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●夜行列車と勉学優秀な生徒たち
また夢を見た。たくさん見たが、導入部と最後の直前がはっきりと思い出せない。思い出せないところはそのまま飛ばして話を継いである。そこに注釈を入れるのもよいが、どうせ夢は脈絡のないものであるので、曖昧なところは書かないでおく。鮮烈な場面を書いておくのが目的であるので、それでよいだろう。



夜に学校に行こうとしている。家から学校までは何通りか行く方法があるのだが、授業遅刻しそうになっているか、あるいは急な用事が出来たかして、いつもとは違う方法で急いで行くことにする。そのための道順などは誰かから聞いてわかっている。そして夜道を歩いて、もうすぐ電車の乗り場だというところに差しかかっている。あたりは公園のような樹木が多いところで、空は紺色をしている。あちこちにぽつんと電灯が光っているため、人影があればどうにかわかる。筆者の後方にひとりの男性が10メートルほど距離を開けてついて来る。公園内部の地道であるので、足音は聞こえない。男性は同じ電車に乗ろうとしているのだろう。こんな人影のないところを同じ方向に歩くのはそれしか考えられないからだ。それでも暗いので、少し気味が悪い。だが、もう100メートルも歩けば乗り場があることがわかっている。そして乗り場が見えるばかりになったところに、別のひとりの若い男が筆者の右側から歩いて追い越して行く。知恵遅れのようで、大声で何やらしきりに歌ったり叫んだりしている。前方高く、高速道路の高架が見える。そのすぐ手前に石造の塔がある。高さは10数メートルだ。たくさんの無縁仏を集めて塔にしてあるように見えるが、そうでもないらしく、破風や抽象形など、雑多な形の石材が積み重ねられている。ロケットのようにスリムな塔で、パゴダと呼ぶにはイメージがかなり違う。それでも墓の印象は強い。若い男は突然その塔によじ登り始める。暗い中でもあり、上部までは行けず、4メートルほど登って舌打ちしながら下りる。それを2、3度繰り返している傍らを筆者は通り過ぎる。男はどうやら塔の中心のように見える破風が目的のようで、そこから塔の中に入れると思っているらしい。その行為を見て、筆者もてっきりその破風が電車へ乗るための入口かと思う。そして、こんな男と一緒に乗るのはいやだと感じ、男と塔の傍らをそのまま通り過ぎる。高架の下あたりに来ると、前方3、40メートル先に高速道路の高架上に登る階段がある。真っ暗でよく見えないが、一度来たことがある気がしてそのことを確信する。そのあたりまで行くと、やはりそのとおりだ。早速階段を上がって高速道路に出る。車は少ない。乗り場らしいところを探すがない。高速道路の端を100メートルほど行ってまた戻る。そして眼下には先ほどの若い男がもうおらず、こっちにも上がって来ないことが何となくわかって安心する。
 気がつくと、急に大きな貨車のような車体が目前に来ている。夜であるので見えにくいが、全体が真っ黒で窓はひとつもない。目的の電車はこれだなと思い、ゆっくりと走っているその貨車に沿って走りながら、側面にある把手のひとつをつかんでガラガラと引く。蒸気機関車が貨車を引っ張っているようで、筆者の足元には煙が立ち込めている。扉を開いた中はトイレになっている。洋式の白い便器が見えていて、蓋が空いている。中はかなり狭い。便器だけを四方の壁が取り囲んでいる。後方の把手をまた引くと、全く同じ便器のある小さなトイレ室だ。『そうだ、トイレにも行きたかったからちょうどいい』。こう思って、2番目のトイレ室に飛び乗る。そしてすぐに扉を閉める。すると中は完全に真っ暗だ。手探りしなければならない。まずトイレの蓋を閉め、蒸し暑いこともあって、着ているものを脱ぎ始める。汗をかなりかいたため、なかなか上着やシャツが身から離れない。ズボンも同じだ。ほとんど裸同然になってからゆっくりトイレをしようと思う。ところが、服を脱いだ途端、10代後半の男子学生の声が左後方上部から聞こえる。筆者に話しかけているのだ。貨車の内部は3段になっていて、筆者のいるトイレ部屋は中段で最も小さく、上段や下段の各部屋は3畳程度の広さであることがわかる。学生は筆者を見て、同じ学生と思ったらしく、それで挨拶をしたのだ。その学生の部屋は布団や枕がもうきちんと部屋の片隅に積まれて、それにもたれるようにして男はこっちを見下ろしている。そして、貨車の中の各部屋はしきりが全部透明になっていて、他の部屋がみんな見通せるこかわかる。古い貨車と思っていたのが実はそうではなく、流線型の強化プラスティックか何かで車体が造られた最新式の寝台列車であることがわかる。また、そういうことがわかったのは、さっきまで真っ暗であったのは深夜であったためで、学生が声をかけて来た時にはすっかり早朝になっていたからだ。筆者は裸のままでトイレの蓋に座って眠ってしまったのだろう。自分が裸であることを恥じ、また他の学生とは違って自分はこの電車には本来乗るつもりもなかったが、急用が出来たために仕方なしに勝手に乗ったことを誰にも話さないように決める。
 次の瞬間、貨車の中の大きな部屋にいる。扉はみな閉じられているので、外の景色は見えない。内部はそこそこ明るいように蛍光灯が光っている。筆者は部屋の中央、壁際に近い場所、つまり貨車の進行方向に向かって左壁を背にして右壁を見て座っている。目の前には10歳程度から17、8歳の少年たちが10数人、ざわざわしながら座っている。全員が白シャツに黒ズボンで、とても賢そうな顔をしている。髪はきちんと手入れされ、頭の後ろの生え際は散髪し立てのようで、ていねいに刈り上げられている。みんなは貨車の進行方向とは逆を見ている。少年たちの視線の行く手には、ひとりの同じ服装をした30歳代の先生らしき人が紙を手にして立っている。その人が少年たちに何やら発表しようというのだ。改めて少年たちの顔をひとりずつ見ると、みんな男前で、よくぞこれだけ育ちがよいように生まれ育ったものだと感心させるほどに優秀に見える。ひとりふたりならどうってことはないが、これだけの数が集まると、惚れ惚れするような輝きがある。どの顔も兄弟のようによく似ているが、よく見るとやはり少しずつ違った個性がある。全員心優しそうで、ガリ勉タイプの青さはない。天才の集団としか言いようのない風格があって、筆者は自分がそこにいるのは場違いな気がしている。だが、せめて恥ずかしくない態度を見せねばと思い、しゃちこばってみんなを観察している。筆者の前方右手に立つ先生らしき男が用紙に書いてあることを口にする。その言葉のたびに少年たちはみんな嬉しい声を発する。有名大学への入学が決まったようなのだ。『この少年たちはエリート養成コースの塾生だったなのか』と納得するが、『それにしても10歳ほどの少年が大半を占めていて、彼らがすぐに大学生とは、全くどんな頭をしているのだろう』と、また感心しきりだ。ざわついている間に、生徒がひとりふたり遅れてやって来る。左手からは長髪の、いかにもむさ苦しそうな学生服を来た20歳くらいの男が現われ、少年たちの集団の後方に着いた。『ああいうみんなと違うことをするバンカラな奴はどこにでもいるものだしな。だけど少年たちより何歳も年上ということはかなり恥ずかしいな』と思う。すると今度は右手から12、3歳の少女が3人ほどにこにこ顔で入って来る。全員、白シャツに黒のリボン、スカートも黒っぽい。顔は少年たちをそのまま女にしたように見え、利発であることはすぐにわかる。先生は彼女たちも全員が合格したと告げる。大歓声が上がる中、先生は「次のグループがこの部屋に入場するから、全員こっちの方に詰めて」と言い、筆者の座っているすぐ後方にみんなを押し込め、そして白いカーテンを右から引いて来て、筆者のすぐ眼前を通過して左端まで閉じてしまう。
 筆者もろとも少年たちと狭いところに閉じ込められた格好だ。息苦しいし、しかも少年たちと自分は身分も違うので、すぐにカーテンを潜って外に出て、前と同じように座る。筆者の後方のカーテン内部は2段ベッドのような構造だ。その天井のきわめて低い、そして細長い空間に少年たちは押し込まれた。カーテンがまだ完全に閉まらないうちに、右手の隣との貨車との接続部にある扉が開き、また同じような人数の少年が入って来る。扉は列車にあるような小さいものではない。縦横2、3メートルほどあって、その全面がパタンと下に倒れると同時に、われ先に少年たちは入り込こんで来た。さっきと同じ光景が繰り返されることがわかっているので、どのようにしてここを出ようかと思っている。すると、急に最初に目的としていた学校の教室にいる。そして友人に話す。友人曰く、「その電車はかなり有名で、毎夜1便必ず同じルートを走っているよ。舞鶴あたりから和歌山あたりまで一晩で走るんやけど、途中で生徒たちを順に拾って行くんや。走る路線はあちこち迂回しているけど、お前が乗ったという高速道路は、その電車がごくわずかの区間だけ特別に走ることになっているところでや。そこでそれに乗れたのは本当に珍しいたまたまの偶然やな。電車に乗れるのは厳密に許可された生徒たちだけで、他人は絶対に乗られへんからな」。『ふーん、そうだったのか。それであんな賢そうな顔した者ばかりが乗っていたのか』と納得しているところで目が覚めた。


美少年趣味は全くない。だが、賢く優しい男の顔は好きだ。少年にそんな大人の風格を備えている例にはほとんど出会ったことはない。そのため、今朝の夢に登場した数々の少年の大人びた風格は、まじまじと見つめることを免れないものであった。子どもの頃に天才と呼ばれても平凡な大人になる人はいっぱいいるが、単に勉強が出来て有名大学に低年齢で入学出来ても、それで天才とはとても言い切れない。むしろ子どもの頃はぼけっとして過ごす方が、将来大きな仕事を成し遂げる方が多いだろう。そのため、夢の中に出て来た少年たちは、ガリ勉タイプには見えなくても、結局は一流大学の入学だけで喜ぶ平凡な人間たちかもしれない。あるいは将来天才的仕事をする人は必ず有名大学を出ていることが条件であるかもしれず、その意味からすれば、やはり夢の中の子どもたちは将来の天才の集団かもしれない。子どもが大成した大人の表情をどれほど備えることが出来るかどうか、そんなことを普段考えもしていないのに、夢にそのようなことが現われたのは理解出来ない。だが、大人、しかも男はそれなりにいい顔をすべきという思いは持っているから、それが反映したのかもしれない。そして自分はそうしたエリート集団とは無縁で、もぐりのようにして生きていることを恥ずかしいと思っているために、こんな夢を見たのかもしれない。きっとそうだろう。まだまだ修行が足りません。永遠に足らないだろうけど。
by uuuzen | 2005-09-07 23:53 | ●【夢千夜(むちや)日記】
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