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●下流の片隅で咲くアカンサス
力した者が成功者になれる。こう学校では教えるだろう。今はあるのかどうか知らないが、毛筆の習字の授業では「努力」という字を書いた。



●下流の片隅で咲くアカンサス_d0053294_1181888.jpg「努」という字を中学の体育の先生は、「女のまたの力だぞ」と何度も言っていたが、努力は女性がお産する時の苦しみほどにしなければ報われないのかと思った。実際はそれ以上かもしれない。だが、努力のし過ぎで体を壊して元も子もない場合もある。筆者もある時期、努力せずには何も成し遂げられないと強く思っていた。そのことをある人に言うと、努力したくても出来ない場合や人があると応えた。その意味が長い間わからなかった。今もそうかもしれないが、努力だけではどうにもならない場合が人生にはあると思うようになった。努力は温度計のように計測出来るか。学習塾や学校の先生はイエスと言うだろう。テストの点数で一目瞭然というわけだが、テストは恣意的に作られた単なる問題の集合で、その努力はテスト用のそれに過ぎない。勉強に努力していい点数を取り、そのことでいい大学に入っていい会社に勤務し、いい生活を送ったとして、それはその人だけのことで他の人にいい影響を及ぼすだろうか。いや、学校で努力すべしと教えるのは、そうした個人の豊かで気分よい経済的生活が成功であると信じるからで、学校は一歩間違うと、ろくでもないことを教える場となる。大金持ちになったとして、それは自分が一番努力したからであって、当然のことと思うのだろうが、それがどの人間にとっても真実で大したことか。日産のゴーン社長が車の売り上げが世界一になったこともあるので、自分の昨年度の報酬を10億に少し手が届かない額にしたことを発表したが、これは実際の売り上げや利益という数値から計算されたであろうから、それが多いか少ないかは外部の人間がとやくかく言うべきことではない。不思議なのは政治家だ。政治は商売人の利益追求よりたちが悪い。自分たちのつごうのいいように年収やボーナスを決める。それは人々の税金から支払われるから、最も安定した職業だ。であるから常に次の選挙のことを考える。消費税を8からやがて10パーセントにすることが決まったが、将来の日本の年金などの福祉が充実した生活を今から考えて財源を確保するのが意味合いとされる。消費税が最初に導入された時、その意味合いはどうであったか。福祉が大事と言いながら、きっとそういうところに使われないのは目に見えている。10年、20年後に日本がどうなっているかわからず、たぶん今より財政は悪化しているから、消費税を50パーセントくらいにしなければならないと「絶対に」言い出すに決まっている。そうなっても誰も責任を取らないし、また取ったところで仕方がない。「命を賭けて消費税を上げる」と言ったところで、その命はまさか首をくくって自殺するでなし、せいぜい総理をやめて後はたっぷりある年金で楽に暮らすだけのことだ。日本に莫大な借金があり、財政が破綻同然になっているとして、そういう国にして来たのは政治家だ。その政治家がまたどうにかして国民から広く絞り取ろうとしている。いっそのこと、議員は生活保護経験者から選ぶことにすればどうか。あるいは、年収を国民の平均よりうんと低くする。それでも名誉をほしい人はやりたがるから問題ない。
●下流の片隅で咲くアカンサス_d0053294_1184423.jpg 消費税という言葉はもう使わない方がいい。生きて行くことは時間の消費で、食べたり飲んだりの消費もする。長生きする人はそれだけたくさん税金を支払うことになるから、消費税はその意味でも平等感があると思えないこともないが、「消費税」の「消費」は「物を買う」意味で、生きて行くことに必要な米や水などにもかかる。この点は貧乏人も金持ちもないから、貧乏人に負担が大きい。つまり平等ではない。消費税を始めた時にもそのことはよく言われたのに、結局うやむやにされてそのままやがて10パーセントになろうとしている。一方では欧米では20パーセント以上の国もあって、日本はまだ低過ぎるとTVが言ったりもする。この数字に惑わされない方がよい。贅沢品にも生活必需品にも同じだけ税をかけるのが日本で、これは貧乏人により貧乏を強いる法律だ。「消費税」ではなく、「贅沢税」とすべきで、貧乏人には無縁な商品からたくさん徴ればいいではないか。水や米、電気ガス代、そういうものにも等しく課税するでは、消費したくない人でも逃れることが出来ない。消費税アップの法案が通るのは、政治家に生活保護にかかったことがあるような人物がいないからだ。目はいつも金持ちに向いている。それでも日本の国民はウサギのように鳴き声を立てずにおとなしいから、消費税が50パーセントや100パーセントになっても今の政治体制を変えようなど夢にも思わずに慎ましく暮らし、そして餓死する。蛙を水から茹でると、熱湯になっても逃げずにそのまま死ぬそうだ。それと同じだ。道端に餓死者が溢れる光景は平安や鎌倉、江戸時代にもあった。これからもないはずがない。それでも政治家は自分たちだけが残ればよしと思う。歴史を見ても、あるいは叙勲からもわかるように、名前や業績が残るのは為政者が中心だ。そこにわずかな文化人が添えられ、無名の人は存在しなかったも同然だ。餓死するような貧乏人は税金を費やさねばならないだけの存在で、さっさと死んでもらった方が国、いや自分のためと内心思っている。人間も動物であるから、生存競争は遺伝子に組み込まれている。精子からしてそうだ。であるから金持ちになるのは成功で、貧乏人はさっさと死ぬべしと考えるのが政治家の本音だ。消費税はそのような考えが根底にある。100や200パーセントになっても彼らは何も困らない。いくらでも財源はある。課税率を高めるか新しい何かに税金を課する。政治家とはみなから金をむしり取って自分たちが安泰に暮らす種族だ。みんなそれがわかっていても、ではどうするかとさっぱり方策がわからない。学校で教えるべきは、全員が立候補することだ。とはいえ、そうしても蛙の子は蛙で、金持ちしか当選しないようになっている。
●下流の片隅で咲くアカンサス_d0053294_1185997.jpg 今日は昨日に続いて「池辺にて、その4」とした方がいいかもしれないが、池の写真はない。慶沢園の話題のあまりものを書く。カルピス・ソーダを飲みながら園に入ると、すぐ正面に真新しい石像が置いてあった。蛙だ。背中に子蛙が乗っている。蛙の子は蛙で、親と同じ形をしている。この彫刻はほとんど冗談で置かれたものに思えるが、石材店の寄付ではないか。一般家庭の庭にあっていいようなものだ。それにしても蛙の子が蛙とは、何だか救いようのない話で、「トンビが鷹を生む」という方を好む。だが、それを石像にすることは難しいし、また出来たとしても笑いを誘うものになるだろうか。「蛙の子は蛙」は、「下々に生まれた者はいつまで経ってもそのまま」のたとえにも使える。今の日本はイギリスと同様、そのような格差社会が固定化している。イギリスでは金持ちは寄付することで名誉を感じるようになっているが、その背景にはキリスト教がある。翻って日本では仏教も駄目で、金持ちの寄付は珍しい。貧しい者は努力が足りないからいつまでも貧しいのだと言われ、生活保護を申請しても気の弱い者は餓死するし、そのことで役所の担当者が責められることもない。親子蛙の石像の写真を撮った後、左手を進むと、うす暗い場所に背丈以上に長く伸びた茎の周囲に豆科のような花がたくさんついている様子が目についた。知らない花だ。日陰に大きく育つ花は何となく不気味だが、近くで見るとひとつひとつの花は堂々としてその威力に圧倒される。写真を数枚撮り、帰宅して名前を調べた。すぐにアカンサスとわかった。なるほどそう言えば、葉がまさにその模様と同じだ。アカンサス模様は古代ギリシア建築の柱頭飾りにはお馴染みだ。ということは原産は地中海ということになるが、日本にはいつ持って来られたのだろう。慶沢園が出来た明治からあるのだろうか。そうは思えないが、それもあり得る。花は6,7月に咲く。ちょうどよい時期に展覧会に行った。京都府立植物園など、ほかの場所でも見かけているだろうが、花は初めて見た。大きな植物なので、わが家で育てることは出来ない。だが、広々とした場所が必要なのがいい。「アカンサス」の言葉をからアメリカの「アーカンソー」を連想した。同州を「アーカンサス」とも言うが、インディアン語で、「下流に住む人」の意味という。その州名は「アカンサス」とは関係がないが、下町が近い天王寺公園にアカンサスの花が咲くのは面白い。ギリシア神殿に用いられるこの植物が、金持ちの庭ではなく、誰もがたやすく見られる場に咲く。何となく下々の人間万歳、あるいは貧しい人にも神々しい威風があると言っているように感じる。ギリシア神殿は奴隷がたくさんいた時代の産物だ。入ることの出来た人間はごく限られたと思うが、奴隷などの最下層の人たちがその石材を運んだり、またアカンサス模様を彫ったりした。そういう時代を野蛮と言うなかれ。現在の日本がギリシア神殿のように後世長く残る何かを作っているだろうか。そして、そういうものに最下層の人たちが携わるか。最下層の人たちは税に苦しみ、飢えて死ぬのが関の山だ。
by uuuzen | 2012-06-28 01:16 | ●新・嵐山だより
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