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●金沢にて、主形町茶屋街
野川大橋からそれぞれ上流下流2,3キロ程度を歩けば面白いだろう。川沿いをそのように歩けるのかどうか知らないが、何となくそれを阻むものを感じた。



●金沢にて、主形町茶屋街_d0053294_1115253.jpgまさか川沿いの道が浅野川大橋から上流下流500メートル程度で途切れているはずはないが、下流側は蛇行してその先が見通しにくく、上流側は右岸がひがし茶屋街でそこに立ち入ってしまうので、河川沿いを目的なしで遠くまで歩く気はしなかった。これが数日でも滞在するとまた違ったが、なにせわずか1泊だ。ともかく、川の上流と下流のずっと先が何かに阻まれているように感じたことは、そこに何かがあるという感覚で、これはまた行って確認したい気にかられる。それはさておき、浅野川大橋下流左岸は京都鴨川左岸の宮川町のような茶屋街で、そこも観光客は必ず行く場所になっている。川沿いと、そのすぐ裏手に2階建ての日本建築が並んでいて、ひがし茶屋街とは違う風情がある。主計町と呼ぶが、町名変更でなくなっていたものを近年復活させたという。味気ない町名変更は日本中で行なわれている。それがいい場合とそうでない場合がある。特にほかにはない観光名所であれば、それを記憶するにふさわしい昔ながらの呼び名がいいに決まっている。役所も柔軟に対応すればいい。町名変更は同和問題が絡む。出身の町名を言っただけで、どういう血筋か勘ぐられることの弊害を防ぐのが最大の理由だろう。京都や大阪では特にそれが多い。そのため、不動産屋は他府県の住民をなるべく斡旋することも多い。人間はそのようにして地区ごとに住み分けている。だが、あまり同じ土地に何世代にもわたって住み続けると、次第にその土地は疲弊して来る。血とはそんなものだ。なるべく遠方から別の血を導く必要がある。人間は植物とは違って自由に動いてなんぼの動物で、あちこち行っては住み着くのがよい。植物でもそうしている。同じ土地に300年ほども店をかまえているということは京都では珍しくないが、そういう家柄は案外外国人と結婚したりして血が濃くなることを防いでいる。ならば伝統的な家並みが保存される地区や300年続く老舗に尻込みする必要はない。入り込んでみれば同じ人間であることがわかる。おそらく金沢の茶屋街も同じではないだろうか。さて、浅野川大橋を夕方にも朝にもわたりながら、主計町茶屋街を眺めると、シャッター通りとまでは言わないが、あまりにぎやかさは感じなかった。店が始まる前であったからかもしれないが、こうした茶屋はどれほど商売が成り立つのだろう。そんな場所に縁のない者によるよけいな心配かもしれない。京都でもそれなりに営業しているから金沢でも同じだろう。だが廃業する店があったとして、後に入る人が大きく改装すると、伝統的な景観は失われる。そうであっていいのかどうかだ。
●金沢にて、主形町茶屋街_d0053294_112345.jpg 浅野川沿いはまだいいとして、その裏手はとても道幅が狭く、車は入れない。裏口かと言うとそうでもない。通りの両側に家が並んでいる。どこか1軒が火事を出せばトンネル効果で軒並み燃えてしまう。消防法からすれば違法だろう。焼けてしまうと同じ道幅は許可されないはずだが、火を出さないようにきわめて用心しているのだろう。冬は雪が降る金沢であるので、火事が起こる確率は京都より高そうだが、主計町ではその点はどうなのだろう。筆者は狭い路地を歩くのが好きで、9日は朝からその裏手の道を突き当りまで行き、また直交する道にも踏み込んだ。60くらいの女性が出て来て筆者をいぶかしげに見たが、筆者以外にもカメラ持参の観光客はぞろぞろやって来たので、よそ者が来たなという思いからではなかったと思う。だが、それほどの狭さでは、不審者らしき人物が夜陰にまぎれて入り込むことが怖いはずで、用心深くなってあたりまえだ。道が狭いことは、常にきれいにしておくという思いを定着させる。そのことが不審者の立ち入りを拒む。汚れている地区ほど犯罪が多いのはよく知られる。きれいなところを汚すのは勇気がいる。それは日本だけのことではないと思いたいが、国が違えば文化も違うから、きれいな場所にごみを捨てても気にならない人はあるだろう。そう言えば金沢市内にはごみは少なかった。夕空を騒がせる烏の大群からすれば、どこかにごみがたくさんあるはずだが、京都とは違って清涼飲料水の自動販売機があまりにも少なく、それがとても好感が持てた。京都はそれが至るところに目立ち、缶が捨てられる。ひがし茶屋街や主計町の近くでは1台も見かけなかった。兼六園周辺もそうであったが、桂坂口に行くまでの間の坂の途中、左手に自販機ばかりを置いた店があった。そこにまとめて置いているのだなと思ったほどに、ほかの場所では見かけなかった。暑い夏はどうするのか少し心配だが、町の景観が自販機で汚されないことはいい。旅館の女将にそのことを言うと、自販機の少なさには気づかないようであった。泊まった旅館の中には自販機が1台あって、真夜中に起きて冷たいものが飲みたくなったのでごそごそと起き出してそこまで1本買いに行った。誰かに会えばどうしようかと思ってひやひやしたが、宿泊客は筆者ら以外には1組か2組しかなく、誰とも会わなかった。話を戻して、主計町は金沢が京都に近い町であることを伝える。ならば京都に住む筆者がわざわざ見るまでもないかもしれないが、「近い」は「同じ」ではない。金沢はそれなりの持ち味がある。それは浅野川大橋のレトロ感の効果が大きい。橋をわたってすぐ北側西には京都ではもはや見られない古い店が数軒あった。本屋は教科書専門だったか、人がほとんど出入りしないまま数十年経ったようなたたずまいで、絵になる懐かしさを感じた。その両隣りも似た古い建物で、そこだけ時間が止まったままだ。地方都市に行くと、まだまだそういう場所はあるのだろう。昭和を感じさせるそんな建物が好きだが、代が変われば安っぽい書割のような建物に変わる。そろそろそういう昭和の建物が並ぶ地区も伝統的景観として保存して行くべきではないか。何でも新しいものがいいとは限らない。新しいものはすぐに作ることが出来るが、古いものはそれだけ年月を要する。木と同じだ。人もそうだが、こっちはしばしばぼけるなどして威厳を失う。雪の日、雨の日、花咲く頃に主計町界隈を歩いてみたいが、ひとまずそれらの景色を想像して満足する。
by uuuzen | 2012-10-15 23:59 | ●新・嵐山だより
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