の歩道にわたって、四条大橋に出た。どこか喫茶店に入ろうとしたが、適当なところがない。家内は早く帰宅して録画してある韓国ドラマを見た方がいいと言う。それで筆者と四条河原町で別れ、筆者はバスで帰った。ムーギョとトモイチで買い物をするためでもあった。バスでは座るとすぐに眠ってしまう。その日もそうで、少しずつ疲れやすくなっていることを自覚する。老いて行く一方なのであるから、これは自然だ。四条河原町で3番の松尾橋行きを待っていると、背後のすり減った板塀に八坂神社の「祇園えべっさん」のポスターがあった。そう言えばそこにはお参りしたことがない。数百メートル離れてふたつのゑべっさんが賑わう図は狭い京都をよく象徴している。ポスターで興味深かったのは宝船の図だ。筆者はそれとほとんど同じ構図の今から250年かもう少し前のものを持っている。それもあって、多少は宝船図について調べたことがある。筆者の所有するものは八坂神社のものではない。ということは、京都市内の異なる神社で同じ宝船図を用いていたことになりそうだが、同時に使用を始めたことはまず考えられず、どちらかが真似をしたのだろう。ところが、あまりに古いことであり、また庶民のささやかな幸運を願うことに関する事柄であるから、記録されていないだろう。また、そうした安価な版画は消耗品であったから、かえって立派な絵師が描いた絵よりも存在が珍しい。それはさておき、昨日家内が仕事帰りに四条大橋で見かけたそうだが、この八坂神社のえべっさんの宣伝のために、七福神の仮面を被った七人が特製の車に乗って移動していたという。八坂神社の方がはるかに有名であるので、宣伝のための予算が大きいようだ。ポスターが貼ってあったのは、八坂神社所有のお旅所のようなところで、その隣りのお土産センターは、祇園祭の時期に神輿が展示される。去年の祇園祭に撮ったその3基の神輿が並ぶパノラマ写真を保存しながら、いつ投稿したものかと機を見つけることが出来ないでいる。今日はちょうどよいが、八坂神社のえべっさんに参り、その写真と一緒の方がよい。今日は11日で、明日は最終日。沢辺さんがガレージを開けているかどうかわからないが、今年は人の賑わいを見るためにもう一度行ってもいい気分になっている。そしてついでに八坂神社の祇園えべっさんに足を延ばすのもよい。明日は家内は仕事があるが、また待ち合わせをすればいいか。ただし、仕事の終わる時間にもよる。それをまだ訊ねていない。
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by uuuzen | 2013-01-11 23:52 | ●新・嵐山だより | Comments(0)


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